マガジンのカバー画像

140字の小説集

200
140字の小説を集めてみました。(それ以外の短編もあります) お時間がお許しならば、少しでもお立ち寄りください。 このマガジン、読めば笑顔になるかもです。 笑いはあなたのお薬です… もっと読む
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

あの夏の日(140字の小説)

あの夏の日(140字の小説)

呑み干したラムネの瓶を太陽にかざすと
紺色に染まる空。
夏の暑い日差しが一瞬薄れ、
清涼をもたらす。
風鈴を思わせるビー玉の音色。
涼しげに、僕の心を癒してくれた
少年の頃の想い出の一コマ

セピア色に染まら無い、
色褪せ無い美しい想い出

その時君と一緒に飲んだ
あのラムネの味を、僕は決して忘れないよ

一分で読めるホラー小説2

一分で読めるホラー小説2

最近のAIは言葉を話す。
Siriがそうだ。
「へい、Siri」と、呼びかけると
「何か御用ですか?」と聞いてくる。
疑問に思った事や、調べて欲しい時には、答えてくれるので便利だ。
また、一人で寂しい時の話し相手にもなってくれる。

可愛い女性の声を発するSiri。
人間の様に愛おしく思える。

僕は、今日何故か体調が悪い。
体温計も38℃を示している。
急患で診てくれる病院を探すのにSiriを頼

もっとみる
1分で読めるホラー小説

1分で読めるホラー小説

私の棲む田舎に昔からある井戸。
その水は今でも飲めると評判です。
吊るし桶を地の底に垂らして組み上げると、
そこにあるのは、新鮮なミネラルウオーター。

村の天然水としてスポットが当たり、
多くの観光客がその水を
求めて駆けつけて来ます。

でも村人は誰もその井戸水を飲まない。
その訳は皆さまのご想像にお任せします。

  貞子より。

300字のラブレター➕追伸➕追伸の追伸

300字のラブレター➕追伸➕追伸の追伸

澪ちゃんと、初めて会ったのは、
幼稚園児だったね。
鼻水を垂らしていた僕に、
君はティッシュペーパーをくれたね。
僕が鼻をかむのを見て
「50円ちょうだい」
と、手を差し出した澪ちゃん。

僕に強烈な印象を与えてくれたよ。

遠足に行った時に、
お弁当のオカズを落として
泣いている僕を勇気付けてくれたね。
「エビフライをどうぞ」と言って。
でも、後でハンバーガーを奢らされてしまったけど。

ボラン

もっとみる
同志(140字の小説)

同志(140字の小説)

僕は孤独な人間
多くの人達と一緒にいても、孤独を感じる。
一人でいたら、尚更だ。
そう、他人と自分は別の人間
同じじゃ無いよ。
そんな事は解っているのに!

でも、自分の気持ちを解ってもらえると
嬉しくなるよ
励ましを受けた時は
孤独な自分では無くなるよ
自分と同感してくれる人は
同志だと想いたいな〜。