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看護職から何故か美容職へ。自問自答の続く日々が連続して24年が経つ。私の役割や、好きな…

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看護職から何故か美容職へ。自問自答の続く日々が連続して24年が経つ。私の役割や、好きなこと、やりたいこと、全てが上の空になってしまっているので。

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記事一覧

根源を探り、足下を知る旅

埼玉県秩父市大滝の巻 最初の話  ついに、義父の兄弟が全員鬼籍に入った。 最後は長男の叔父で、90歳であった。  生前叔父が言うことには、先代の出自は富山県であ…

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1年前

祖母が教えてくれた。

子供の頃、好きなものがあった。 母が編んでくれた肩から二の腕が膨らんだセーター。くるりと回ると素敵に広がるスカート。リボンの付いた靴。お花の髪飾り。 それを見て…

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2年前
1

どうしても書き留めておきたくなったこと

鬼滅の刃がテレビシリーズで再開される。 原作は紙で読みたい。 で、読んでみて気になってどうしても書き留めておきたくなった。 歳をとって思うのは、どこかで読んだ話…

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2年前
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白雪姫と王妃様?あんたバカ?といえればよかったのに。

「一度きりの大泉の話」萩尾望都著。 予想はしていたけれど、なかなかに辛い本であった。 女性版トキワ荘、大泉サロンと言われた長屋の青春期といえば言える。おおよそ2…

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3年前
2

睡眠の質、ってよく言われるようになった。 休みの日でも同じ時間に起きたほうがいいよ、 と、誰かが言った。誰だっけ? まあ、とにかく誰かが言ったんだ。 と、言うこ…

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3年前
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どうしても言いたいこと。

東日本大震災、津波被害から10年。 姉は二人の子供と弟を失った。正確には弟は行方不明者の202人のうちの一人だ。 そして私も弟を亡くした遺族に当たる。 先日の報…

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3年前
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Passport please

息子の顔は濃い。 実にフランスの方にお声掛けいただく。フランス語で。 先日なにかの記事で、アフリカ系日本人の方がよく職務質問を受ける、これは差別ではないのか?と…

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3年前
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着物のこと

着物を着せる仕事を初めて23年になる。 いつの間にか、そんな年月が経った。私は当初から自分が着ることをしようと思っていた。着てみないとわからないこともある。 お茶…

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3年前
2

冬の髪はキレイなふりをする。

自分の匂いには気が付かないことがある。 それは年を経るごとに強まる傾向かもしれない。 長いこと美容室でシャンプーしていて思うのは(と言っても私は美容師ではないが…

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3年前
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カタルシス/萩尾望都

単行本のタイトルは「イグアナの娘」その3番めに入っている短編の物語。 イグアナの娘の方は有名。 最近読み直して、カタルシスが頭から離れなくなってしまった。本を買…

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3年前
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私の中の。

何者かがあった10代の頃。 その何者かを探していたような気がする。あれから何も変わっていないのに、頭の中には空白ができた。つまりは老いたということか。 人は頭の…

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3年前
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根源を探り、足下を知る旅

埼玉県秩父市大滝の巻 最初の話  ついに、義父の兄弟が全員鬼籍に入った。 最後は長男の叔父で、90歳であった。  生前叔父が言うことには、先代の出自は富山県であるという。富山の五箇村だと聞いていたらしい。現在の砺波市の中にある町である。 どうやら街の分限者であっった祖先は、相撲興行に失敗して出奔したのだといった。その際に、曽祖父にあたる息子を連れて出たらしい。  叔父から聞いたのはそこまでであった。叔父にしても自身の祖父が語ったことか、父に聞いたことなのか、判然としない

祖母が教えてくれた。

子供の頃、好きなものがあった。 母が編んでくれた肩から二の腕が膨らんだセーター。くるりと回ると素敵に広がるスカート。リボンの付いた靴。お花の髪飾り。 それを見てほしくって、祖母に 「見て見て見て!!」 と言ったとする。 子供ながら、この服、可愛いでしょう?といったつもりだが祖母は、 「自分を可愛いでしょう?なんて言ってはいけません。自分を褒めて言うことぐらいみっともなくて、厭らしいことはないのだよ」 と、小学校にも入っていない孫に言ったのだ。 母もね、「めぐさ

どうしても書き留めておきたくなったこと

鬼滅の刃がテレビシリーズで再開される。 原作は紙で読みたい。 で、読んでみて気になってどうしても書き留めておきたくなった。 歳をとって思うのは、どこかで読んだ話の方が多くなったり、かつて自分が考えた様な話が出てきたりしていると言うことだ。 元漫研の憂いである。 鬼滅の刃はスピード感がある。 他の作家がもう少し深掘りしてしまうところを簡単に飛び越える。 私の好きな作家は萩尾望都であるので、つい知らないうちにモー様の同じような作品を思い出してしまう。 鬼とヴァンパイアを比

白雪姫と王妃様?あんたバカ?といえればよかったのに。

「一度きりの大泉の話」萩尾望都著。 予想はしていたけれど、なかなかに辛い本であった。 女性版トキワ荘、大泉サロンと言われた長屋の青春期といえば言える。おおよそ2年間に渡る、若き天才たちの邂逅がもたらした傷といえばそれまでだけれども、作家にとっての盗作疑惑は、鋭い凶器を突きつけられてようなものだろうと思う。 いや、凡人の私だって、自己肯定感が低すぎたおかげでトラブったことはあるのである。近くにそういう人もいる。意外とそういう人は多いのではないか? 萩尾望都は物語に動機と

睡眠の質、ってよく言われるようになった。 休みの日でも同じ時間に起きたほうがいいよ、 と、誰かが言った。誰だっけ? まあ、とにかく誰かが言ったんだ。 と、言うことで、iPhoneのタイマーで6時に起きることにしたのは一年以上前のことだ。もう一つ、朝の言葉検定をノートに書き写すためというのもあった。 朝、起きてカーテンを開ける。今日の天気が気になるので、テレビをつける。トイレに行く、検温して血圧測定する。 そして、6時半から今朝知っておきたいニュースとやらをチェック

どうしても言いたいこと。

東日本大震災、津波被害から10年。 姉は二人の子供と弟を失った。正確には弟は行方不明者の202人のうちの一人だ。 そして私も弟を亡くした遺族に当たる。 先日の報道特集(TBS)に姉が出た。以前から度々取材されていたから10年の節目で取材されるのは想像ができたことだ。そして姉は同じ主張を繰り返す。 この街で被害者が多かったという点は、人災だと思う。 そう繰り返す。 残念ながらTBSは、その主張の背景を放送してくれなかった。だから、Twitterという無常世界では、う

Passport please

息子の顔は濃い。 実にフランスの方にお声掛けいただく。フランス語で。 先日なにかの記事で、アフリカ系日本人の方がよく職務質問を受ける、これは差別ではないのか?と言っているのを拝見した。 息子(両親ともに日本人)は、なんと幼少期からこの子はハーフかと海外出身の方に聞かれてしまう子供だった。それならと英語教室に通わせたが引っ越しで続かず、ところがおとなになってから必要があって英語を話さなければならず、英語を話す友人が多くなった。 日本人とはうまく行かなかったコミュニケーシ

着物のこと

着物を着せる仕事を初めて23年になる。 いつの間にか、そんな年月が経った。私は当初から自分が着ることをしようと思っていた。着てみないとわからないこともある。 お茶や踊りの先生方がきれいに着こなしているのは、やはり着ているからだし、着て動くことが念頭にあるので着崩れがどのように起こるかもよくわかっている。実は着物は仕草が肝だと知った。 ありがたいことに私の周りにはお客様の中に和事に長けた方がたくさんいらして、可愛がっていただいたおかげで、あっという間の23年を貴重なお話を

冬の髪はキレイなふりをする。

自分の匂いには気が付かないことがある。 それは年を経るごとに強まる傾向かもしれない。 長いこと美容室でシャンプーしていて思うのは(と言っても私は美容師ではないが)髪は割合正直だということ。ストレスが強くなってしんどかったら、いつもより傷んでいる。お客様に 「なんかありました?ストレスフルなこと」 ときくと、 「わかりますか?」 となる。 シャンプー回数の少なくなる冬は、なかなかに髪が汚れる季節だ。シャンプーを2日に一度と決めている70大半ばの奥様は週二回になって

カタルシス/萩尾望都

単行本のタイトルは「イグアナの娘」その3番めに入っている短編の物語。 イグアナの娘の方は有名。 最近読み直して、カタルシスが頭から離れなくなってしまった。本を買ったときには自分と主人公を投影していたのに、段々と別の人物に投影するようになり、今は親の方に興味が行っている。私はさてどんな親になったのか? 以前母親との関わりをずっと傷ついて心のなかに持っていた方に、萩尾作品の数本をおすすめしてみたが、彼女には合わなかったらしく、自分の中に共感するものがなかったと言っていたのに

私の中の。

何者かがあった10代の頃。 その何者かを探していたような気がする。あれから何も変わっていないのに、頭の中には空白ができた。つまりは老いたということか。 人は頭の中の季節が変わってなくとも老いてしまうらしい。 自分は何がやりたいのか、何を語りたいのか、語り合いたいのか? 今までの環境では自由というものが(楽しい事ばかりではないだろうが広げられる想像力と妄想が)あちこちで狭められてしまったので、何者でもない自分と向かい合っていける場所を求めていたのかもしれない。私は私であ