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 一千一秒の日々 著:島本理生

 風光る 七月の通り雨 青い夜、緑のフェンス 夏の終わる部屋 屋根裏から海へ 新しい旅の終わりに 夏めく日 あとがき となっている。短編かと思いきやラストの夏めく日以外は相関関係があって違う主人公にスポットライトが当たる話しで地続きになっている。219ページで雑誌の連載をまとめた物のようだ。

 筋書きも面白いし、情景描写も繊細で光ってたし、ラブストーリーだし、読み切りになってるのも読み易かったし、会話も文章のテンポも心地良い。巻末に立教大学文学部在学中とあった。もうきっと卒業してるのだろうけど、やっぱり文藝賞獲って文学部出てたんだと改めて思う。『ヨル』『シルエット』『リトル・バイ・リトル』が初期の作品のようだ。どれも文藝賞を獲っている。『リトル・バイ・リトル』は芥川賞候補作に選ばれてる模様だ。

 私があらすじなんか書いてしまったら読む楽しみが無くなってしまいそうなので割愛するが高校大学と成長する男女の複数人の物語だ。夏の終わる部屋が私は一番切なかった。でも主人公の真琴は最後ハッピーエンドである。

 図書館で借りて来た中で一番読みたい『ヨル』『シルエット』『リトル・バイ・リトル』は借りられなかった。蔵書としてあるかどうかも怪しい。小学校の頃から小説書いてたって言うのが段違いやなぁって思う。15歳で『ヨル』でデビューだよ。凄い作家さんだ。

 そして、読み易いし、書いてくれるテーマもミステリーじゃなくて恋愛小説だ。これはピタリと私にハマった。今度全巻制覇するのは島本理生さんに決定だな。この本も読んでて不思議と穏やかな気持ちになった。男女の葛藤を繊細にありふれた恋愛を美しく。カッコいいなぁ島本理生さん。

 次は夏の裁断を読もう。

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