大安の日の3回の偶然
「予期していない突然の出会いはいいものだなあ」そう思う出来事がありました。
それは、母が3ヶ月ぶりに美容院に行った事から始まります。
母が出掛ける時には条件があります。
「天気がいいこと」
「大安の日」である事。
その日はまさには大安でした。
偶然の出会いに感謝し、青春を回想し、ほんの少しときめいた1日でした。
私が住んでいる愛媛県のデパートでの出来事です。
美容院の帰りに母とリニューアルしたデパートに立ち寄りました。
デパートでは珍しいフードコートが誕生していたことを知っていた母がそこで食事をしようと提案したのです。
初めての場所で母が食事をするなんてとても珍しい事です。
そこで食事をすることに決めたのは母の恩義です。
私たちが良く利用している道後にあるホテルのレストランがフードコートの運営にかかわっていることを知っていた母が、「一度はそこで食べてあげたい!」と思ったからです。
最初の偶然はテーブルに座ろうとした時でした。
ホテルの支配人と料理コーディネーターの方が偶然そこにいらしたのです。私たちを見かけて挨拶に来てく下さいました。
外出を控えていた母は、二人の顔が見られたことがとても嬉しかったようです。とびっきりの笑顔になりました。
食事を注文して、久しぶりにビールで乾杯をしていると私たちに近づいてくる人がいます。
カジュアルな装いの女性がマスク越しに母に声を掛けました。
「こんにちは、いつも素敵なイラストを描いていらっしゃいますね、見ていますよ、お上手ですねー」
その言葉に母はビックリしていました。
「noteのつぶやきの写真を見ているので、離れていてもベレー帽ですぐに分かりました」
お話を伺うとその女性もnoteに投稿なさっていて、母のイラストを見て下さっていると言うのです。
母は、人生で初めての出来事だったのでこれまた嬉しかったようです。
noteの影響力を肌で感じ、その後の母の笑顔は2倍になりました。
そして、二人が食事を始めると、何処からか「山田さんだー、山田さんだー」という声がします。
私は、誰だろうと思いながら、その声の方に目をやると男性が三人立っていました。
グレーヘアーのダンディーな男性が見えました。
「誰だろう、知らない人だよな・・・」
その隣の男性には何となく見覚えがありました。
そしてその隣の男性は、「誰・・・、あっ、あの人は・・・」
よーく見ると私が青春時代にときめいた人でした。
三人とも高校の同級生だったのです。
私も変わっていますが、皆それなりに変わっています。
67歳ですから・・・。
予想もしていなかった偶然の出会いでした。
一人は地元ですが、二人は県外で暮しています。
私は偶然の出会いに興奮して三人を前に、一人でよくしゃべっていました。
「どうしたの」
「同窓会なんよ、これから」
「三人で、えー、皆どうしよん」
「僕はねー、年金暮らし」
「僕は、資格を取って不動産業を始めたんよ」
「僕は、今まで通りの仕事しよる」
「お母さんは、お元気」
「今は施設に入っとる」
私は三人の話を繋がなければと一生懸命でした。
「今日は母がカットに来て、ここで食事をしよったんよ、どうしてかというと母がよく行くお店の方がここを運営しているから、あのー・・・母です」
私が話している間、母はいつも以上ににこやかに笑いながら私たちを見つめていました。
僅か数分の立ち話でした。私にはとても嬉しい時間でした。
母に「高校の同級生、皆変わった、中の一人はねー、昔心ときめいたことがある人よ」というと、母は「あんた偶然じゃねー、良かったがね、やっぱり今日は大安じゃ、出てきてよかった」
そんな母の言葉に、私も「ものすごい偶然があるね、これは奇跡だと思う、絶対会うはずない人たちなのに」と少し興奮しながら話していました。
青春を同じ高校で過ごした仲間たちと偶然会えて、私はとても幸せな気分になりました。
その昔ときめいたことがある人が私に気が付いてくれて良かったです。
母が言いました。
「あんた面影があったんじゃね・・・」と。
「ほーよねー、面影がね・・・・」
大安の日の偶然に感謝しました。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《あんた普通に話よったよ》
「本当に良かったね、天気が良かって大安じゃったけん、いろんな人に会ったねー、私は福の神よ、大安はええぞね」
「偶然の出会いで、私興奮しとった・・・」
「あんた、ときめいた言う人とも普通に話しよった、私聞きよったんよ、世の中はいろんなことがあるねー」
人生には驚くことがあります。私は偶然の出会いに感謝しました。次にいつ会うかも分からない人たちとの偶然を大切にしたいと思った出来事でした。
再会の乾杯旨し春たける
母が嬉しい偶然が重なった出会いに感謝して、乾杯をする親子のコラボ作品を創作しました。出会いは偶然にいつ起こるか分かりません。その一瞬一瞬を大切に生きていこうと思います。
それが人生のエッセンスになるのですから。
最後までお読みいただいてありがとうございました。たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。この記事が気に入っていただけたらスキを押していただけると励みになります。
また明日お会いしましょう。💗