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こうなってしまうことは最初から分かりきっていたはずだったのに


朝に空を見上げたら、綺麗な快晴で、バス停でバスを待ちながら雲が流れていくのを見てた。
あの雲みたいに、わたしももうどこか遠くへ流れて行きたい。



土曜日の早朝、彼を叩き起こして始発で家へと返した。
その前から夜中も何度も、「もう帰っていいよ、帰った方がいいよ」と言ったけどその言葉は聞き流された。
わたしと一緒にいたかったんじゃない、きっとお酒が回って疲れていたから眠りたくて始発で帰りたかったんだろう、そんなことすらわたしはちゃんとわかっていた。


先月に久しぶりに会って飲むだけで楽しかったから、普通にもう一度飲みに行きたくなって声をかけたらとても喜んでくれた。いつでもいいよと言ってくれたから金曜日を選んだ。


わたしの家は、ここ数週間洗濯機とお風呂の水の出が壊れた。洗濯機はもうすぐ新しいのが来るけれど、お風呂の湯ダメのボタンが壊れていて、たまに本当に水しかでなくてここ最近は近くのスーパー銭湯に行ったりしていた。給湯器の半導体がコロナのせいで生産が遅れており、なかなか入らないそうだ。

久しぶりにゆっくりお風呂に入りたいのもあって、最近は金曜日はホテルをとっていた。本当はその日は同期の友達と泊まる予定だったけど、急遽無理になってツインの部屋を一人で使うことになった。飲み終わって彼と別れてから一人でゆっくり泊まる予定だった。


お酒がすすんで話の中で給湯器が壊れたことを話すことになり、その流れで二人でホテルに行くことになった。
途中でコンビニに寄ってお酒を買ってアイスを買って。
でもコンビニを出たら誰に見られてるかわからないから離れて歩いた。


部屋に入ってお酒を飲み始めた。
わたしが甘えたくなってしまってよりかかったのが悪かったと思う。



そこからは2年前に逆戻り。
あんなに我慢してきたのに、わたしの脳みそは本当にバカすぎて、泣くにも泣けなかった。


自分を傷つけたくないと思いながら、傷つけることを選んだ。心の自傷行為だ。


でもそれは求めていた温もりでひとたび触れるとわたしの中のなにかが壊れる音がした。あったかさに包まれると、生きてて良かったなと思った。
誰でも良いわけじゃない。抱きしめられたら誰でも良かったわけじゃない。


甘えられる人がいない。
家族にも弱音は吐けない。
たまに同期に仕事の話は聞いてもらったとしても、ずっと同じ話を永遠とできるわけないし、甘えるのとはまた違う。


あまえんぼになれたのはあなたの前でだけだったのに。



あなたと飲むとお酒もハイペースで朝方には気持ち悪くなって、久しぶりに飲みすぎたせいでトイレにこもった。


なんとかバイバイと見送ってドアを閉めたあと涙が止まらなかった。号泣した。
わたしが望んでたことって、こんなことじゃないのに。


残されたわたしはベットで眠れずに横になるしかなかった。そこから腹痛との戦いで、やるせなさと情けなさと虚しさと全部がごちゃまぜでどうしようもなかった。


結局チェックアウトの時間までも待てず、
散らかった部屋を掃除しやすいように片付けて、
日焼け止めも塗らずすっぴんにマスクでホテルを出た。
悲しいくらい晴天だった。
ロビーの受付のお姉さんにルームキーを渡して、とてもいい笑顔でいってらっしゃいませと見送られた。


外に出て眩暈がした。
ああ、もうわたし本当にここでしゃがんで大泣きしてしまいたい、誰も助けてくれなくてもいい、どうせ助けてもらえるような存在なんかじゃない、泣きたかった。


まだまだ胃が気持ち悪くてなんとかコンビニで水を買って、胃薬を流し込んで電車に乗り込んだ。
快晴の土曜日の朝の電車は今からデートであろうカップル、遊びに行くお友達同士、家族がいた。



わたしは本当になにをしているんだろう。


帰ってほとんど水のシャワーを浴びてベットに倒れ込んだ。

もう疲れた。
個室の居酒屋を探して予約をすることも、こそこそしながらしか会えないことも、ホテルに入るのも、道を歩くのも距離をとることも、もう本当に本当に全部疲れたの。


わたし、こんなことがしたいんじゃない。
どこに食べに行く?と言って気になった居酒屋に入りたいし、明日はなにする?ってお泊まりをしたい。映画に行こうねって、旅行に行こうねって、そういう当たり前の日向の存在でいたい。
それとも、こんなわたしがそんなこと望むことは間違いなのかな。


どうすればわたしは誰かの一番になれるの?
どうすればわたしは誰かの特別になれるの?



わたしはあなたの歪な思考回路に惹かれて、

わたしはあなたの変に諦めのいいところに惹かれて、

わたしはあなたのクスッと笑うかわいい笑顔が魅力的だと思った。


そういう、人とは違う、でもわたしにはとっても魅力的に見える、わたしにはない何かをとても大好きになった。



でもね、もうダメだよ。
疲れた。


そこから土日は生理痛もあって、本当は資格試験の勉強をしなくちゃいけないのに二日間寝込み続けた。

久しぶりの友達から電話があって、大好きだったアイドルのツアーが決まったよと教えられた。
りんちゃんも絶対一緒に行こうね、楽しいよ絶対と電話口で彼女が言った途端、涙が溢れた。
なぜだかわからないけど涙がとまらなかった。
りんちゃんがいないと寂しいよ、って言ってくれた彼女にわたしはお礼が言えていたのかわからない。泣いているのがバレないようにすることで必死だった。


来年の3月までは生きなきゃ。
立ち上がって、あのキラキラした男の子たちを見にいかなきゃ。ほら、わたしそうやって楽しみを見出して生きてきたはず。
元の世界に戻らなきゃ。
友達にも会いたい。



もう、会わないようにしなくちゃ。
会うと心が乱されて、それでも好きで、でも本当にどうしようもなくて、未来のない沼のようなところにもうこれ以上足は入れられない。


あなたの人生を本当に少しだけくれたのなら、わたしの愛なんて、わたしの人生なんて全部差し出せたのに。


どんなに好きになっても夢を見ちゃいけない。
自分が一番大切な人になれるかもしれないなんて絶対に思っちゃいけない。
だって、叶うはずないから。
一緒に家庭を作って子供を育ててきた絆に勝てるはずなんかない。だからちゃんとブレーキをかけて。


特別、さよならを言う必要もない。
バイバイも言わなくていい。
連絡は止まったし、あなたからは連絡はしてこないんだろうから、それが答えなんだとちゃんと今度こそわたしも受け取らないと。


もうこれ以上、自尊心をえぐられるのは嫌だから。




出会えて良かった。
アラサーになって、人のことを苦しくて涙にまみれるほど好きになれて良かった。
こんなに痛い優しさがあったんだって知ることができて良かった。




また、ちゃんと一からまっさらなスタートラインにたって婚活をしよう。
きっと、まだ出会えてないだけで、わたしも日向で歩けるようになりたい。


誕生日プレゼントのお返しにってとてもかわいくて綺麗なチョコレートをくれてありがとう。
あなたには食べるねって言ったけど、食べれそうにないから引き出しの奥底にしまった。
でも、本当にありがとう。



あなたは今何を思ってる?
傷つけたなって思ってる?嫌われたって思ってる?
もう僕からは連絡できないなって思ってる?



せめて嫌われてないといいな。本当にそれだけだよ。愛してほしいとも、好きでいてほしいとも、言わないから、せめて嫌わないでいてね。


あなたの幸せを遠くから祈ってます。
ここに書いたこと本当は直接あなたに伝えたかったけど、もう伝えられないかもしれないからここに書いたこと許してね。



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