私の中の。
何者かがあった10代の頃。
その何者かを探していたような気がする。あれから何も変わっていないのに、頭の中には空白ができた。つまりは老いたということか。
人は頭の中の季節が変わってなくとも老いてしまうらしい。
自分は何がやりたいのか、何を語りたいのか、語り合いたいのか?
今までの環境では自由というものが(楽しい事ばかりではないだろうが広げられる想像力と妄想が)あちこちで狭められてしまったので、何者でもない自分と向かい合っていける場所を求めていたのかもしれない。私は私であるが、現実では自分のやりたいことが一日のうちに1時間も取れないような仕事と、家ごとと、お母さんというパーソナリティに縛られている。
ああ、そうだ。
かつてはペンネームなんて作ってみたっけ。
今頃思い出す。
ああそうだ。扉を開けてみよう。
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