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【アジア×日本酒】ノンフィクション本気でアジアで日本酒を拡売してみた

日本人のスピッリツなのに国内で売れない清酒、チャンスは海外へ。

こんにちは。
今週も元気に崖っぷちしております熊です。

本日は自称マーケッターですので、マーケティング視点で「アジア×◯◯」
というテーマで一本目の記事を書いてみようと思います。

第一弾目は「アジア×日本酒」ということで、
本稿に関しては清酒マーケットの基本状況と、
日越PEST分析と、中国クチコミ分析から、
市場状況の整理をしてみようとおもいます。

一応現在熊は東京から、エスケープ後縁があって、
今はお酒の卸営業をしています。
約半年間の浅い経験ですが、それも踏まえて、
アウトプットしていきたいと思います!

1.清酒マーケットの基本情報


我々、日本人にとっては、いわば”国酒”でもある日本酒。
歴史としては、
諸説あるもののボクたちの遠い遠い祖先が、
稲作をはじめた約2,000年くらい遡った縄文時代より、
コメを原料として作られ続けてきたそうです。

現在でもお神酒に代表されるように、
日本文化への深い関わりや、
ひやおろしやひやし酒など、四季に合わせて作られたり、
土地毎のお米と、お水を使用して作る地酒文化など、
非常にボクたちの生活に、深く根付いているのも、
日本酒ならではだと思います。

※沢の鶴さんのこちらの記事を、
日本酒の歴史にご興味がある方は一読してみてください。

そんな非常に奥深い文化性を、
もつ日本酒ですが現在の国内需要でみると、
消費量が深刻な下がり方をしている状況です。

国税庁課税部酒税課の、
令和1年時点での報告レポートによると、
清酒の課税移出数量は昭和48年度177万KLから平成29年度おいては実にピーク時の1/3まで落ち込んでいる状況です。

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出典:国税庁平成31年3月 酒のしおり
 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2019/index.htm

コロナウィルスの影響も、
今年はあり主に秋口にかけて、

本格的にピークシーズンに、
突入していく前ではありますが、
卸営業の現場にいて、前年対比でみても売上額が、
より厳しい状況に陥っていると感じています。

一方で売上でみると、
厳しいですが近年付加価値の高い吟醸酒や、
受賞酒などの高価格帯商品の売上が、
全体の構成比としても、伸びてきた傾向もあり、
清酒ジャンル全体での、利益率自体は、
大きく改善されてきているトレンド
があります。

これは実際の卸の現場にいても、コロナウィルスの影響下で、
家飲み需要が今年のトレンドの中で、「消費者がプライスに見合うアイテムを選ぶ」という傾向は、強く現れていると感じています。

また今年は厳しい状況では、ありますが前年までの傾向でいうと、
海外への展開という点では、非常に進捗しているマーケットでもあります。

国税庁の報告によると、日本産酒類の輸出金額は、
平成30年は約618億円(対前年比113.4%)となり、7年連続で過去最高を記録している状況です。

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出典:国税庁平成31年3月 酒のしおり
 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2019/index.htm

※日本酒の未来をつくることを、目的として酒ベンチャーを、
展開されているClear incさんの、こちらの記事が数字としては、
過去のものとなりますが、非常に市場状況をわかりやすく紹介した記事だと思いますのでシェアします。

熊が在住している、広島県下でも賀茂鶴さんであったり、
千福さんであったりと、積極的に海外展開を進める蔵本さんが、増えてきている傾向です。
崖っぷちアジアンマーケッターとしても、この流れは非常に嬉しいです。

※PRTIMESさんでも、我が故郷広島のお酒が、
越境ECをスタートしたと取り上げられています。

「本当の商品力で狙い定める消費者の枠を広げていく」
ということが、現在そして今後の清酒マーケットにおける大きな流れに、
なっていくのではないでしょうか。

そうなってくると、今後海外でも勝負できる、質の高いブランディングエクイティ構築が、より求められてきます。
今後優秀なマーケッターの必要性が、非常に高まってくる業界でしょう。

2.日本、ベトナムにおけるPEST分析

◯日本の場合

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◯ベトナム

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今回は在住経験があるベトナムと、
日本のPEST分析をしてみました。
日本においては、今後間違いなく縮小する国内マーケット、
加えて酒税改正のからみでさらに厳しくなる商売体質
において、
洗練された文化力を武器に海外へ商圏を、広げざるおえない状況は変わらないでしょう。

逆にベトナムにおいては、伸長するITアウトソーシング分野や、
多国籍企業の生産拠点としての誘致が、引き続き健闘して国内における富裕層は増加していく傾向です。

加えて技能実習生の派遣や、豊富な観光資源に魅了されて、
増加するインバウンド旅行客等海外文化に触れる機会が、増えることで外国製品や、多国籍料理に慣れ親しむ人も増えていく、それに伴う国内マーケットの需要増が予想されます。

それに比例して文化的価値、商品価値が高い物に対して、シビアな消費者が食に関しては特に増えるでしょう。

アルコールに関しても消費量が、年々増加していてアジアでもトップクラスのノンベー大国です。

熊がベトナムレストランで働いていた時も、IT関連職を中心に優秀な若年層かつ富裕層の、お客様からの特にアルコールにたいしての要求の高さには、
何度も驚かせられました。

特にこれはお店を経営されている方々ごとで、意見も変わってくると思いますが、熊個人としてはワインと、風味が強いカクテルに対してはかなりシビアだったと記憶しています。

非常に自身の味覚の敏感さに、自信をもつ方が多く意見が、はっきりしているのも国民性なのかと熊は思っていました。

その一方で政府が、基本的には、社会主義ですので、
圧倒的に強力な決定権を国が握っている状況です

それも少なからず影響して、愛国心が非常に高いのも、
ベトナム人の特徴かと思います。

ローカルにおいても、警察組織にかなりの、自治権が、与えられている状況で、深夜営業の取り締まり強度も、管轄警察官との関係性で決定します。
飲食経営者にとっては、警察組織との関係性維持というのは、重要な経営要素となっています。

それくらい国の権力が強いです。
ですので現在国をあげて、関係性良好化が、勧められている日本とベトナムにおいては、ビジネスを展開をしていく上でも、非常にいいペアリングであると思います。

実際現在ボクが把握している限りで、「外資系ハノイ飲食の成功者」は、
日本人起業家の方が、立ち上げられたピザ屋PIZA4P'sです。
2国間の関係性の良さも、成功要因の一つではないかと思います。

文化的にも世界的に、日本食が評価される中で特に、
ベトナムではエンタメという点を切り口に、
熱狂的な日本文化ファンが多数いらっしゃいます。

ハノイ現地でも、在住者方々がバンドや、
クラブイベントを多数開催していて、現地在住の外国人コミュニティでも、
非常に高い評価を得ていてそれに追従して、海外文化に敏感なベトナム人も多数イベントに参加していました。

その点からも、
日本文化=スタイリッシュ、クオリティーが高い
という現地消費者認識は、非常に強いと思います。

だからこそベトナムマーケットでは、
味がわかる消費者にたいしては、
特に純米大吟醸、大吟醸、生貯蔵酒など、
クオリティーの高いお酒で、
繊細な味の違いを楽しんでもらえると思います。

日本文化に対しても、非常にポジティブな印象をもっているので、
カルチャーミックスの飲み比べイベントや、
モダン日本文化をミックスした日本酒バーなどは、
展開場所によっては勝算は十二分にあると思います。

3.中国SNSにおける清酒に関してのクチコミ分析

中国における、日本酒市場に関しての市場分析は、
現在の知識量では難しいので、
中国市場に関しては、クチコミ状況からの分析をしています。

◯キーワード毎の検索ヒット数(REDのみのリサーチ)

・清酒 4万投稿
・清酒 4万投稿
・日本酒 5万投稿
・日本酒粕面膜 1万投稿
・清酒推荐 1万投稿

1.日本酒よりも女性向けには梅酒をはじめ果実テイストのクチコミが多い

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RED調べなので、
基本的には、女性視点の投稿に、偏ってしまっていますので、
あくまでRED上だけの傾向ですが、
本格日本酒よりも、梅酒を、代表に果実のテイストのアルコールが、
クチコミ数としては多い傾向。

ライチの、お酒なんかも人気みたいです。
パッケージデザインもシンプルで、日本らしいミニマムなデザインが、
好まれている傾向。

あと2枚目の、スクリーンショットの「白鳥」というお酒、
こちらなんと、中国発の米酒という名のきっと日本酒です。
こちらが検索ヒット上位に、表示されています。

米をベースに、青梅のテイストを混ぜてみたり、
洋梨を原料に、つかってみたりパッケージも、
少しウィスキー山崎を意識したようなデザインで、
非常にスタイリッシュです。

また投稿の方には、
在宅勤務を意識した文章も入っていて、
やはり中国でも、家飲み需要が多少なりともあるみたいです。

あと投稿文の中で気になったのが、
「美味しく飲めてかつ簡単に酔わない」これです。
ボクが北京に、滞在している時は少なくても、
周りの中国人の方にとって、
「美味しくしっかり酔える」という点の方が、
重視されていた印象があります。

消費者も千差万別ですが、健康志向な人の増加で、
元々健康に気を遣う人が多かった、中国でも酔いの認識が、
変わってきたのでしょうか。

2.知名度が高い獺祭をはじめハイエンド商品で化粧箱等装飾が大事

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日本酒ブームの大本命獺祭を、
はじめやはり国際的に、
知名度が高い商品はクチコミも、多く集まっている傾向。

輸入額も香港、中国大陸ともに130%伸長しているのも、
ブランド力のある清酒メーカーが、ポツポツと海外のイベントやコンテストで受賞しだしているのが大きな要因でしょう。

結局はボクを含めて、
日本酒の味の優劣は中々日本人も、
結局まちまちなのに、海外の人がわかるわけないのです。

なので著名人に評価されている、コンテストで評価されている、
パッケージが綺麗などよりブランディングとしての、
強さが海外市場、特に中華圏には求められるではないでしょうか。

3.酒粕化粧品パックは、人気は高いがブームは、落ち着いてきた印象
※今は豆腐がブームみたいです。

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中国のファンビンビンによる紹介投稿に、
よって一世を風靡した酒粕パック。

このケースは、本当に綺麗に、中国市場においていかに、
SNSを通したインフルエンサーの影響力があるかを、
証明した事例だと思います。

現在は白鶴酒造さん、菊正宗さんをはじめ多くの日本酒メーカーさんが、
こぞって開発に着手している印象です。

メーカー名は出しませんが、
本当に日本酒のメーカーさんですかというくらい
酒粕パック営業に、力を入れられている企業さんも、
酒類問屋の現場にいて感じる時があるくらいです。

なので、一時期清酒というカテゴリーだと、
本来のお酒よりも、こちらのパックの方に意識が、
いっていた消費者の方は、非常に多かったと推測しています。

このブームの影響で、清酒=肌が綺麗になる、
健康的、綺麗、美しいというような認識を、
もつ中国人消費者の方も、多数いらっしゃるのではないでしょうか。

ただインバウンド集客が、ほとんど0の状況もあり、
クチコミ総量からみても以前のような、
強力なトレンドではなくなってきた印象です。

(一つの要因として、中国産米酒ブランド白鳥の例もそうですが、
コロナ影響下で中国国内ブランドが、2020年かなり力をつけてきて、
海外ブランドの需要を取り込みだしたと思います。
2020年かなりの頻度で、中国マーケティング関連の記事にて、
紹介されている「PERFECT DIARY 完美日记」は、
最も代表的な事例ですね。)

余談にはなりますが、
ボクも久々にREDを開いて、日本というキーワードで、
検索してビックリしましたが、今は揚げ豆腐のようなものが、日本関連で話題になっているみたいです。

毎度毎度どうして、これがブームになっているのか分からないですが、
生活者発のクチコミの力で、誰も予想できない大きなブームメントが、
引き起こるのも中国市場の面白さかと思います。

4.まとめ

今回はPEST分析の視点で日本と、
ベトナムを、中国市場に関しては、
何よりも消費者のトレンド傾向が現れるSNSクチコミという、
切り口から日本酒マーケットについて振り返ってみました。

市場の流れとして下記2点は、
3国ともに共通した大きな流れではないでいしょうか。

1.味だけではなく、ブランディング力のある商品が、生き残っていく
2.既存の伝統だけに依存せず、見据えるマーケットごとに、テイストを調整できるアイテムが評価される

日本文化の真髄とも言える日本酒は、
傾向としてイイものを、
作ることだけに意識がいきがちな業界だとボクは思います。

現在の問屋現場にて、清酒メーカー様と、
お話していてもそのような印象をもつことが多いです。

もちろん味が、まずければ誰も飲まないですが、
「日本酒がイイもの」だと伝わらなければ、
誰にもまず手にとってもらえないし、
ワインのように、多くの世界で日常生活の楽しみとして、
浸透することもまずありえないでしょう。


だからこそ、マーケティング視点で消費者に、
向き合うことと、ブランディングを通してよりわかりやすくイイものだと、認知してもらえるアクションが、必須なのではないでしょうか。

未熟なボクが書いた情けない文章と、マーケティング分析に
長々とお付き合いいただいた、皆さんありがとうございました!

次回の投稿も、がんばるので是非みてください。
誰かのお役にたてば幸いです。

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「熊の地酒紹介!」
現職にて、お世話になっている、
地酒メーカー様の紹介です。
正直宣伝です。

特色もあるし、作り手の方の熱意もボクが保証します。
味は確かなので、良ければホームページを見てください!

<山岡酒造様>
あの有名な、コシノジュンコさんとも、共演した酒蔵さん。
お洒落なラベルなど、広島東部で、
最もインスタ映えする日本酒ブランドです。
作り手の山岡社長も、非常に笑顔が素敵な方です。


<生熊酒造様>
広島随一の紅葉のスポット帝釈峡より、流れる綺麗なお水をつかい、
お酒の隠れスポット、
庄原市東城町を代表する酒蔵さん。

メインブランドである超群は、連山の中で、ひときわそびえる富士山のように、また群鶏の中の一鶴のように、酒造界に秀でることを念願して、
名付けられたそうです。

特徴は辛口であること。しかし、そう感じさせない奥深さも備え、
帝釈台地から流れ出す清流の旨みを、感じることができます。





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