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遺品整理で思い出にひたり、そして断捨離しまくる【日本滞在レポート#3】

こちらでもチラっと書きましたが、3年ぶりに日本に着いた日はたいへんでした。

ここには子どもたちが小さかったころの思い出がたくさん詰まっていて、ミシガンの自宅にはないものがそのまま残っています。夫婦で使っていたベッドルームに一人で横たわったとたんに、目に入るもの全てに亡き夫の魂が宿っているようで涙が溢れてしまいました。

まぁ、これは流し切るしかありません。

すっきりしようと思い遺品整理を始めました。なんでも溜め込み体質の夫でしたので、40数年前の二人の交換日記やラブレターの数々がぜーんぶしまってありました。わたしが処分したと思っていた夫発わたし宛の大量のラブレターまで、夫のお宝箱から出てきて40年前の自分に遭遇してしまいました。

整理しながら読みふけり、号泣しては思い出にひたるという時間を過ごしていますが悪い涙ではなく、悲しみながらも過去の幸せな思い出を愛しく感じているところです。

by yahoi

わたしが今住んでいるミシガンの自宅は、夫が自分の夢を実現すべく建てた家ですが、完成前に亡くなったので悲しみを誘うような夫の思い出の品はそれほど遺していません。

今回は他界後はじめての帰国だったため、一気に思い出が押し寄せてきて、何を見ても泣ける泣ける。襲ってくる喪失感はどうにもできませんでした。

これからも日本に戻るたびに、こんな悲しい思いをするのはごめんです。遺品の整理と思い切った断捨離をしようと心に決めました。

DIYが大好きだった夫は子ども部屋に忍者屋敷さながらのトリック扉をつけてみたり、狭い秘密の道を作ったりと、部屋全部をからくり基地にしました。子どもたちはここで寝起きし、友だちと遊ぶ幼少時代をおくりました。

もうすっかり大人になっていて使うこともないので、帰国するたびに「そろそろ解体してね」と言ってきましたが、夫にしてみると愛情込めたたいせつな作品なので壊したくなかったのでしょう。

毎回「今度来たときね」と苦笑いでごまかしました。いつか生まれくる孫にでも見せたいと思っていたことは想像できましたが、子ども用に張り巡らされた迷路みたいな部屋で、掃除するたびにわたしは頭をぶちました。

たくさんの思い出が詰まってはいるものの、夫が他界した今ようやくわたしの意思で解体できるときが来たわけです。

「夫よごめん。あなたの子どもへの愛はたしかに宿っているけど、もういいでしょう!!部屋をすっきりさせて、誰かがきたら泊まれるよう有効活用させたいのよ」心の中でそう話しかけました。

解体にあたっては、とてもわたしの手に負えるものではないので、母の友だちの大工さんに手伝ってもらうようお願いしました。快く解体とゴミの処理を引き受けてくれることになり2日間かけて作業しました。

大工のと~るさんは、壊してはときおりスマホで写真を撮りました。

「しっかし、よう作らしたね〜。ほんとうにようできとる。わしも大工だけど、これは百万円もらってもよう作らんわー。アイデアも何もかもに感心しながら壊させてもらっとる」

部屋じゅうに張り巡らされた2階の秘密の基地部屋
ひとつ上のプテラノドン恐竜画像でわかるように同じ部屋です
解体した材木をどんどん2階の窓から捨てた

そもそも、この家は空家にしておくことがもったいないからとわたしの両親が住むようになりました。父の他界後は母だけで住んでいます。ところが、2階が空いているのをいいことに、いつのまにか妹の所持品までたくさん運び込まれてみんなの不用品置き場と化していました。

夫の両親が亡くなったあと、夫は実家からなにやら自分のほしいものを運び込んでいたので、ところせましと多世帯の所持品がおいてありました。わたしは基本、不要なものをためておくことが嫌いなタチなので正直、帰国するたびにウンザリしていました。

とはいえ、これまでも一時帰国はわたしたちにとって貴重な日本の時間なので、掃除や断捨離のためになかなか時間を割けませんでした。しかし、今回ばかりはわたしだけの意思でなんでもできるので、決行あるのみ!!今のうちにしておかないと体力が衰えてからではできなという気持ちもありました。

ビフォー&アフター

大量の本や子どもたちが幼少期に書いた作文や絵も勇気を出して処分しました。ググる時代に昔の百科事典が要るわけもないのにとってあったので週末ごとに全部リサイクル場に運び込みました。あまりの量で我が家の持ち込んだ本だけでコンテナが満杯になるほどでした。😅

持ち込んだ量が多すぎておじさんたちに驚かれた

ほかにも嫁入り道具としてもってきた布団のセットも今後使う予定もなさそうなのでみんな処分。いただきものの毛布やタオルケット、新品の服から古着なども全てリサイクルに持っていき、新品の食器のセットから使いこんだ食器などもまとめて処分。

とにかく必要ないものは意を決して断捨離しました。

撮っておきたい写真はスマホで撮り、夫のアルバムも数十冊捨てました。それでもまだ家族のたいせつなアルバムがかなりの量ありますが、それはまた次回に考えるとします。時間があればメルカリなどで売れそうなものがたくさんありますが、何分時間がないうえにわたしのスマホはアメリカモノなので日本のアプリ自体がインストールできません。

「欲張らずに、できる範囲で」を実行した結果、短い滞在中のわりには、かなり断捨離できたのでとっても満足しています。

後日談ですが、母と近所の母の友だちと地元のお寿司やさんに呑みに行ったら、寿司屋の大将はじめ、なんとそこに来るお客さんみんなが、我が家がスゴイ断捨離をしたことを知っていて驚きました。😅

どうも、と~るさんがスマホ画像を見せて大げさに話したようです。

「あんたさんでしょ?家にすごい基地があって壊して、ぜんぶきれいにさっせたってね〜?」

(なんで知ってるねん? わたしこの店の常連でもないのに!!)

😅さすが田舎です。

それでも、と~るさんのおかげで2トントラックに6,7杯分のゴミがすっかり片付いたのですから、ちょっとぐらい噂がでまわってもまぁ許容範囲ってことで!!乾杯〜🍻😆


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