【2023.1.10.】「リハ職が在籍する訪問看護ステーションにおける、業務の進め方と連携の基本的な考え方」⑦「個のリハ、チームの看護からの脱却」
このコラムは1月3日からのシリーズコラムです。
リハと看護の連携がうまく進まない理由はいくつもあるが、リハ職の多くが「個」の力や技術で課題を解決しようという仕事のスタイルにあると思います。
オンライン講義でもそのことは伝えてきました。
看護は病棟でも訪問でも、自分一人だけでケースにかかわることは少なく、チームで対応したり複数担当制だったりする。
だけどリハ職の多くは「個別担当制」であることが多い。
病院リハの場合は、1人の患者さんにPT/OT/STそれそれが担当することはあっても、同じ患者さんに複数の作業療法士が担当することはない。せいぜい休日の代行の当番くらいでしょう。
だから作業療法士は自分の個の力で作業療法的な課題の解決を図ろうとするし、理学療法士は自分の個の力で何とかしようとする。
看護師さんのように同じ職種同士で相談しながら業務を遂行するという経験がセラピストには乏しい。カンファレンスなどで話し合ったり、休み時間に意見交換くらいはしているかもしれないけど、全ケースでそんなことをしているセラピストは少数でしょう。
セラピストはどうしても役割分担された中の自分の役割の中の業務だけで連携を取ろうとする。
看護師さんは状態が変動しやすいケースを持つことが多いこともあり、ケースの情報共有しながらでないと適切な訪問ができないことも多いが、リハ職は状態が安定しているケースを見ることが多いので、こまめな情報共有や意見交換をしなくても何とかなってしまうことが多い。
他の領域のことを気遣ったり、他の領域のことを自分の業務の中に積極的に取り入れるとか、ましてや昨日のコラムに書いたように、自分の担当でないケースのことにまで手を出したり、おせっかいなアドバイスをするような経験をしているセラピストはほとんどいないのである。
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