やくにきにっき

好きなもの、好きな言葉の話をします。 そんなに深いことは言っていません。

やくにきにっき

好きなもの、好きな言葉の話をします。 そんなに深いことは言っていません。

最近の記事

危うい

仕事が終わった帰り道、駅からてくてく歩いてたら、横切る車がピカピカ光っていた。 ピカピカ光ってる車だなぁ、と思っていたら、路肩に車を停めて、中からおばさんが出てきた。 乗ってるのおばさんなんだ、と思っていたら、おばさんがこちらへ向かって、ずんずん歩いてくる。 おばさんは、後2センチでぶつかるぐらいの距離で、 「あんた、いつもいる子やんな?」 と言ってきた。 おばさんからは、おばさんの匂いがした。 私は、 なんのことですか? と聞こうと思ったけど、緊張して、 「どくぇっ

    • 君とは噛み合わない。

      今日は、私にとって人生最悪の日。 理由は3つ。 ①6時50分に起きないといけないところを、7時25分に起きてしまった。すなわち大寝坊。 ②朝、自転車に乗ろうとしたら、後輪が見事にパンクしていた。昨日の夜までは平気だったのに。 ③慌てて学校まで走ったせいで、髪はぐちゃぐちゃで、前髪が汗で額にべっとりついているところを、松川君に見られたこと。 松川君と私は、ずっと同じクラス。 松川君は、学年の中で、一番モテる。 女子はもちろん、男子にも。 理由は4つ。 ①顔がアク無く整っ

      • 交差する君と

        (カクテルパーティーの続きです。) 寝れない。 僕は寝付きがかなり良いから、普段は布団に入って1分以内にはもう寝てる。 14年生きてきて、初めての経験。 胸のところにじわっと熱くなるものがあって、少しゴロゴロして、体内から嫌な臭いを感じる。 身体中に不安と孤独と恐怖が押し寄せてきて、このままどこか連れ去られてしまうような気持ちになる。 ふと、時計を見ると、時刻は1時54分。 布団に入ったのは23時。 足がむずむずして、1分ごとに姿勢を変えてしまう。 呼吸の仕方が分

        • 今が一番若い。

          好きなものができるたび、もう少し早く知りたかったと後悔する。 ずっといるファンの人に嫉妬する。 好きな人ができるたび、もう少し早く出会いたかったと後悔する。 恋人、元恋人に嫉妬する。 私は、きっと、今だから好きになった。  今あなたを好きになったことに意味がある。 私は今、あなたに会えて良かった。 やくにき

          はじめての

          「選ぶことは、どれかを捨てることだからね」 高校1年の頃、特別授業で来ていた大学の先生に言われた。 自分の選択には、責任があることを知って、抱えきれない重さが身体にのしかかって、なんだか泣きそうになった。 「もし私が死んだら、私の大好物の、かぼちゃプリンも一緒に火葬してね」 小学生の頃、そろばんで席が近かった「あんなちゃん」に言われた。 好きなものを、本当に好きだと表現する方法に、そんな言い回しがあることを知って、すこし賢くなった気がした。 今となっては、どちらもあ

          あなたにとっては

          僕の母は、恋人を作って、そいつと幸せに暮らしている。 僕にとっては少しだけ悲しい出来事だけど、 母にとってはとても幸せな出来事。 やくにき

          あなたにとっては

          カクテルパーティー効果(但し君限定)

          ある晴れた日曜の22時。 僕は、いつもより少し遅めの時間に、恒例のランニングコースをひたすら走っていた。 5キロほど走り、いつも給水場所としている四角公園で、ベンチに座っている本田さんを見かけた。 学校でポニーテールにしている髪の毛を、今日はおろしていた。 本田さんは、中学1年から3年の今まで、ずっと同じクラスだ。 家庭科の調理実習も、学園祭で披露した創作ダンスのチームも、修学旅行の班も同じ。 僕も本田さんも、会話の中にユーモアを交えてみんなを笑わせるタイプ。 僕は

          カクテルパーティー効果(但し君限定)

          面倒くさがることは、悪いことじゃない。

          私はかなり面倒くさがりだ。 可能なら、声を出したくないし、口も開きたくない。 何も食べないで生きていけるなら、それでいい。 でも、そんな生活をしたなら、この世の中では後々面倒くさい事になる。 後々面倒くさい方が、面倒くさがりとしては、面倒くさい。 小学生のころ、夏休みの宿題を最後までためて、最終日面倒くさい事になったことがある。 だから私は、今日も元気にはきはき挨拶するし、ご飯をモリモリ食べて、バリバリ走って、健康に生きる。 面倒くさがることは、悪いことじゃない

          面倒くさがることは、悪いことじゃない。

          君のことが好きな僕より

          君に会ってから春の訪れが、分かるようになった。 君の身体を巡った空気と、君と選んだ匂いがいいと思った火曜日の昼下がり。 君に会ってから、「好き」が増えて、「嫌い」は、少し分かるようになった。 「美味しい」よりも先に、「君に会いたい」と思うようになった。 君が好きだと言うから、 りんごの皮は剥いて、少し甘く煮詰めることにした。 君が好きだと言うから、 餅はカリカリに焼いて、砂糖と醤油で味付けすることにした。 君が嫌いだと言うから、 カレーライスの野菜はみじん切りする

          君のことが好きな僕より

          夕方

          ある日の夕方、道の端っこの溝の方に、吹き戻しが落ちていた。 僕は、落ちている吹き戻しを見て、なんだか愛おしくなった。 落とし物には、物語がある。 あの吹き戻しには、どんな物語があったのだろう。 やくにき

          ワクワク

          占いが苦手だ。 たくさん分析されて、あなたはこんな人間です。と、改めて客観的に言われるのが、どうしても苦手だ。 朝の占いも、あの数秒で今日の自分を決めつけられている感じがして、あまりいい気分じゃない。 身近に、占い好きな人が多いので、お金を払って占いに行っている人が多い。 私は、全く理解できなかった。 そもそも、占いで過去や自分の性格を言い当てられたから何になるのだろう? 未来のことだって、分からないから面白いのだ。 ある日、占い好きな友達の「なっちゃん」に聞い

          焼肉屋のトイレ

          緑色のタイル壁で、薄暗い、いわゆる「昭和」っぽい、昔ながらの和式便所。 薄暗い和式便所というだけで、僕はちょっと、身構えてしまった。 でも、勇気を出して扉を開けると、そこには世界で一番綺麗なトイレがあった。 お店を、大事に大事にしている人なんだと思った。 僕はもし、人生最高レストランに出ることがあったら、 この焼肉屋を紹介しようと思う。 やくにき

          焼肉屋のトイレ

          愛は隠れている。と彼は言った。

          世の中は、愛に溢れている 例えば、紙パックの飲み物は、飲み終わった後、綺麗に折り畳むと、 「たたんでくれてありがとう」 と書いている商品が多い。 たたんだ人にだけ分かる、隠れた愛である。 おおっぴらに見える愛のお陰で、隠れた愛がいとおしく感じる。 いとおしい、という言葉も、実は、漢字にすると、 愛おしい。 愛が隠れている。 誰にも愛されてない、誰からも必要とされていない、 そんなことは無い。 愛は恥ずかしがり屋さんなのだ。 気づいてないだけで、君は愛に包まれて

          愛は隠れている。と彼は言った。

          インスタントコーヒーは、皆さんが思ってるより美味しいです。

          インスタントコーヒーは、皆さんが思ってるより美味しいです。

          興味があるもの

          小花美穂先生の「こどものおもちゃ」と、前川涼先生の「アニマル横町」を読んだ。 どちらも小さい時大好きだった漫画で、読み返してみたら今でも面白いと思ったし、小さい時に理解できなかった部分で泣けるし、笑えるようになった。 小さい時に好きになったものを、ずっと好きでいられる自分がとても好きだ。 最近、今まで興味が無かったお笑いを好きになった。特に好きな芸人は、ジャルジャル。 1番好きなネタは、「股からピン球落とす奴」。 興味があるものが増えていくのは、とても楽しい。 子

          興味があるもの

          発見

          最近、近況報告をする奴ができた。 花が綺麗に咲いていたこと、鳥が寝ていたところを初めて見たこと、職場の近くのコーヒー屋さんのバニララテが絶品なこと、など、たわいもない報告をしている。 昨日、近所の公園で、切り株の上に、ちぎった花が置かれていた。 隣のトトロのメイちゃんが、お父さんとお花屋さんごっこをした跡だと思った。 以前までの私は、花にすら目を向けなかった。 近況報告をする奴が出来たことで、世界が広がった。 世界は、自分で広げられることを教えてもらった。 私の世界