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 箱庭図書館 著:乙一

 あとがきを読んで、一般公募された作品のリメイク短編集だと言う事がわかった。

 小説家のつくり方、コンビニ日和!、青春絶縁体、ワンダーランド、王国の旗、ホワイトステップの六作品だ。

 小説家のつくり方は日誌の覧に何を書けば良いのかわからなかった小学生が適当に物語を書いたのを先生が続きは?と言ってこれに書きなさいとノートを貰う話。ノートに書いては先生に見せると言うルーティンが出来上がって小説家になるのだが、その大事なノートには秘密があって、最後は燃やして別れを告げるのだった。

 コンビニ日和!は夜10時で締まるコンビニに強盗が押し寄せて、警官も押し寄せて、強盗が店員に化けてと何ともハラハラする展開だが、店長の身を拘束し、コンビニ店員をしてたのは図書館員だったと言う話。店長は偽造DVDなどの販売で逮捕され店は閉店となる。

 青春絶縁体は高校デヴューを果たすために部活に入ろうとした主人公が文芸部の門を叩く。女子の先輩一人を相手にお互い小説を書いて罵り合うのだが、クラスの鈴木さんに声をかけられて真面目に小説を書いた日に先輩はその小説を一笑に付すも破きはしなかったと言う話。

 ワンダーランドは鍵を拾った少年がその鍵穴を探して扉と言う扉を試す冒険なのだが、偏頭痛持ちの殺人犯の小屋があり、そしてと言うお話。

 王国の旗はボウリング場を子供の王国として運営するミツとハチに捕まえられた女子高生の主人公がバスに乗って家に帰ると言う話。

 ホワイトステップはパラレルワールドと繋がった正月の雪の話。

 箇条書きに筋書きを書いてしまったが話が後ろに続くに連れて段々と面白いものになって行った。

 乙一さんの著作はたぶんZOOの文庫本を一度読んだ事がある。神の声と言う話が怖過ぎて頭の中に強烈に残ってる印象があった。

 なんと押井守監督の娘さんと結婚しているようだ。ライトノベルやホラー、ミステリに強い作家さんで別名義でも活動されてる模様だ。高専出身と言うのも珍しい作家さんだなとも思った。ゲーム、アニメ、ラノベにハマった時期があって夏と花火と私の死体で17歳でデヴューを果たしたそうな。

 読書好きな年下女性に乙一を読んでると言われて、乙一じゃまだ足りない、私はゲーテの若きウェルテルの悩みを読むなんて大人面した事が昔にあった。彼女はきっと乙一を本当に読んでいただろうが私は古本を買っただけで若きウェルテルの悩みは読破できなかったのを鮮明に覚えている。乙一さんの文章はやや難解である。それはホラーやミステリ作家だからだろうか、少し頭がついて行かない場面もあるのだった。

今日もコンビニにコーヒーとタバコを買いに行きます。私の唯一の楽みです。奢ってくれた方はフォローしてイイねしてコメント入れさせて頂きます。それくらいのお返ししかできませんが、ご支援して頂けると幸いです。