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ヘイトフル・エイト

私の初タランティーノ作品。観たことあると錯覚するほど、そこかしこで名前を聞く監督だ。リストには作品が山ほど入ってるけど、なんとなくミステリーが観たい気分だったので本作をチョイス。

大雪で閉ざされたロッジが舞台の西部劇ミステリー。ミステリー要素にはやや物足りなさを感じたけど、十分に楽しめた。西部劇とあって画面が常に渋くて格好いい。サミュエル・L・ジャクソンは勿論だけど、ジェニファー・ジェイソン・リーの格好良さが一際輝いていた。野蛮、下劣、粗末、無様、その辺の言葉が全て当てはまるようなキャラクター。目の周りには黒々とした痣、女だからと手加減される事などなく殴られて鼻血まみれ、そんな顔してウインクし、垂れる鼻血を舐め微笑…痺れた。そんな痛々しい顔へ更に汁物や血飛沫を浴びせられる。常に汚い。唯一の女性の登場人物がこの扱いなのがとても面白かった。そう言えば、彼女の歯が折れる件があったけど、あれは本当に折れていたように見えた…加工には見えなかったんだよなぁ…。心も体も極限まで汚れた彼女(心は初めから汚れている)がギター片手にしゃがれた良い声でしっぽり歌い上げちゃうんだから、もうこれは彼女の映画と言っていいのではないか。もう一回観よっ。


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