見出し画像

【おすすめ本】史上最速の名推理!眠ると記憶を失う探偵のミステリー『掟上今日子の備忘録』西尾維新

ちょっと変わったミステリーを紹介します。ラノベと本格ミステリーの間のような作品で読みやすい作品です!

本書の紹介

西尾維新さんの『掟上今日子の備忘録』です。新垣結衣さんが主演で2015年にドラマ化もされています!


掟上今日子(おきてがみきょうこ)――またの名を、忘却探偵。 
すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決! 
あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・ 
隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日も叫ぶ。 
「探偵を呼ばせてください――!!」 

スピーディーな展開と、忘却の儚さ。 
果たして今日子さんは、事件の概要を忘れてしまう前に解決することができるのか?

記憶が一日しか持たない特異体質

本書の一番の特徴と言えば、主人公の掟上今日子が眠ると今までの記憶を失う特異体質である事です。

掟上今日子は、自他共に認める優秀な私立探偵ですが、寝て起きると依頼を受けた事すらすっかり忘れてしまいます

その為、基本的には事件の依頼を受けたら、その日のうちにスピード解決をしなくてはなりません。

また、エピソードによっては日を跨ぐ事もありますが、その時は腕や足に自分宛てのヒントを残して眠りにつきます。

目が覚める度に依頼人から(依頼人である事も忘れているので自分が依頼人であるという事から)説明をされるというのが、とてもユニークです。

シリーズ全てが紙にまつわる言葉遊び

シリーズが、2020年現在までで12作目まで出ているのてすが、タイトルに全て紙にまつわる3文字の単語が入っています。

1作目  備忘録
2作目  推薦文
3作目  挑戦状
4作目  遺言書
5作目  退職願
6作目  婚姻届
7作目  家計簿
8作目  旅行記
9作目  裏表紙
10作目 色見本
11作目 乗車券
12作目 設計図

末尾も一切被らせずにここまで続けられるのは正直驚きました。。。

ちなみに次作は『五線譜』が控えているそうです。

エピソード紹介①死の真相を探るため100冊の本を読み続ける

あらすじだけだと分かりにくいので、おすすめのエピソードを2つ紹介します!

1つ目は、本作『掟上今日子の備忘録』の4〜5話目にあたるエピソードです。

亡くなった有名推理小説家が自殺だったのか事故死だったのかを解き明かして欲しい、という依頼を受けた掟上今日子。

それを探る為にはその小説家の書いた100冊の著作を検める必要があると掟上今日子は判断します。

ただ、ネックになるのは自身の眠ると記憶を失うという特異体質。推理をするには一睡もせずに100冊読み切る必要があります。

ちなみに自分だったら、どれだけ早くても推理小説は2時間くらいはかかるので最速で200時間=丸8日はかかる計算です。。。

周りからは諦めようと言われるものの、掟上今日子はもともとこの推理小説家野ファンだった事もあり、これを敢行。

眠たくなったら他の人にあの手この手で起こしてもらい、ただ延々と小説を読み続けます。

掟上今日子は、基本的にはクールで物怖じしない性格なのですが、流石に眠らなすぎてだんだん不機嫌を通り越して理不尽になってく描写が面白いです。

忘却探偵という設定を活かしつつ、明かされる小説家の秘密も少し哀愁があり、個人的に好きなエピソードです!

エピソード紹介②野球場のマウンドに現れた墜落死体

もう1つは、5作目の『掟上今日子の退職願』の2番目のエピソード『掟上今日子の飛び降り死体』です。

このお話は、忘却探偵という設定は活かされてないですが、ミステリー的に好きな内容だったので上げています。

警察から事件の助言が欲しいと依頼を貰った掟上今日子。

被害者はベテランプロ野球選手で、事件現場は野球場グラウンドのど真ん中で、死因はなんと墜落死。

当然周りに墜落出来る高い場所など無い状況で一体何何故死んだのか、というのがこのエピソードのナゾとなります。

この解決がシンプルながらよく出来ていて、ミステリーとしてとても楽しめました!

西尾維新さんはラノベ作品も多く複雑な会話劇に定評がありますが、本シリーズはミステリーに重視を置かれているので、初心者の方もとっつきやすいです!

他にも、証拠を見つけるが犯人に殴られて記憶を失わされたり探偵ではなく自分を怪盗だと思い込む、など、特異体質を活かしたエピソードも多数あり、気軽に読めるので是非手にとってみてください!

▼最近の人気記事▼


この記事が参加している募集

#推薦図書

42,602件

#読書感想文

189,937件

よろしければサポートをお願いします!サポート頂いた費用は新しい読書の為の資金として、お役に立てるコンテンツ作りに活かします!