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型を揃える casting it to the type

【免責事項】この記事の筆者にはC言語とVBAのプログラミングをわずかにやったことしかありません。具体的には、FizzBuzz程度です。またこの記事はプログラミングの個別の知識を提供しません。

人が何かを「考える」というときは、何かと何かを関係づけるのである。例えば、文字 letter を連結 joint して単語 word をつくり、単語を連結して文 sentence/statement をつくり、文と文とを連結して文章をつくるのである。これは連結という関係付けである。また、連結された複数の文字(=文字列)に対してそれが何を意味するか、指示対象との関係づけを発見したり、文章からその構造 structure やどの部分が価値があるかを識別するといった関係づけもある。さらに、数 number と数とを足したり引いたり、計算することも関係づけである。このような関係づけによって、一定のもっと複雑な構造や計算結果を取得することが広い意味での「考える」ということである。

しかし、「考える」というのは関係づけることの中でも特に「秩序だった」 organized ものを指すだろう。ではこの秩序立てられたとか組織化されたとかいった特徴づけにはどのようなものがあるのだろうか?

それには様々な規則があり得る。例えば事実を指す文と単なる単語の連想によって空想された内容を指す文とは区別されるし、事実を指す文を作成することの方が真理探求としての「考える」に近いであろう。

また、関係づける2つの項は同じ資格(=型)を持たなければならないというのもそのような規則である。例えば、3と4とを足すことはできる。つまり、3+4=7 あるいは +(3,4)→7 である。これは3と4とに対して加算という関係づけを与えると新たな数7を取得できるということである。これはそのような定義が加算に与えられるから可能なことである。一方、3と馬とを足すことはできない。なぜならば、3は数で、馬は動物だからである。あるいは、豚と馬を比較して交配可能かと問うこともできる。そうすると交配はできないという結果を取得できる。なぜならば、それは豚も馬も動物であり、2頭で有性生殖する種類だからである。このように、関係づけするときは関係づける2つの対象の型を揃えることを「Apple to Apple」というキャッチフレーズで表すこともある。これは何かと何かを比較するときは、同じ型を持った対象同士を比較すべきであり、アップルはオレンジと比べるべきではなくアップルはアップル同士で比較すべきだという話である。

こうしたことは当然かのようにも思われるかもしれない。だが、例えば、算数の文章題でも「りんご3個とみかん4個であわせていくつ?」と質問するとなんとなく「7個」と答えてしまうが、「みかん4個からりんご3個を引くといくつ?」とたずねると急に減算の規則が思い出されて違和感が出てくる。このことは我々が型に思いのほか鈍感であることを暗示している。

(1,247字、2024.05.10)

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