【香港島】天官賜福。筲箕湾の道教寺院(廟祠)めぐり。
2023年夏、仕事ででかけた香港島。せっかくの機会に、飛行機までの半日を観光しないわけにはいきません。早朝から、トラムに乗って香港島を横断して、終着点の筲箕湾の道教の廟めぐりをしてきました。目的はなく、単純にトラムにのって散策したかったので。
ちょっと想定外だったのは、地下鉄に比べて(当たり前だけど)2階建ての路面電車トラムはゆっくりだったこと。ほぼ西端からスタートしたので、反対側の終点まで1時間かかってしまいました。ゆっくり香港島を横断見物できたのはいいけど、帰国当日の観光としては、ハラハラものでした。
大都会のビル群で空しか見えない仕事先と、香港なのに英語・北京語だけの世界はちょっと気詰まり。やっぱり、日常生活感あふれる場所を見ると元気がでます。
うっかり、本来の目的を忘れそうになりつつも、テンションが上がったので、そのまま城隍廟を目指します。小さい建物ですが、歴史はなんと清朝光緒3年(1877年)から。日本でいえば明治時代の初めです。もともとは土地神(福徳公)と悪いことを防ぐ財神(五通神)をまつっていて、一般には福徳祠とか五通祠とかいわれていたとのこと。
続いて、天后廟へ。天后は、天妃とか天上聖母、媽祖とも呼ばれるそうで、福建生まれの女性がなった海の神様。漁師町には欠かせない神様。2つめになると、ちょっと読経……いえ、度胸がついたので、中へガンガン入らせてもらいました。
最後は、譚公廟へ。伝統的な村の廟で、清朝の光緒31(1905)年創建って日露戦争の頃です。譚公仙は本名が譚公で元の時代の人。修行して仙人になったのだとか。人々の願いを聞いて、雨を降らせたり、晴れにしたり、守り神のよう。本当に、『天官賜福』はこういう世界感を使った小説なんですね…
というわけで、『天官賜福』を読んだおかげで、いつもは素通りする道教の廟を楽しむことができました。趣味の範囲が広がると、観光の楽しさも倍増です。香港、楽しかった!
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