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読書の記録/「旅で味わう幸せ」がみつかる

こんなにさわやかで、幸せな気分に浸れる読書時間は久々です。

『ひとり旅で見つけた小さな幸せ』読後感サイコー!

旅エッセイですが、いっしょに旅をしている気持ちでどんどん引き込まれていきます。見たこと、体験することからささやかな幸せをわけてもらっていく感じです。

わたしは夫婦でよく旅をしてきたけど、ひとり旅はあまりしたことがありません。孤独に慣れていないので、ひとりでどこかにでかけようとはあまり思えないのですが、これ読んだらわたしもこんな旅してみたいと心から思いました。

日常を充実させることは、ハッピーライフのためにたいせつですが、日々の暮らしはなかなか強烈な思い出にはなりません。一方、旅という非日常は一生の思い出になりうるってことは、わたしの人生で学んだたいせつなこと。

生きている間に、良い思い出を残してくれる旅をたくさんすることは、わたしにとって、“ときめく人生作り”に欠かせない要素です。

ここに出てくる旅は、台湾、北海道、宮古島、スウェーデン&デンマーク、奄美大島、マレーシアです。この一冊で、これだけの旅に便乗している気分になれるのですから、なんとお値打ちなこと!!

女性に大人気の作家、有川真由美さんのフィルターを通すと、この世には小さな幸せがこれほど溢れているのだということを思い知らされます。旅先で出会う人々との何気ないふれあいがとても自然に描かれています。

旅は台湾から始まるのですが、わたしも台湾には何度か行ったことがあるのでより情景が浮かび、スタートから台湾の生温かい空気感や人情を思い出して、読みながら台湾にいるような気分なりました。

(2013年のその旅のこと記したエッセイの転載↓ここでは触れてませんけどこの旅のとき有川真由美さんと台湾で会ってました)

話を本に戻して、

北海道では最北端を目指しドライブ。訪れる場所の歴史、そこにいかなければ触れられないようなストーリーに触れたりと、ひとり旅の楽しみ方がずんずん伝わってきます。

日本最北端、宗谷岬の公園になぜか、宮沢賢治の文学碑があるそうです。その碑を眺めている様子を想像しながら宮沢賢治の詩に目を落としたら、夫と二人で花巻を訪れたときのことがふわっと蘇りました。

しばらく忘れていたのに2017年にわたしは夫婦で岩手県の花巻にある、宮沢賢治記念館や童話村を訪れたことがあったのです。意外にも楽しくて宮沢賢治ワールドを堪能した時間が確かにあったこと思い出しました。

たくさん旅をするって、知らないうちにこうした思い出を紡ぐことなのだと思います。旅の思い出がなければ、スルーしてしまう文章なのでしょうが、本の中の彼女の体験と、わたしの心の奥底にしまわれている思い出が自然とクロスするから不思議です。

北海道のあと、彼女は一気に南下し宮古島に飛びます。トロピカルな楽園風景の海が大好きなわたしにとってはたまらない描写が続きます。高級レストランじゃないのに、その土地ならではの美味しさをみつけるのがお上手で、読んでいるだけで食べてみたくなります。

さて、ここからは一気に北欧、スウェーデンとデンマークに飛びます。

わたしのnoteを読んで下さっている方はおやっ?と思いました?

そうです!わたしも昨年の夏に訪れました。ハプニング続出のあの旅です。書き出したら止まらなくなって#1〜#19まで続いてしまいました。

ここで告白します。
この旅に出てくるMさんこそが著者の有川真由美さんだったのです。なので、この本で約70ページも割いて書かれている旅については、わたしは生き証人というわけです。当然、エッセイの中でわたしも登場しまくりです。🤣

デンマーク到着時からずっと行動を共にしていたはずなのに、この本で読むと、すべてがドラマチックで顛末が全てわかっているのにハラハラドキドキ。旅の情景がどんどん浮かんで、美味しかったもの、人のやさしさ、ドタバタの一部始終……一生の思い出に残るあの旅のおもしろさが走馬灯のようにグルグルしてきました。

わたしがnoteに綴った「北欧への旅」は時系列でダラダラとしたためたので、経験と行動がかなり網羅されているはず。こちらの本は、さすがにページに限りがあるので、凝縮してまとめられています。だいじなところだけね。なのに、なぜかわたしの「パンツ貸してあげる」発言を逃さず記述してあって爆笑。

なんで、そんな些細な言葉を覚えていて書いちゃってるのか?🤣🤣さすが文豪。

のんびりながら、洗練されたおとぎの国みたいなスウェーデンと、幸せの国、デンマークで感じたこと、わたしたちの素敵な旅が、まるで青春ドラマのようにはつらつと書かれていて、わたしの旅の思い出がさらにバージョンアップした感じ。

あっそうそう、わたしのnoteではYさんと記していた方はこちらの本をそのとき執筆中でした。今や話題沸騰中の本となってますよ。

すぐ脱線してすいませんが再び戻す。

鹿児島在住の彼女の次なる旅は、フェリーで奄美大島に向かいます。星がきれいに見える奄美大島で、113個もの流れ星を見たそうです。わたしも2025年の流星群を目指して、行ってみたくなりました。

そして、次はマレーシアにひとっ飛び。

わたしも40年以上前に一度行ったことがあるのですが、今となっては何も覚えていません。現代のマレーシアは、三十年以上も足踏みしている日本以上に経済発展を遂げていることが伝わってきます。

たまには海外に出ることで、「他国からみた日本」を必然的に意識できると言われていますが、まさにそのとおりだと思います。

人は、いろんな見え方を知ることで、さまざまなちがいを受け入れていける人になるのだとわたしは思っています。

そして、この本の何よりすばらしいのは、登場する人です。

旅先ですれ違うだけの人々のやさしさも感じられるのですが、行く先々で彼女が出会う人々の生き方がとっても魅力的。彼女の人徳もあるのでしょうが、次から次へとよくまぁこんなにおもしろそうな人を知っているなと感心。やっぱりこれって、類友かな?

旅の本でありながら、幸せな時間はやはり人とのふれあいから生まれるんだということも深く実感できる本でした。

わたしのお気に入りのデッキで、心地よい風に吹かれながら、ほんとうに気持ちのいい読書タイムが過ごせました。わたしの宝物になった旅の思い出が本の形でさらなる永久保存版となりましたワ。

読めば、ひとり旅に出てみたくなることまちがいなしです。
よく旅に出る人でも、新たな旅の楽しみ方を知ることができる一冊です。
ところどころに、旅のポイントをまとめてあるのも親切でした。
推します🧡

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