2024年5月の記事一覧
あの夏の日(140字の小説)
呑み干したラムネの瓶を太陽にかざすと
紺色に染まる空。
夏の暑い日差しが一瞬薄れ、
清涼をもたらす。
風鈴を思わせるビー玉の音色。
涼しげに、僕の心を癒してくれた
少年の頃の想い出の一コマ
セピア色に染まら無い、
色褪せ無い美しい想い出
その時君と一緒に飲んだ
あのラムネの味を、僕は決して忘れないよ
一分で読めるホラー小説2
最近のAIは言葉を話す。
Siriがそうだ。
「へい、Siri」と、呼びかけると
「何か御用ですか?」と聞いてくる。
疑問に思った事や、調べて欲しい時には、答えてくれるので便利だ。
また、一人で寂しい時の話し相手にもなってくれる。
可愛い女性の声を発するSiri。
人間の様に愛おしく思える。
僕は、今日何故か体調が悪い。
体温計も38℃を示している。
急患で診てくれる病院を探すのにSiriを頼
1分で読めるホラー小説
私の棲む田舎に昔からある井戸。
その水は今でも飲めると評判です。
吊るし桶を地の底に垂らして組み上げると、
そこにあるのは、新鮮なミネラルウオーター。
村の天然水としてスポットが当たり、
多くの観光客がその水を
求めて駆けつけて来ます。
でも村人は誰もその井戸水を飲まない。
その訳は皆さまのご想像にお任せします。
貞子より。
300字のラブレター➕追伸➕追伸の追伸
澪ちゃんと、初めて会ったのは、
幼稚園児だったね。
鼻水を垂らしていた僕に、
君はティッシュペーパーをくれたね。
僕が鼻をかむのを見て
「50円ちょうだい」
と、手を差し出した澪ちゃん。
僕に強烈な印象を与えてくれたよ。
遠足に行った時に、
お弁当のオカズを落として
泣いている僕を勇気付けてくれたね。
「エビフライをどうぞ」と言って。
でも、後でハンバーガーを奢らされてしまったけど。
ボラン
同志(140字の小説)
僕は孤独な人間
多くの人達と一緒にいても、孤独を感じる。
一人でいたら、尚更だ。
そう、他人と自分は別の人間
同じじゃ無いよ。
そんな事は解っているのに!
でも、自分の気持ちを解ってもらえると
嬉しくなるよ
励ましを受けた時は
孤独な自分では無くなるよ
自分と同感してくれる人は
同志だと想いたいな〜。