見出し画像

母の愛はいつだってすごい。映画『こんにちは、私のお母さん』中国、2021年。


中国でものすごく評判がよくて、世界的な興行収入で2番になったという映画。つまり、中国国内の映画需要がそれだけすごいってことらしいです。中国でNo.1は世界一っていう。驚きました。一応、香港、マカオ、東南アジアでも公開されています。ずっと楽しみにしていましたが、ようやく日本で見ることができました。

監督、脚本、そして主役は、中国で人気のあるコメディ俳優のジア・リン(賈玲)。彼女の母親との実話をもとにつくった映画だそうで、お母さんの若い頃に、タイムスリップするというお話。

生まれたときからおデブで、失敗ばかりで、成績も全然ダメだったジア・シャオリン(賈暁玲)。母を喜ばせられなかったことに後悔し、せめて次こそ母親にいい人生を歩ませたいと、自分が生まれる1年前にタイムスリップしたのをいいことに、若き日の母と工場長の息子をくっつけようと奮闘します。

シャオリンがタイムスリップしたのは、1981年(昭和56)。まだ、人民公社とか、ガチガチに集団体制だったのではないかと思いますが、映画ではかなり牧歌的に描かれています。工場で一番最初にTVを買おうと競争するのが、うら若い工員の母とそのライバルとか、ちょっとありえなそう。

とはいえ、そのあたりはまあコメディだし、メインテーマが母と娘の関係だから、正確さはそれほど重要じゃないと思うんですが。母に恋する工場長の息子も父親から自立しようとするいいヤツだし、母のライバルがやとったチンピラも、最終的にはシャオリンに協力してくれる気のナイスガイだし。

シャオリンの計画は結局失敗してしまいますが、若い頃の母は、シャオリンが知っている中年の母と同じく、シャオリンを励ましてくれます。「健康で幸せなら、それでいい」と。娘を見守る母として、これ以上の言葉はありません。

母との出会いを糧に、シャオリンのこれからの人生に幸あれ、と思わずにはいられない、いい映画でした。そして、自分の母親にも、できる限り優しくしたいなと思わせられる作品でした。おすすめです。

邦題:こんにちは、私のお母さん(原題:你好,李煥英。英題:Hi,Mom)
監督:賈玲
主演:賈玲、沈騰、陳赫、張小斐、張小斐
制作:中国(2021年)128分

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,996件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?