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備忘録#007|成長性分析で活用できる指標

備忘録|興味があればお読みください

 備忘録#001|企業概況モニタリングで活用できる指標
 備忘録#002|収益性分析で活用できる指標
 備忘録#003|効率性分析で活用できる指標
 備忘録#004|採算性分析で活用できる指標
 備忘録#005|安全性分析で活用できる指標
 備忘録#006|生産性分析で活用できる指標
 備忘録#007|成長性分析で活用できる指標
 備忘録#008|損益分岐点分析で活用できる指標
 備忘録#009|債務償還分析で活用できる指標
 備忘録#010|目標利益や予算の立て方
 備忘録#011|中小企業庁統計による経営指標

矢印株式会社とは

皆さま、初めまして。矢印株式会社の馬上朋広と申します。
2018年5月に創業したモノを販売しないことで客観性を担保した会社です。91年に商社マンから始まり、日系ICT企業、北米、英国、ベトナム企業でICT事業に従事しておりました。
事業の中心は、ICTセカンドオピニオン と 経営情報可視化ダッシュボード というサービスを提供しております。

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成長性分析とは・・・資本、売上、利益の成長性

成長性分析では、企業の成長の勢いや今後の成長の可能性を調べます。売上や利益の増加率などから判断します。

成長性を見るということは、企業がある期間にどれくらい事業規模を拡大したかを測ります。これは、売上高や粗利益率、営業利益、経常利益の伸び率などを時系列に分析し、会社の成長性を確認します。

企業が成長しているかどうかを簡単に見分ける方法
 売上が伸びているか
 利益が伸びているか
 売上と利益のバランスがいいか

1.売上高増加率(増収率)

売上高増加率(%)= (当期売上高 - 前期売上高) ÷ 前期売上高 × 100

売上高成長率は、会社の成長性という観点から最も基礎となる指標です。この比率が高いほど会社の規模が大きくなっていると言えます。前期の売上高に対してどれほど増収があったのか、その数値が売上高増加率(増収率)です。

企業の勢いを示しますが、企業規模が大きいほど売上高増加率は小さくなる傾向があります。同業他社や自社の過去実績との比較が有効です。

ポイント
 市場の成長率や物価上昇率との兼ね合いで見ることが必要です。

 外部からの比較の場合
 他社比較、過去からの推移が中心となります。

 内部からの分析の場合
 商品別売上高の推移をみて、商品の成長の可能性や衰退の時期をつかむことが中心です。前年度の比較だけでは十分でなく、できれば過去5年ぐらいの伸び率をヨコに並べて傾向を探る必要があります。
 業界の平均値や、直接の競合他社との比較も重要です。
注意点
企業の事業が急激に成長している時には、債権回収や在庫管理などが追いつかなくなってしまう等の事態が起こることもあります。

2.営業利益増加率

営業利益増加率 =(当期営業利益 - 前期営業利益) ÷ 前期営業利益 × 100

営業利益は、企業が本業の営業活動で稼ぎ出した利益です。本業でしっかり利益を稼ぎ出すことが、これからの経営の基本です。営業利益増加率は、本業での企業の成長性をみる指標です。

3.一人当り付加価値増加率

一人当り付加価値増加率 = 
(当期一人当り付加価値 - 前期一人当り付加価値) ÷ 前期一人当り付加価値 × 100

一人当たり付加価値増加率は、従業員一人当たりの利益を稼ぐ力が、前期に比べてどれほど増加しているかを表しています。人的経営資源の質的な成長性指標として、これからは最も着目すべき指標と言えます。

*付加価値が係わる指標にはすべて同じ内容の文章があります。
企業の決算書に「付加価値」という項目はありません。「付加価値」とは、その会社が“生み出した新しい価値”のことを指します。

企業の付加価値率とは
付加価値率(売上高付加価値率)とは、売上高に占める付加価値の割合を示す指標であり、自社の加工度の高さ/低さを表しています。ここで言う「加工」とは、原材料から製品への加工だけでなく、サービスの付加なども含みます。平均付加価値率は、業種によって大きく異なり、付加価値率は必ずしも企業の収益性と比例しませんが、付加価値率を高めることは収益性を向上させる方法の一つになります。

付加価値の計算方法
便宜的な方法
付加価値 = 売上総利益 = 売上高 ー 売上原価

控除法
付加価値 = 売上高 - 外部購入価値(材料費、購入部品費、運送費、外注加工費)

加算法
付加価値 = 営業利益 + 人件費 + 支払利息等 + 動産不動産賃借料 + 租税公課

2017年度中小企業庁実態基本調査で用いられている科目です。
労務費 + 売上原価の減価償却費 + 人件費 + 地代家賃 + 販売費及び一般管理費の減価償却費 + 従業員教育費 + 租税公課 + 支払利息・割引料+経常利益

他の加算例もあるようです。
営業利益 + 人件費 + 減価償却費
営業利益 + 人件費 + 賃借料 + 租税公課 + 減価償却費 + 知財特許料
経常利益 + 人件費 + 賃借料 + 租税公課 + 減価償却費 + 金融損益
経常利益 + 人件費 + 賃借料 + 租税公課 + 減価償却費 + 金融費用

粗付加価値と純付加価値
加算法で付加価値を計算するにあたり、減価償却費を含む場合を「粗付加価値」、含まない場合を「純付加価値」と呼びます。減価償却費は、他社から購入した固定資産を償却した費用であるため、本来は付加価値には含めないべき、という考え方があります。実務的には、粗付加価値が用いられることが多いようです。

4.自己資本増加率

自己資本増加率= (当期自己資本 - 前期自己資本) ÷ 前期自己資本 × 100

自己資本 = 純資産
     = 株主資本(資本金、資本剰余金、利益剰余金 他)
     = 株主資本 + 評価・換算差額等(その他の包括利益累計額)

自己資本の増加率を示す指標です。

企業の経営活動の結果生み出された利益による内部留保によって自己資本が増えていくのは、健全な経営ということができます。一人当たり付加価値成長率(増加率)とともに、重要な質的成長性指標と言えます。

自己資本を増やすためには
  増資によって株主から資金を調達するか
  会社が利益を稼ぎ、税金、配当などを支払った後に残った剰余金(内部留保)

5.経常利益増加率

利益増加率(%)
    = (当期経常利益 - 前期経常利益) ÷ 前期経常利益 × 100

経常利益増加率は、企業の経常利益、本業の利益以外にも収益があった場合はそれも含めての総利益の伸び率を見るための指標です。

利益増加率のうち正常収益力の成長性、つまり企業の実力の伸びを示します。本業の成長性であれば「営業利益」を、長期に渡る成長性であれば「当期純利益」を用います。

企業が経常的に稼ぐ利益を随時比較することができます。

売上高と経常利益ともに上昇傾向である場合
  優良企業
売上高が順調に増加しているにもかかわらず経常利益が減少している場合
  原価や人件費などが利益を圧迫している
  コストの見直しが必要
注意ポイント
  業種平均との比較する
  5年ぐらいの長期的推移で俯瞰して見比べる
  売上高経常利益率や総資本経常利益率とあわせる

利益が出ている企業の場合、売上の伸び率より、経常利益が伸びる傾向にあります。売れている商品の構成が変わってきたり、原価が高くなるなど、状況が変わらない限り利益の伸びは高くなります。そうでなければ、無理をして売上を増加させていると考えられます。

6.総資本増加率

総資本増加率 = (当期の総資本 - 前期の総資本) ÷ 前期の総資本 × 100

総資産 = 総資本 = 全ての資産
    = 自己資本 + 他人資本
    = 純資産 + 負債(流動負債 + 固定負債)
    = 貸借対照表の(資産合計=負債純資産合計)

総資本増加率は、総資本が前期と比べてどれだけ増えているのかを見るための指標です。前期の総資本から何パーセント資本が増加したかを示す指標と言えます。

企業としては経営を続けていく限り総資本が増え続けることが望ましく、値が高いほど伸び率も高いということが分かります。
本来の増加率を知るために、次の「純資本増加率」と併用するのが一般的とされています。

注意点
総資本とは資本と負債を合わせたものであるため、実は借入金など負債の増加が影響して高い指標となってしまうことがあります。負債をすぐにでも返済する目途が立っているのであれば心配することはありませんが、返済年数が数年あるいは数十年となれば、経営においてその影響は大きく、今後企業の安定度を下げる原因にもなりかねません。
また、総資本は増加していても利益増加率の増加と一致しない場合は、不良債権や不良在庫の増加が原因である可能性があるので、利益増加率と併せて判断します。

7.純資産増加率(自己資本増加率)

純資産増加率 = (当期の純資産 - 前期の純資産) ÷ 前期の純資産 × 100

総資産 = 総資本 = 全ての資産
    = 自己資本 + 他人資本
    = 純資産 + 負債(流動負債 + 固定負債)
    = 貸借対照表の(資産合計=負債純資産合計)

純資産 = 純資本 = 自分の資産
    = 総資本-負債(他人の資産)
    = 貸借対照表の純資産合計(資産合計 - 負債合計)

自己資本 = 純資産
     = 株主資本(資本金、資本剰余金、利益剰余金 他)
     = 株主資本 + 評価・換算差額等(その他の包括利益累計額)

純資産増加率とは、前期と比べて純資産が増加したかを表す経営分析の指標です。

純資産は、返済義務のない自己資本から構成されています。つまり純資産増加率とは、返済義務のない資本がどの程度増えたかを表す指標であるため、増加率が高いほど安定性が増していると判断できます。
例えば、多額の負債を借り入れる方法で企業規模を拡大することは可能です。しかし負債額が多すぎると倒産リスクが高まります。一方で、純資産増加率がどれほど高まろうとも安定性が低下することは原則ありません。安全性も踏まえて成長性を経営分析したい際は、純資産成長率を活用するのがベターです。

8.従業員増加率

従業員増加率 =(当期従業員数 - 前期従業員数) ÷ 前期従業員数 × 100

従業員増加率とは、前期と比べてどの程度従業員数が増加したかを表す経営分析の指標です。従業員数の増減により、企業規模が拡大しているかを分析します。

基本的には従業員増加率が高いほど、会社の規模は拡大していると言えます。ただし設備投資により業績を向上させている企業は、従業員増加率が実績の割に低いケースもあります。

9.一株当り当期純利益(EPS)(円)

一株当り当期純利益(EPS)= 当期純利益 ÷ 発行済株式総数

EPS:Earnings Per Share(1株当たり利益)とは、財務分析で企業の成長性を分析するの指標の一つであり、1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表す指標です。「1株利益」「1株あたり当期純利益」と呼ばれることもあります。

EPS(1株当たり利益)は、株主が持つ1株について一会計期間における会社の成果を示しており、その会社の収益性を分析できる指標です。EPSは、会社の規模にかかわらず1株あたりの当期利益の大きさを表しているため、値が大きいほど良いとされます。
当期の1株当たり利益を前期以前のものと比較することで、会社の収益性や成長度をおおむね把握できます。また、他社と1株当たり利益を比較することで、会社規模の影響を除外した収益性の分析も可能です。そのため、株式投資で銘柄の比較を行う際にも用いられます。
一般的に、株価は「EPS×PER(株価収益率)」で計算されるため、EPS(1株当たり利益)が上がれば株価も上がり、EPSが下がれば株価も下がります。

EPS(1株当たり利益)は、会社が1年間にあげた利益を発行済株式総数で割って求めます。ただし、ここで言う利益は必ずしも当期純利益とは限らず、翌期以降の予測値を使って求めることもあります。たとえば、2万株発行している会社が年間で1000万円の純利益をあげた場合、EPSは500円(1000万円÷2万株)となります。

謝辞|深く感謝いたします

できることならゲーム感覚で経営を楽しみたい。そんな時、何を基に、何を頼りに、経営したらいいのか分からなくなりました。そこでややっこしいことは承知の上で、財務会計の本をとったのですが、言葉が揺れていたり表現がしっくりこなかったりして理解できませんでした。そこで、一念発起して自分用のテキストを作ろうと考え、それがこの内容になります。
私が理解できるネット上の情報を収集し、引用し、加筆修正を加えてまとめました。大変難しく不正確な点もあると思います。しかし本一冊の表現では理解が及ばないことが、様々な表現で記述された情報で学ぶことができました。まだまだ未完成ですが、備忘録として公開したいと思います。皆様の一助になれば幸いです。最後に、引用元の皆様には深く感謝申し上げます。

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