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17/100 《cook》



こちらは坂口恭平さんの著書。
昨年 「自分の薬をつくる 料理編」という坂口さんのYou Tubeを見た。
そこで「うつで 外には出られない。だけど手は使えるから」と
うつの治療の一貫として
料理を作り始めたという話をされていて 
心の病気を抱える私は
その動画を見て以来 キッチンに立つことが増えた。
といっても私の場合
結構 波があるんだけど 最近またよく
キッチンに立つことが増え 
そうだ 坂口さんの
《cook》が読みたいなと思い
こちらの本を購入。

坂口さんは 同じ理由から編み物もやられている。

私も2016年に適応障害で仕事を辞めて 
まず始めたのは編み物だった。
それは べつに 病気の治療とかそんなんではなくて たまたまSNSに友達が
 ズパゲッティという糸で(Tシャツヤーンともいうコットン生地の糸)
編んだクラッチバッグの写真をあげていて
それがすごくかわいくて 私も作ってみたいと
思ったのがキッカケだった。

飽き性の私は今はもうやめてしまったけど
 今思えば あのとき症状がかなり
落ち着いていたように思う。
知らないうちに治療になっていたのかも。

週に1度 マンツーマンで教えてくれる
先生のご自宅で編み物を習いに行ったり
「こんなものが作りたい。」
「あんなものが作りたい」とイメージが湧き
よく手芸屋にも出かけていた。
あのときの私は 
たしかに今より体調が良かった。

坂口さんの言うとおり手首から先の
運動は 心の病気の治療になるんだと
思う。
編み物は飽きてしまったけど
料理は飽きるとか飽きないとかいうものではないし
1日に1回でもいいからキッチンに立とう。

坂口さんは脳内で料理と会話をする。すごいのは 料理さんに「インターネットで調べるんじゃなくて まずは自分でやってみたら?」と言われ
それから 自分の感覚で料理をしていること。
それと前日にメニューを決めていること。
←これは世の主婦たちは当たり前にやってるのかもしれないけど。
私にとっては どちらもスゴイことだ。

そんな私でも 最近やっとスーパーの
買い物に都度行かなくなったことを
自分で褒めたい。なんとなく普段よく使うものと 最近では 季節の野菜なんかを買うなんてことができるようになってきた。もちろん足りないものは買い足すこともあるけど。
私には大きな進歩。

この本に
「料理をつくることは生きることの
添え物ではなく中心になる作業」
「買い物もまた料理の一部である」と書かれている。ホントにそうだなと思う。

私も最近 身をもって感じている。
スーパーで買い物をするという行為は
生きようとか生きたいという
希望の表れだということを。
だって死のうと思う人が今日や数日後のために食料を買ったりしないから。
私は生きようとしているのだと思うと
それだけで なんだか嬉しい。

この本は不思議な本だ。
レシピ本ではない料理本。そして見ると
料理をしたくなるし生きようと思える
魔法の本。




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