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#5 塾の種類と塾選び(後編)

こんばんは、yasuchinです。先日の記事投稿は内容が思ったよりも長くなってしまい、急遽、前編後編の2本立てとさせて頂きました。今回は、その後編ということになります。(ちゃんと完結できるかな……??)

前回までの記事をご覧になっていない方は、よろしければ是非ご覧になってください。 ↓ 

◆自分の子どもに合った塾を見極める

前編の最後の方で”「塾選び」において最も重要な点は、「その塾が自分の子どもに合っているか??」を親が見極めきれるかにかかっている”というお話をしました。また、この中学受験シリーズの第1回目、「#1 中学受験とは?」の中で”中学受験は子どもがチャレンジすること、でもその責任は100%大人が背負うこと!”というお話をしました。

(よろしければ、第1回の記事もご覧いただけると幸いです。 ↓ )

塾選びは、まさに中学受験を目指すにあたり、親が背負う大きな責任の1つです。

自分の子どもに合った塾……それを見極めるには、様々な視点から考えていく必要があります。その視点について以下にまとめます。

1⃣ 子どもの性格や特性を知る。興味・関心を把握する。

まず一番は「自分の子どもを知る」ことです。それは家庭だけの様子に限りません。学校ではどのように過ごしているのか?休み時間や放課後の友達との関係や遊んでいる様子はどうか?習い事やスポーツをしている時の様子はどうか?・・・などなど、親が普段見ていないところも重要です。友達や先生からの情報もとても重要になってきます。また、親子の会話、コミュニケーションがとても重要です。何気ないことでも、自分の子どものモノの見方、考え方が分かります。何に興味を示し、どんなことに集中力を見出すのかなども見えてきます。そうすることで、その子の本来の性格や特性が見出せてきます。このことが、塾選びや先々の志望校選定に影響してきます。

まず「自分の子ども知る」ことが先決です。 

自分の子どもの姿が見えてくると、多様な塾の特徴から、少しずつ選定していきます。これからお話することは、順番にはこだわらなくていいですが、それぞれのメリットや気をつけるところなどをしっかり押さえた上で考えていく必要があります。

2⃣ 集団指導塾か?個別指導塾か?

集団の良さは何か?それは、良い意味での競争心が育まれます。また、周りは中学受験合格を目指す、言わば同志です。時に助け合ったり励まし合ったり、ライバルだったり、切磋琢磨し進んでいく環境が揃いやすいといえます。気をつけるべきは、個別に比べると平均より少し上の子どもたちをペースメーカーとして授業が進んでいく傾向があるので、集団に置いて行かれるのでは…との心配があります。また周りからの影響が精神的にストレスになる子もいます。

個別指導塾の場合は、個別ですからその子の学力、その子のペースに常に合わせられます。先ほどの精神的ストレスがかかりにくいところはあるでしょう。また、先生との間に信頼関係も作りやすく、安心感をもって受験に臨めるところがあります。一方、気をつけるところとしては、依存心が付きやすくなってしまう傾向があります。いつも誰かが傍にいるということは、良いことでもあるのですが、分からない時は誰かが(先生が)助けてくれる、となってしまうと、悪いケースとしては考える力が育たないといったことも出てきます。また、テスト慣れ、試験慣れといった点で少し心配なところもあります。中学入試は集団の中での試験です。いつも集団授業の中で、テストなど繰り返してきた子たちは、集団慣れ、試験慣れしていますが、個別指導の子たちはその辺の慣れがないため、必要以上に緊張してしまう傾向があるようです。まして依存心がつき過ぎていると尚更です。

3⃣ 教科別の先生?クラス担任制の先生? 正社員の先生?アルバイトの先生?

教える先生の種類も様々です。オーソドックスなのは4教科それぞれに専門の先生がいる場合が多いでしょう。教科別の先生の良さは何よりもその専門性です。中学受験合格にあたり、各校の受験問題を熟知しており、問題のクセまで把握していますから、授業の内容が予想問題など含め充実した内容となります。気をつけたいところは、いくら専門性に特化した先生であっても、子どもからみると好き嫌いが出てくるところがあります。いくら良い内容を扱っても、好き嫌いが影響し、ある教科の点数の伸び悩みが出てくることがあります。あと中学受験あるあるなのですが、算数が伸びない原因は必ずしも算数にあるとは限らない、理科が伸びない原因は国語にあったりする、といった具合に教科を飛び越えたところに実は伸び悩みの原因が隠れていたりすることがあります。例えば、算数の計算は速いのに、文章題ができない、理科の知識は申し分ないのに実験過程やグラフや表を追いかけて解いていく問題が難しいなどがよくあります。これは実は国語力に問題があって、主に読解力に原因があり、長文を論理的に解釈するチカラが弱いために、その影響が算数や理科にも及んでくるといったことがあります。このことは、各教科のみを教えている先生では気づかないことだったりするのです。

一方、クラス担任制の先生の場合、つまりは一人の先生が4教科を教えるといった場合だと、先ほどの問題が解消されます。4教科全てを1人の先生が教えますから、教科を飛び越えて得意教科・分野を伸ばせたり、弱点にも気づきやすくなります。また、分からないところや、質問したいところも同じ先生が全て対応してくれるので、いちいち各教科の先生を訪ねる必要がなくロスも少ないです。進路相談なども1人の先生が4教科全てを把握していますから総合的に相談に乗れるので安心感もあります。気をつける点は、やはり子どもとの相性でしょう。1人の先生が一手に責任の背負います。ありがたいことですが、もしウチの子と合わなかったら…という心配があります。もう一つ気になるのは、1人の先生が4教科教えきれるのか??といったことです。東京都の私立中学は187校あるそうで、神奈川や埼玉、千葉などを含めると200校を超えます。その受験校を全てカバーできるのか??という点が心配なところではあります。

先生の質といったところで正社員の先生なの?アルバイトの先生が教えるの?といったところも気になります。どちらが良い悪いということを話す気はありません。雇用形態が違うだけで、教え方や子どもとの相性が良ければ問題はないかと思います。ただ、「責任」の重みといった点でご家庭としてどのように感じられるかはそれぞれではないでしょうか?アルバイトの先生も一生懸命教えてくださいます。大学生の先生が多かったりしますが、正社員のオッサン先生と比べると子どもたちにも年齢が近く親しみやすかったりします。ただ、アルバイトの先生は本業が大学の学業だったりします。いざというときは大学の講義や研究、時期がくれば就職活動が優先されたりします。そうなると、子どもへの授業がお休みになったりとか、途中で先生が変わるなど影響が出てくることも考えられます。正社員の先生は、受験に向けた授業が仕事ですから、もちろんそんなことはないですし、合格を得る最後まで責任をもって授業が行われます。

4⃣ 宿題の内容や量はどうか?? テストはあるのか??

塾に通うと宿題が出されるのが一般的です。その宿題の内容や量も大事です。子どもたちは日中は小学校に通っています(当然ですね…)。学校でも担任の先生によるかもしれませんが学校の宿題も出されるはずです。それとは別に塾の宿題です。その内容や量にもできれば事前に確認したいところです。学校の宿題もやりつつ、塾の宿題までやり切れるのか?といったことや、宿題の内容は復習型なのかそれとも予習型なのか?など気に掛ける必要があります。

また、塾内では定期的なテストが予定されていたりします。主に集団指導塾においては各単元の習熟度を見る目的がある一方、学力レベルを更新するクラス変えの目的があったりもします。私の意見としてはテストは定期的に合った方が良いと思っています。そのテストが中学受験合格の長い道のりの中においては、1つの小さなゴールになるからです。短期の目標やゴールをくぐることで長い道のりも歩いて行けます。テストのある、なし、その頻度も気にかけておくと良いと思います。

5⃣ 塾が求める親の関わり方を知る

家庭学習における親の関わり方も塾によって考え方が様々です。先ほどの宿題の内容にも関係してくるところがあります。

塾が求めるものとしていくつか例をあげます。

 ①復習はご家庭でお願いします。宿題の内容は次回の予習です。

 ②宿題の内容が今回の復習になっています。ご家庭は習熟度の把握を含めて宿題の〇×や間違えたところの解き直しのフォローをお願いします。

 ③宿題の内容は今回の復習です。わからないところは、そのまま次回の授業でもってきてください。ご家庭で教える必要はありません。

少し極端な書き方になったかもしれませんが、大きく3つ挙げました。

①は、理解していようがいまいが授業はどんどん進んでいくから、復習や内容の理解に関しては全てご家庭でお願いします、といったことで100%家庭のバックアップを要求するスタイルです。いや、塾のスタンスとしては、別にご家庭が関わる関わらないは自由、家庭学習には一切口出ししません、家庭学習の責任は家庭にあります、と言いたいのかもしれません。

②は、授業は子どもたちの理解度を見つつ進みます。宿題が復習の内容なので親も、教えることはしなくていいので採点の面でサポートしてもらい一緒に現状を把握しつつ進んでいってほしいというスタイルです。

③は、授業や宿題に関しては、ご家庭はノータッチでOK、全て塾が見ます、といったスタイルです。あまり言いたくないですが、裏を返すと親御さんが関わると親子ゲンカになたり、教え方が違うといって子どもが混乱してしまうのを防ぐためとも考えられます。

今は両親共働きが多い時代です。中学受験は子ども一人で進んでいくのは到底無理です。大人が100%責任を持たなければならないですから、程度に差はあれど親のサポートは必須です。塾の要求する親の関わり方と、現状の親の働き方や子どもへの関わり方も見ておく必要はあると思います。

6⃣ 塾の立地場所、通塾時間・方法を考える

いくら塾の内面的なところが気に入ったとしても、通うのは子どもです。塾の立地場所はどこか?通うのにかかる時間はどうか?歩いて、バスで、JRで、車で送り迎えで……?? 実際の通塾についても検討が必要です。

子どもは学校から帰ってきて、ランドセルをおいたら、軽くおやつを食べて塾のカバンを持って再び「行ってきまあす」です。それが、10分で通えるならおやつもゆっくり食べられるでしょうが、30分、1時間とかになるとなかなか大変です。塾は学年が上がれば、授業時間も長くなります。5、6年生にもなれば、塾に夕食(お弁当)を必要とする場合が出てきます。帰りも21時過ぎとかになることもあります。帰りがまた、30分、1時間かけて帰るとなると…ご家庭としてどうお考えになるでしょうか・・・。

7⃣ 塾のターゲットを考える

この項目は敢えて最後に書くことにしました。塾は基本的にはご家庭の志望校の意向に沿いながら受験合格を目指します。ただ、塾によっては強みとなる受験校がそれぞれにあったりします。○○塾は御三家に強い!とか、△△塾は~中学の学校別授業に力を入れているとか、□□塾は地域中堅どころの~中学に毎年多くの合格を出している、などなど、ターゲットとなるところが見える部分があります。もし、中学受験をするにあたり、ウチはもうココを目指すんだ!!!と明確に志望校選定がなされており、子ども本人も親御さんもみんなその目標に向かって進む覚悟ができているなら、この項目を最優先にすることもありなのかなと思います。

◆体験授業、季節講習を活用してほしい

1⃣~7⃣まで、様々な視点を挙げてお話してきました。

「色々な視点から考えなければならないことは分かったけど……でも、実際、通ってみなければわからないじゃない??」

と、言われる方がおそらく大多数だと思います。ですので、多くの塾は体験授業というものを行っていることが多いです。2~3回、あるいは1週間、1か月と試しに通ってみて判断することができます。授業の雰囲気、教え方、先生の印象、宿題の内容、通塾の時間が実際体験できることで、子どもが塾に通うということに直接的に感触をもつことができます。また、季節ごとの講習を受けてみることも良いかと思います。今からの時期だと春期講習でしょうか。新学年に向けて塾通いも同時にとお考えの方も多いのではないでしょうか。学校は春休みですので、塾の授業を体験するには、体力的な面でも負担が少なく良い機会かと思います。

さて、今日は「自分の子どもに合った塾」を見極めるための様々な視点をご紹介しました。まず「自分の子ども知る」こと、そして、それぞれの塾のメリットや気になるところを把握し子どもとの相性はどうかを探る、そして、まずはお試し体験授業や季節講習を活用してみる、といった流れで失敗しない塾選びができればと思います。

結局、前編よりも長くなったじゃないか(汗)!?


さて、明日は2月1日、いよいよ東京都内の私立中学入試が始まります。

もしかすると、今回の受験生は、世の中が新型コロナウイルスの戦いを始めるのと同時に、中学受験の戦いも始めた子たちが多いかもしれないですね。

例年の受験生と比べても、毎日の勉強はもちろん、数倍色々なことに気を配ってきたと思います。子どもたちだけでなく、親御さんも一緒に辛い世の中を励ましながら進んできたと思います。

そんな過酷な状況の中でも、やっと受験前日まで辿り着くことができました。

きっと大丈夫です。今年の受験生は、例年の受験生より圧倒的に強いはずです。

世の中の受験生たち!ガンバレ!!


それでは、また。



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