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記憶の中で生きる人

人を見送るのは寂しいものです。2ヶ月前に大学の先輩が亡くなり、数日前にはかつての職場で新入社員の頃にお世話になった上司が亡くなりました。60代も後半になると、慶事よりも弔事のお知らせが多くなります

結婚や出産のお知らせが少なくなって、少し残念ですが人を見送ることも人生を重ねてきた者の役割なのかなとも思います

見送る人たちに思いを巡らせ悼むことが供養になるのは間違いないと思います。


私の人生にとって忘れられない先輩がいます。

私が職場に入って右も左もわからない頃に、優しく接して下さった大先輩です。地元の新聞社で仕事をしていて、中途退職でテレビの世界に入ってきた人です。活字で勝負する世界にいた方だったので文章力が本当に素晴らしかったです。

当時、私が勤務していた局では、愛媛出身で全国で活躍している方たちを紹介する番組を放送していました。数人のディレクターや構成作家が関わっていましたが、その方もその内の一人でした。

私もその番組のインタビューを何度もさせていただき、その先輩の取材を見ることが出来ました。その人は人へのアプローチが天才的に上手かったのです。だからこそ、紹介する人物の人となりが浮き彫りになるような番組を制作し、その文章力で素晴らしいナレーションを書いていらっしゃいました。

取材対象者にいかに早く心の扉を開いてもらえるか、それはその人を知るために大きな一歩だと思います。そのアプローチの仕方がとても長けていたのです。

取材のスタート時には初対面でも、数時間すると昔からの知り合いのようにコミュニケーションが出来る、独特の話術を持っていました。

相手に警戒心を抱かせないで人の懐にすーっと入っていくような取材でした。私は身近でそのコミュニケーション術を学ばせていただいて本当に良かったと思っています。

相手からの情報を少しも聞き逃さないで、得た情報をこれまでの自分が持っている人間ネットワーク網にインプットして、そこから紐づいてくる様々な人脈の一つを手繰り寄せて、その人につなげることが短時間のうちに出来る人でした。

例えば出身校がどこか分かると、その人の先輩や後輩の名前を出して、そこで引っかかる人があれば、話を進めたり、その人がいた地域の伝統行事や学校の先生などの名前を上げて、何かヒットするものが無いかを探して話を進めるなど、コミュニケーション力に長けた人でした。

私は取材のアプローチを身近で見ていてその凄さに驚き、また学ばせていただいたことに感謝です。

まだ駆け出しの私のことも仕事仲間としてとてもフレンドリーに接してくださいました。そんな先輩がいたことを私は誇りに思います。

そしてその方の事をこうして今文章にできていることを幸せに感じています。人を忘れない、そして折に触れて語り、その志を未来につなげる、それが人を見送る事で大切なのかなとも思います。


バトル7月18日C

【毎日がバトル:山田家の女たち】

《年を取ったら忘れやすいわい》


「お世話になった人のことは忘れたらいかん、心に残っとる人は何かあった時に思い出すんよね

「私が投稿で書いとった人のこと、分かった」

「分かったよ、ええ人じゃったねー、私もお手紙を貰ろたことがあったわい、思い出すねー」

「いい人じゃったねー」

「年を取ったら忘れやすいけど、何かのきっかけで思い出すんよね、不思議なもんじゃ

私も見送る方たちが多い中で、懐かしい人のことを思い出しました。振り返りかかわった人たちを思い出してみるのは自分にとって記憶の宝物を探すようなものです。

ばあばの俳句7月30日A

立ち止まりふと振り返る師走かな


人生において時には振り返る事も大切です。立ち止まって歩いてきた道のりを噛みしめることで、学ぶことも多いと思います。一年の締めくくりの12月にこれまでの一年を振り返ることは必要ですね。


立ち止まりふと振り返る師走かなB

母のこの一年はnoteとの出会いでとても早く充実していたようです。私も本当に密度の濃いい一年でした。



最後までお読みいただいてありがとうございました。
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山田02B
私のアルバムの中の写真から
やまだのよもだ10月1日B

また明日お会いしましょう。💗

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