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 汝、星のごとく 著:凪良ゆう

 いやぁ〜面白かった。昨日、プロローグと一章を読んで、どうなるのだろうと今日予定があって、午後から手を取ったら夜中の二時まで一気読みだったぜ。なんて歯切れの良い文章を書く人だろう。澱み無く進む文章に読まされる快感。情景描写がやや大雑把ではあったがそう言う作家の力量や語彙を見せつけてインテリジェンスと読者に教養を与える部分、つまり読書の醍醐味と言うよりは書き手の醍醐味はシンプルに剥ぎ取って迫り来る展開とラストの涙まで、一息に恋愛を網羅した瀬戸内叙事詩と言って良いだろう。

 ネタバレなんて凄すぎて出来ない。私も感動をありがとうとしか書評としても書けない。瀬戸内の自然の中で、出会った二人の恋はどうやって帰結するのか。とくとご覧あれ。ページ数は344ページだ。プロローグに始まりエピローグまで読んだ時、貴方は鮮烈な男女の恋の葛藤に何を思うのか。

 作家の見せ所の情景描写が足りないなどと辛い事を書いたが人生の矜持となる日々鈍臭い毎日を送る私にも気になる文章が幾つもあった。文章が綺麗だ。そして心に身につまされる名文が宝石のように散りばめられてる。

 これはお金掛けて買って読んだ甲斐があったね。他の著作まで気になってしまうよ。

 20周年本屋大賞受賞作だけど、この本はそれだけじゃない。直木賞の候補にもなってるし吉川英治文学新人賞の候補にもなっている。本屋大賞二度の受賞は彼女だけの快挙だ。(恩田陸さんも二度の受賞歴がありました。訂正させて頂きます。)

 今年の冬の芥川直木賞4冊読んだが断然こっちの方が面白いし、意義深いし、ロマンチックだし、感動するね。芥川直木賞は世相を反映してるかとか純文学で読み難かったり、直木賞だって古典を反映してるかとか参考文献の量とか、作家として君頑張ったね大賞になってて、読者無視感が多分にある。私が選考委員だったら『地図と拳』じゃなくて『汝、星のごとく』が直木賞受賞作だったね。

 本屋大賞は本屋の店員さんが選んでるだけあって間違いない。また好きな作家が増えてしまった。さらに言うとまだ作家歴が浅い作家さんで本数もそんなに出てない。全部追っ掛けられない訳じゃない。お金と相談しなきゃだけど他の作品も読みたい作家だ。

 又吉さんも火花から始まって劇場、人間、月と散文、第二図書係補佐、と読んでてコンプリートできそうなので共著は除いて注文して手元にあるが、凪良ゆうさんも他の作品を図書館で探そう。無ければAmazonで買うしかない。

 病院の先生に中上健次も薦められたし、また読書熱が加速しそうだ。

 作家さんって本当凄いな。俺は一生かかってもなれないのかな。やっぱり花形職業やんね。難しい夢に挑戦してるわ。

 こんなに完成度の高い物語読まされると、撃沈されて圧倒されて尊敬しかできない。

 一生私は読書家でレヴュワー止まりが良いとこかもな。

 以上

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