見出し画像

Well-beingな社会に向けた妄想


「世界がぼやけて、色褪せて見える… 」

大学院博士課程のいつの日だったか、そう思ったことがあった。
当時は、本当にメガネに細かな傷がたくさん入っていた!謎の目の違和感と痛みがあったように覚えている。

当時と違うところは、
「既視感と、先が知れている感」だ。

目も痛くない。かわりに何やらつまらなさも感じる。

最近こんな残念なニュース記事

を読んだからというのもあるかもしれないが、都心部のこだわりのないコンクリートジャングルに行ったり、ありきたりなニュースを読むとつまらない気持ちになってしまうことがある。

持続可能な社会(SDGs)だったり、自分や社会のwell-beingへの渇望だったり、もしかすると中二病の延長なのかもしれないけど(笑)、ちょっと思うことを提案も含めて書いてみたいと思う。

キーワードは「AIによるローカル化の推進(仮)」にします。では、まず感じている問題意識から。

現状の社会に対して思うこと

◯おかしいこと


「食」

食について日増しに違和感が増している。タバコもそうであるけど、食で壮大なマッチポンプを作り出しているとさえ思える。


・マーガリン、ショートニング入りのパン主食でいいの?あと、砂糖使いすぎなのでは?
「安くて美味しいもの」を選ぶと、添加物てんこ盛りの食品を食べることになり、結局それが、循環器系の病気となって医療費の圧迫につながっているという虚しい現実があると思う。その中で一瞬で血糖値が上がりやすいものが簡単に買えるのは問題かと思う。

「地球は細菌の惑星」、という見方がある中で、摂取する栄養の他に、「腸内細菌のために何を摂取するのか」も免疫力の安定化のためにとても大事、という科学的知見も集まっていると聞く。

・地産地食になってない

持続可能な社会(SGDs)の点でも問題を感じる。島国である日本の性質上輸送の問題がある。

農林水産省農林水産政策研究所の中田哲也政策研究調整官(当時)の2001年の試算によると、日本のフード・マイレージは、総量では世界中で群を抜いて大きく、国民一人当たりでも一位となっている。その原因は、食料輸入量自体は特に抜きん出て多くはないものの、輸送距離が他国より著しく長いことが挙げられている。内訳としては、トウモロコシなどの穀物が50%強、大豆などの油糧種子が20%強を占めている。​

というように、なぜか穀物+種子で70%強を輸入しているのであるが、多くは飼料として使われている。つまり、日本国産の肉(特に肥育した高級な牛肉)を食べると、めちゃくちゃ輸送エネルギーを消費していることになる。

横浜の学生街に住んでいたときに、牛丼屋が潰れ、ラーメン屋になっていた。ならばラーメンなら良いのか、だがラーメンも大好きなのであるが、豚肉も麺も、ということを考えると、輸送の問題が上がってくるし、血糖値の上がりやすい食品ということもあり、行き着く先(例えば心不全のリスク↑ その過程で3割負担で高血圧薬の摂取)まで考えると残念な気持ちにもなる。

腸が大事!
なのに、ご先祖様がしてきたように腸に良い食物繊維を届けられない現状。

あれ、もっと健康的で美味しい食材あったような?


「住」

日本の住宅は資産価値がなさすぎでヘン

新築に住んだ途端、価値が下落する国って一体?

結局、価値が下がるから、終わらないローンの返済に追われて、「新しいことに挑戦ができない従順なサラリーマン」が量産されるのではないか、と思っている。


・場所がヘン

なんで昔に「蛇落地悪谷」と書かれた地名に

新築が立ち並んでしまったのか。

・密度がヘン
コロナウイルスのせいで少し逆の流れもできてきているが、圧倒的に都市への流入過剰が続いている中、5000年の文化の継承が途切れる場所がある。

一方で埋立地、災害リスクが高い場所に家が立ち並ぶ


・建物もヘン
なんで、現存する最古の木造建築である法隆寺や、姫路城なんかを築城できる技術がある国で、資産価値が落ちる、デザイン性もありきたりな住宅にすまざるを得なくなっているのか。


「人」
我々の使っている五感が偏っていてヘン

目の前の美しい景色もよそに、うつむいてスマホ
視覚優位すぎませんか?


◯くだらないこと
権限が与えられない仕事、情報をメールで右から左に流しているだけの労働者。上で書いた、日本の研究力の著しい低下と、従順なサラリーマンともリンクするけど、「本質的には意味のないことを無駄に丁寧にする」ことに染まってしまっている文化をみると、ああ、くだらないと思う。

列挙に暇はなくて、
・くだらないメールへの返信
・要求は細かい割に、そのくせたらい回し

などある。
・共同研究と銘打って、自ら行う意義をうまく説明していないのに研究費を投入し、相手の研究者を疲弊させるメーカー
・国の予算に群がるベンダー

も閉塞感を感じさせる例だ。

本当に新しいことをしない、身銭を切らない人が跋扈している現状に辟易としているのかもしれない。

これらは多かれ少なかれ、読者の皆さんも感じたことはあるのではないでしょうか。

◯つまらないこと

まず、街のテクスチャが圧倒的につまらない。

ほとんどのビルはコンクリートジャングル、既製品の壁
どれも似たような外壁、内装。

本来の日本の街は、もっと美しかったのではないか。と思う。

例えば、コンクリートに埋め立てられている横浜市の金沢八景も、八景というくらい美しかったそうである。

画像1

「瀬戸秋月」として描かれた「平潟湾」の「瀬戸橋」方面の様子(画像は大正期)( https://smtrc.jp/town-archives/city/konandai/p07.html より)

せめて外壁塗装を変えるだけでも、ベネチアのブラーノ島まで行かないにせよ、素敵になるのに…

液晶画面を毎日何時間も見ている、という事実

仕事とはいえ、見ているのは液晶画面

HDディスプレイで、1980x1024ピクセルの255段階x3色素(RGB)の画面、キレイキレイと言われている4Kディスプレイだって3960x2048ピクセルが作り出す画面を見ているだけなのだ。

スマホも同様である。有機ELもあるにせよ、パソコンよりはるかな小さなディスプレイに注視。スマホで動画も面白いけど、もっと感性を刺激するものがあるはず。

ITのスペシャリストだって、未来がある子どもの利用には慎重というその事実を我々はもっと重く見るべきだと思う。


方向性

◯美しさ、遊び心の導入とAIの民主化

AIによって、美しいモノがもっと身近になる可能性がある。

ホンダがレベル3の自動運転車を今年度中に販売する

ことからもわかるように、AIによる技術の進歩は目覚ましい。

このように自走式のAIからペンキ塗りAIが手軽に使えるようになれば、ブラーノ化も可能だと考えている。

では、どうペンキを塗るコンテンツをデザインするのか、に関しても近年のAIによる画像生成技術が役立つ可能性がある。端的に言えば、style transfer, image translationやGAN使えば、みんなアーティストになれるよ!

このStyle Transferという技術は、例えばある風景画があったときに、それをゴッホひまわり風に変換することを可能にします。

また、Image Translationという分野でCycleGANを使うと、馬⇔シマウマの変換や、なんと人物をラーメンに変換可能!になります。



上記の問題を解く。一般人への展開のときに、何が必要か、それは体感として理解しているか、ということになると思う。

MITの石井先生は、タンジブルという概念のもと、使いやすいシステムの概念の提案を行っている。

タンジブル(tangible)に、AIを五感以上を使ってフル活用。

自分でも研究のときに、深層学習モデルの訓練がうまく行っているかどうか、体感でわかると良いと思うし、そのようなインターフェイスができると良いと考えている。


◯生産性の向上とローカリゼーション

また、食に関しては、

AI-readyな未来が創れれば、特に山の資源を活かして
もっと自然で新鮮なものを食べられ、感じられるのでは。

例えば、自動雑草とりAI、殺虫AIが考えられる。深層学習の進展によって、検出は可能だよね。

野生の子実体を発見した人々がその喜びのあまり舞いあがったからという説

をもつ舞茸や山菜を収穫できるロボットが出来るようになってもおかしくない。ということで、ロボットのマニピュレーションに関しての技術動向には関心が出てきました。

◯自分の意識

で、結局街づくりのグラウンドデザインがやりたいのか?興味深いけど、今のところはフルコミットは考えていない。

でも、人間って、本来は好奇心の塊で忖度せずに新しいものを求めるのではないの?同じ世界でいいの?スティーブ・ジョブズも"Don't settle."といってたよ。

あるいは、ヴィンチ村のLeonardoさんみたいに、


ルネッサンスの万能人感をみんながもって楽しく暮らしたいとつくづく思う。

以上を強引にまとめると、とりあえず「絶景の露天風呂で、岩魚の塩焼きと舞茸の天ぷらをつまみに、美味しい地酒が呑みたい!」っす!


おわりに

投稿が遅くなり、クリスマスになってしまいました。
ということで、大好きなJ. S. バッハの作品からクリスマスに合いそうな曲を選んでみました!ここまで読んでくださった方に、プレゼントをお贈りします。

1つ目は、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をバッハが編曲したものを、さらにトランペットに編曲した曲です(笑)華やかさと温かさが両立しています。特に第2楽章が好き。2つ目の曲は、オーボエ協奏曲からです。優しい音色が聖夜にマッチするかもと。

コロナ等色々ありますが、平穏で幸せなクリスマスを、そして良いお年を!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?