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院進学が当たり前に成りつつある世界線

你好我好大家好,どうもMuneです。

私は大学4年目の授業選択が始まり、いよいよこれからの事を改めて考える時期に突入しました。これからの事とひとえに言いますが、それに対してパッと浮かんでくるイメージは人それぞれだと思います。
日本だと大学の4年からは基本的に就活に専念し、これからというビジョンはどこかに就職するという風に考える人が多いでしょう。
今回はこの考え方とは違った世界線を持っている中国の大学生の状況を日本と比較して話してみたいと思います。

圧倒的学部卒業後の就職率と院進学率の違い

日本は、大学4年生になると就活就職が正規ルートという考え方が強いかと思います。そのおかげもあってか、日本の大学卒業生の就職率は今や95.8%にまで上がっています。(厚生労働省調べ

そして、日本の大学卒業生のうち、大学院に進学する割合はおよそ10人に1人と言われております。(AERA引用
その院進学者の中でもほとんどが理系学部の理学、工学、農学です。文系学部の人文科学部や社会科学部の院進学率はいずれも2-4%です。日本の文系学部で大学院を目指すなんて言ったらもしかしたら不思議な人だなと思われるかもしれませんね。

では、一方その頃、対岸の国中国ではどうでしょうか。

中国の大学本科(学部)卒業生の就職率はなんと15.3%しかありません。(百度文章引用
日本の6分の1にも満た無い割合です。今夏の就活に励んでいる日本の学生がこの数字見たら失神するでしょう。
では、この残りの約85%の学部卒業生はみんな路頭に彷徨っているのでしょうか?ところがそういう訳でもないようです。

中国の2021年度の大学学部卒業生の国内外の大学院進学者の割合は19.2%もあります。2021年の大学院生募集人数は合計105万700人で、それも2019年(81万1300人)より23万9400人も増加しています。(sohu引用
単純に考えて、割合的には日本のおよそ倍の院進学率があります。ただ恐ろしいのはその人数ですね。やはりさすがは中国とでも言いましょうか。

さらに、中国で「双一流」と言われる国内ランキング上位の大学に至っては、院進学率は驚異の35.4%にまで上ります。(sohu引用
そして、その学部比率も理系学部の医学、農学、理学が高いのはもちろん、文系学部の法学や経済学部の院進学率も高いようです。

日本と中国では教育システムが少し違うのはわかりますが、これほど差が出ていたら完全に別世界線の話になってしまいますね。日中同年代の大学生が一緒にこれからの事を見据える際に眺める世界は相当変わってそうです。

なぜ卒業後の意向にここまで差が出るのか

さて、どうして大学卒業後の進路選択でここまで違いが生まれるのでしょうか?もちろん、中国には学問についての研究に興味があったり、自分の知識を増やしたいから大学院に進学する人もいます。ただ、大半の学生はそれとはまた違った思惑があるように感じました。
これを理解するためには少しだけ中国の社会のことを知る必要があると思います。
中国の社会は社会全体で上へ行こうとする力が蠢いていると思います。少なくとも私はそう感じました。(以前のnoteでも学生の姿勢について書いています)みんながみんな向上し、今の環境よりも良いものを目指しています。そうなのであれば、じゃあみんな仲良くそろって駆けていこうと考えてみましょう。高校の先生の受験は団体戦だという言葉が懐かしい。もちろん、それは到底実現し得無いことです。社会の構図に、定員という概念がある以上、どうしても肩を並べている状態では自分が特異点になれず、上を目指すのに苦労する事になります。向上心が強いとは言ったものの、その本質的な部分は、他の人よりも優秀にならなくてはいけないという心理が働いていると思います。

そうなると、大学を卒業しただけでは自分が他の人よりも秀でてると証明でき無い、能力も肩を並べてしまう、だから大学院に行く必要があるかもしれ無いという考え方が芽生えるかと思います。

そして、この考え方は今や中国の社会に強く根付いているように感じました。中国の企業もこの事を承知の上で、学歴に対する要求を高めているところも増えつつあります。大学の学部卒業生だと見向きもされないところも少なからずあると思います。

日本の社会は良くも悪くもある程度飽和しているので、必ず上を目指すというよりは自分のやりたいことを模索してその優劣に関わらず職につくことが多いように私は感じております。
なので、日本の企業側も学歴に対する要求も中国ほど厳しくありませんし、ややもすると、大学院卒なのに対して、何のために研究していたのかなどと、その費やした時間に疑念を持ちかけられることすらあるかと思います。

社会の発展や流れが顕著にその国の若い世代に影響を与えていると考えるととても興味深いですね。

院に進学すると吉なのか

さて、ここからはあと少し掘り下げて院選択する学生とその卒業後について触れてみたいと思います。

先ほど、中国の学生はその高い向上心故に大学院を志す人が多いと話しましたが、全員が全員それに当てはまるかと言ったら嘘になります。無論例外はあります。
日本の立場でイメージしてみましょう。高校卒業後の進路選択で、周りの人がみんな大学に行くから、自分もとりあえずは大学にいこうと考える方、いましたね。中国ではそのもうワンステップ上でそれが起こり得るということです。大きな流れに乗り、とりあえず大学院まで来たは良いものの、大して研究が好きでもやりたいことがあるわけでも無く、ただこの学歴のために日々難易度の高い課題をこなし夜なべする学生もいます。

さぁ、たくさんの努力をして大学院を卒業して、念願の私能力高いです証明を手に入れました。満を辞していざ職に向かいましょう。ここで中国の大学院卒業生の就職率を見てみます。なんとなんと20.6%百度文章引用)あれれ?低くない?私を含めそう思われた方がいると思います。
なぜなのか。
前述した通り、中国では大学院に行くというのが大きな社会の流れになりつつあります。つまるところ、人がとても多いんです。マジョリティーに埋もれるのを避け、院まで駆け抜けたは良いものいざ立ち止まり横を見ると、結局まだ人が山のようにいます。そこでいざ勝負となっても無限に競争率が高いままなのを察するのは容易でしょう。

では、どうしたら良いのでしょう。中国のこの向上心と競争力の高さは学生に止まらず、社会人になってからも続くことがあるそうです。
そうなると、例えば自分が弛まぬ働きをして上へ駆けていこうとしてもその目印は漠然となりつつあり、今自分が切磋琢磨しているこれは徒労の努力なのではないかと感じる人も中にはいるようです。
これが近年中国で話題となっている「内卷(nèi juǎn)」という単語の意味の一部でもあります。
内卷に関してはまた機会がある時にnoteで書きたいと思います。興味のある方はGoogle先生に聞いてみてください。

日本人視点で見ると、中国のパワーは勢いが恐ろしくもあり、見習いたいものでもあると感じます。ただ、当の本人たちはそのパワー故に濁流をいく魚の様に混沌を泳いでいるのかもしれません。

選択はどこに

さて、散々人事のように話しましたが、私も中国の大学に在学する4年生。決して全く関係のないことではございません。
ここで中国に留学している学生の身にフォーカスしてみましょう。

以前の私のnoteで中国の大学を卒業した学生が、日本に戻るのと中国に残ることについて話しましたが、今回の内容を踏まえると、改めて中国に日本の学生が残る際に直面する課題の大きさを実感しております。
同時に、日本を振り返った時に安心するところもありました。日本の就活のもちろん厳しいですが、心なしか中国をみた後はそれにすら笑みが溢れる気がしました。
ただ、中国のこの競争率の高い社会で頑張ることも挑戦のしがいがあると思います。日本ではなかなか得られない刺激とたどり着けない場所へ行く大きな流れがあるのがまた魅力的な環境だと感じております。甲乙がとてもつけ難い。

いったいどちらを選ぶかは、まだ少しある時間の猶予に甘えて熟考したいと思います。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました!
今回は日本と中国の大学生の進路について少し話してみました。
いかがでしたか。
資料などに少し丁寧さに欠ける部分もあり、内容もあくまで私個人の見解でございますが、あしからず。
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これからも中国のこと留学の事を中心に色々書いていきたいと思います。
よろしくお願いします!(^v^)p

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