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花束みたいな恋をした

花束みたいな恋をした、観ました。 映画って正直長いので2時間の間に集中力切らして中断することが多々あるのですが、この作品はテンポが良くて2時間あっという間でした。面白かった〜 まず冒頭の、イヤホンのRとLを恋に例えた二人の台詞でぐっと心を持っていかれました。そうなんだよ、一つの恋を分かち合っているのではなく、恋は2つあるんだよ!と同意。この映画は、別れたあとの二人がそのことに気付くまでの過程だと言えます。 ふたりは趣味がとても良く似ていて、出会ってすぐに意気投合。様々な場

    • デ・キリコな夏休み

      シフトが入っていないのにうっかり仕事場に来てしまった日。せっかく朝から支度をして外に出ているのだから、そのまま帰るには勿体無く、その足で東京都美術館へ向かいました。デ・キリコ展がそろそろ終わってしまうけど、いつ行こうかなと考えていたところでした。一時間前まで仕事をする気でいたのに、なぜか上野を歩いているのは、不思議な感覚でした。 デ・キリコは学校の美術の教科書にも載っていますし、絵画にさほど興味のなかった頃から知っていて、強く惹かれる画家でした。有名な形而上学的絵画の作品群

      • 旅嫌い/7月3日

        必要があって、海外のビーチの画像をいろいろと探していました。地理に疎く海外旅行もしないので、イメージに合うビーチを探すのは難航しました。chatGPTに聞いてみると、ちゃんと参考になる情報をくれました。 以前何らかの質問をしたとき、随分でたらめな回答をされたので、まだまだ当てにならないなと思っていたのですが、chatGPTが日に日に進化しているということでしょうか。それとも質問の内容によるのでしょうか。 海外の素敵な街並みと美しい海の写真を見ていると、いつか行ってみたいと

        • 本が読めない/7月2日

          書店で、好きなタレントが帯コメントを書いている本を発見しました。「帯コメント書きましたよ」と発表されたときから気になっていて、買おうかしら……と考えていたのです。 でも私は近頃めっきり本を買わなくなりました(漫画はちょこちょこ買っておりますが……)。私は本を読む体力みたいなものが全然ないので、読むのは遅く、最後まで読みきれないことが多いです。小説やエッセイなら、中盤から終盤あたりで何故か読むのをやめて放置しているものが多く、新書や人文系一般書、古典などは序盤までしか読めず放

        花束みたいな恋をした

          好きなものは多いほうがいい/7月1日

          たべっ子どうぶつチョコビスケット(たべっ子水族館ではなく)は、ここ最近出会ったお菓子で最も美味しい美味しいと喜んで食べたお菓子でした。なんとなくネットで検索し、廃番になっていることを知ってから、勿体無くて取っておいた一箱をついに最近開封し、今日食べ終えてしまいました。もっと食べたかったです。 宮田ナノさんの『もしもし、こちらは夜です』を読み終えました。整ったきれいな配色のイラストが目に留まり気になっていた作家さんでしたが、新刊発売でついに購入しました。夜にまつわる子供の頃の

          好きなものは多いほうがいい/7月1日

          秋元奈美『ミラクル☆ガールズ』感想

          秋元奈美『ミラクル☆ガールズ』は、幼少期の私の一番のお気に入りの漫画でした。いつしか手放してしまったのですが、最近になって古本で購入し、全9巻を読み終えました。 超能力を使うことができる双子の姉妹が主人公の物語。ふたりは性格も能力も正反対ですが、とても仲良し。心を一つにすると、テレパシーやテレポートができるのです。彼女たちはたびたび超能力を求める科学者などに狙われますが、平穏な日々を守るために奮闘する……というのが、ストーリーの主軸です。以下、『ミラクル☆ガールズ』の好きな

          秋元奈美『ミラクル☆ガールズ』感想

          ずっと物語を描きたがるのだろう

          noteを書くハードル、日記を書くハードルが自分の中で上がってしまい、なかなか書けずにいました。あえてくだらない内容を簡単に書いてみることで、自分の中のハードルを取り払おうと思います。 ありがたいことですが、近頃は仕事が忙しく、仕事をしない日はないほどです。本来ならこの時間も仕事にあてなければまずいのですが、いい加減仕事に飽きてきました。そして、言葉を使いたい!という気持ちが高まっています。 忙しい中で文章が書けなくなり、更に様々な事情で人と会話することも減りました。日々の

          ずっと物語を描きたがるのだろう

          最近観た映画/『テーラー』『真珠の耳飾りの少女』

          生活がてんやわんやで、すっかり更新できなくなってしまいました。3月はちょこちょこと更新することができ、継続的に文章を書ける人間になれたんだな私は、と思っていましたが、単に暇なだけでした。 それなので、最近観た映画とその感想をまとめて記録しておきます。結末までのネタバレを含みます。 『テーラー 人生の仕立て屋』 父親からスーツの仕立て屋を継いだ主人公。しかし高い仕立てスーツの売れる時代ではなくなり、店は潰れる寸前。主人公はスーツの移動販売を始めますが、それをきっかけにウェディ

          最近観た映画/『テーラー』『真珠の耳飾りの少女』

          豊嶋康子 発生法 天地左右の裏表/東京都現代美術館 前編

          2月末に東京都現代美術館に行きました。現代美術については知識がなく、避けてきた分野でした。しかし、近いうちに主要な都内の国立・都立の博物館、美術館を制覇しようと思い立ち、現代美術館にも行ってみることにしました(残すは国立西洋美術館、国立近代美術館、あと東京国立博物館には何度も行っているのに、平成館、法隆寺宝物館、黒田記念館に入ったことがありません)。以外、展示を見た感想です。 豊嶋康子 発生法 天地左右の裏表 今回一番初めに鑑賞しました。以下は印象に残った作品3つです。

          豊嶋康子 発生法 天地左右の裏表/東京都現代美術館 前編

          映画『ムーンライト・シャドウ』感想

          映画『ムーンライト・シャドウ』を観ました。以下、結末までのネタバレを含みます。ご注意ください。 あらすじ 失くした鈴を探すさつきと、それを拾った等が出会い、恋に落ちる。等の弟である柊と、その恋人のゆみこを含む、四人で楽しい時間を過ごしていく。しかし、ある日突然、等とゆみこは交通事故で亡くなってしまう。悲しみで食欲を無くし、一心不乱に走るさつきと、ゆみこの制服を着ることで彼女の死に向き合おうと努力する柊。二人は、満月の夜の終わりに死者と会うことができるという月影現象に興味を持

          映画『ムーンライト・シャドウ』感想

          特別展〈癒やしの日本美術〉/山種美術館 感想

          1月に、山種美術館の特別展〈癒やしの日本美術〉を観ました。2023年はろくに美術展に行けなかったので、とても久しぶりの美術展でした。 山種美術館は初めてです。浮世絵は好きで時々見に行きますが、日本美術全般にはあまり関心が持てずにいました。しかし最近、近代日本美術の本をいくつか読んだこともあり、〈癒やしの日本美術〉というキャッチーで軽い響きに惹かれて、今回鑑賞に行きました。「癒やし」というテーマなので、時代も作風も幅広く、いろいろなものが見られるのが面白かったです。 以下、い

          特別展〈癒やしの日本美術〉/山種美術館 感想

          人がすることはすべて自然現象かもしれないけれど/映画『太陽の子』感想

          映画『太陽の子』を観ました。 あらすじ 原子核爆弾の開発を急ぐ若き研究者たちは、みなそれぞれに葛藤を抱えていました。お国のためにと研究に邁進する者、その地道な歩みにしびれを切らし、研究ではなく他の多くの若者と同じように戦地で戦うことを希望する者、科学の力で多くの人を傷つけることになる未来を恐れる者。主人公の修は、とにかく物理学と実験が大好きな青年であり、強大な力を持つ原子核の研究に純粋に魅了されていました。彼は知的好奇心に突き動かされ、研究に没頭しています。 しかし、その

          人がすることはすべて自然現象かもしれないけれど/映画『太陽の子』感想

          未来よりも美しい過去/映画『ラ・ジュテ』感想

          映画『ラ・ジュテ』を観ました。以下、結末までのネタバレを含みますのでご注意ください。 あらすじ 第三次世界大戦後、核戦争の結果、人々は地下で暮らす。勝利国の科学者は、敗戦国の捕虜を使った怪しげな人体実験を行っていた。その被験者となったものは皆、精神が崩壊するか死ぬかのどちらか。子供のころに見た、あるひとりの女性の姿と、直後にそばにいた男が死ぬという記憶に執拗にとらわれる男が、その被験者に選ばれる。科学者たちは、過去と未来に救済を求めるため、人の記憶を用いたタイムスリップを試

          未来よりも美しい過去/映画『ラ・ジュテ』感想

          編み物やってみたい/映画『YARN 人生を彩る糸』感想

          映画『YARN 人生を彩る糸』を観ました。 4組のヤーンアーティストの活動を追うドキュメンタリーです。 ティナとオレクは、アーティストであろうとする意識が強くあるという印象でした。ティナは女性の巧みな手仕事が家の中に埋もれて忘れられてゆくことを嘆き、街をカラフルなニットで彩っていきます。ときにはそれが、政治批判の許されぬ環境で無言の自己表現として機能します。 作品の印象としては、オレクのニットが強く残りました。全身タイツのようにニットをまとったパフォーマーが街に繰り出す

          編み物やってみたい/映画『YARN 人生を彩る糸』感想

          物語のバランスを考える/映画『ラブストーリー』感想

          映画『ラブストーリー』を観ました。以下、結末までのネタバレがあります。ご注意ください。 あらすじ 女子大生の主人公は、友人の想い人である先輩へのメールを代筆していた。母の旅行中、母の荷物の中から昔の日記と手紙が見つかる。 ジュナは、子供の頃に田舎で出会った少女、ジュヒのことが忘れられなかった。数年後、友人のテスの許嫁として、ジュヒに再会する。始めはテスの手紙の代筆という形で関わっていたジュナだったが、後に正式に再会した二人は惹かれ合い、テスに隠れて秘密の交際が始まる。良心の

          物語のバランスを考える/映画『ラブストーリー』感想

          映画『猟奇的な彼女』感想

          猟奇的な彼女を観ました。以下、結末までのネタバレを多分に含んでおりますのでご注意下さい。 あらすじ 主人公のキョヌは、酔っているところを介抱したことをきっかけに"彼女"に出会う。失恋したという彼女の抱える深い悲しみにキョヌは寄り添い、二人は友達として交際をする。横暴だがはっきりとしていて正義感の強い彼女に惹かれるが、彼女の傷が癒えれば、自分は必要がないと考えるキョヌ。彼女のお見合いに呼び出された日を境に、二人は別れの準備を始める。手紙を書き、タイムカプセルに埋め、2年後に再

          映画『猟奇的な彼女』感想