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【香港島】天官賜福。筲箕湾の道教寺院(廟祠)めぐり。

2023年夏、仕事ででかけた香港島。せっかくの機会に、飛行機までの半日を観光しないわけにはいきません。早朝から、トラムに乗って香港島を横断して、終着点の筲箕湾の道教の廟めぐりをしてきました。目的はなく、単純にトラムにのって散策したかったので。

ちょっと想定外だったのは、地下鉄に比べて(当たり前だけど)2階建ての路面電車トラムはゆっくりだったこと。ほぼ西端からスタートしたので、反対側の終点まで1時間かかってしまいました。ゆっくり香港島を横断見物できたのはいいけど、帰国当日の観光としては、ハラハラものでした。

香港島のトラム東の執着駅、筲箕湾。

大都会のビル群で空しか見えない仕事先と、香港なのに英語・北京語だけの世界はちょっと気詰まり。やっぱり、日常生活感あふれる場所を見ると元気がでます。

市場だ!市場だ!
おいしそうな果物いっぱい。
枝についた龍眼初めてみた!
魚屋!漁港なだけに、すごい迫力。
お肉屋さんも負けない迫力。
練り物屋だって、負けてない。おいしそう…
野菜と漢方薬の区別がなさそう。体に良いお店。

うっかり、本来の目的を忘れそうになりつつも、テンションが上がったので、そのまま城隍廟を目指します。小さい建物ですが、歴史はなんと清朝光緒3年(1877年)から。日本でいえば明治時代の初めです。もともとは土地神(福徳公)と悪いことを防ぐ財神(五通神)をまつっていて、一般には福徳祠とか五通祠とかいわれていたとのこと。

筲箕湾の駅から歩いてすぐの城隍廟。
正面はこんな感じ。観光客が入っていいのかわからないくらい、普通な雰囲気。
すみません、お邪魔します。なるほど、確かに福徳祠だ。
「天官賜福」の文字にお線香が灯されています。私にも「天が徳福を授け」てくれますように!
筲箕湾天后廟。ここも歩いて駅からすぐです。

続いて、天后廟へ。天后は、天妃とか天上聖母、媽祖とも呼ばれるそうで、福建生まれの女性がなった海の神様。漁師町には欠かせない神様。2つめになると、ちょっと読経……いえ、度胸がついたので、中へガンガン入らせてもらいました。

入り口はこんな感じ。
中には作業をしているお姉様が数人いらっしゃったので、写真をとっていいか確認。「没問題」のお返事をいただいてパチリ。コミュニケーション大事。
脇を固める神様?
反対側を守る小さい神様?
廟の中のキラキラ具合がすごい。『天官賜福』3巻を思い出す赤、赤、赤です。

最後は、譚公廟へ。伝統的な村の廟で、清朝の光緒31(1905)年創建って日露戦争の頃です。譚公仙は本名が譚公で元の時代の人。修行して仙人になったのだとか。人々の願いを聞いて、雨を降らせたり、晴れにしたり、守り神のよう。本当に、『天官賜福』はこういう世界感を使った小説なんですね…

ここは他の2ヶ所より、少しりっぱな建物。
独特の長時間ぐるぐるお線香。
入り口の片側にはドラゴンボート。
反対側には無事の航海を祈る人形たち。
真ん中は譚公仙かな?
祭壇の下の絵もステキ。
廟の外は「天官賜福」ではなく、別の形の線香をあげる道具がありました。

というわけで、『天官賜福』を読んだおかげで、いつもは素通りする道教の廟を楽しむことができました。趣味の範囲が広がると、観光の楽しさも倍増です。香港、楽しかった!


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