#14 靴とともに生きる【書評】シュードック shoe dog

◾️要約

フィル・ナイト。彼の人生(ナイキの興隆)を描いた本である。
彼は常にアスリートだ。勝負に勝つための努力を厭わない。勝負の中での研鑽に価値・喜びを見出す。
単にビジネス、と言う言葉以上のものがある。
躍動感、反体制、ファッショナブル。ナイキとはその象徴であった。
それを体現し、確固たるブランドを築いた起業家の話である。


◾️感想

ナイキのことはよく知らなかった。サッカーをやってたのでなんか勝手にブランドとしてはadidas:本流、ナイキ:チャラい、的な考えを持っていたが、違った。実はナイキこそ、ロック。型破りだった。
昔は今ほどランニングや体を動かすことが市民権を得てなかった。アメリカであっても。これは結構驚きだった。東京が昔路上ゴミが酷かった、と言われて、今は世界に誇れる綺麗なTOKYOだから想像がつかないのと同じく(?)、アメリカは体を動かすのが当たり前で、みんな広い土地でスポーツをしているイメージがあったから。
プリフォンテーンさんって凄かったんだろうな。

◾️オススメ

創業者の自伝的本であり、新しいビジネスを考えている人にオススメ。
何かを成し遂げるには正しい閃き(日本のシューズをアメリカで)と、心強い仲間(バウワーマン、バッドフェイスの面々)と強い意志(靴を売っているのではなく文化を創り上げている)が必要。
そして運命も(世界最古の靴が発見されたオレゴンが彼の出身地など)必要。

◾️要約(詳細)

【主な登場人物】
 バウワーマン:共同創業者。伝説のコーチ。厳しさと靴へのあくなき改革欲、さらに実験を積み重ねる精神力を兼ね備えている。
 ヘイズ:天才的な会計士。彼は会計を芸術にした。すべてが規格外。おっきい。
 ジョンソン:正社員1号。手紙魔。内向きだが力の向きを正しく扱えば彼以上にナイキに没頭する人はいない。
 ウッデル:バウワーマンの教え子。不慮の事故で車椅子生活に。だが彼に希望を与えたのがのちのナイキとなる会社での仕事だった。
 ペニー:人生の伴侶。大学講師の際の生徒。
 フジモト:日商岩井の社員でバックと仲良くなり、スパイに。
 プリ・フォンテーン:偉大なアスリート
 ストラッサー:最強弁護士

※それぞれが強くて個性的でかっこいい。こんな仲間にどうしたら会えるのか。強い意志が導いてくれるのか。

◆第一部
 ナイキ創業期のストーリー。
 オニツカの靴を輸入し、展開する事業をブルーリボンという会社で始める。
 それを日本でオニツカに話しした際はまだ会社は存在していなかった。
 獲得したお金はすべて成長のために回しており、純資産がない中で必死にビジネスを続けた。
 アメリカでの販路を築きながら、並行して靴の開発を行い、
 オニツカとの法廷抗争を経て、独立していく物語。

※大学卒業後、世界を回る体験をしており、ここで得た知見がその後に大きく影響している。それもなんかいい。放浪、自分探し的な時期って必要なのかもね。

◆第二部
 ナイキの拡大期のストーリー。
 順調にアメリカ国内での売り上げを伸ばし、さらに中国進出、そして株式公開へ。
 途中、競合相手から官僚を巻き込んだ抗争にあいながらも必死に乗り越えていく物語。

※ブランドとして拡大していく際のアスリートとの細かな話はあまりないけど、CM,メディア戦略、タイアップなどそれはそれですごい活動があって今のナイキがあるんだろうな。

◾️勝手にQ&A

?なんでこのビジネスアイデアを考えた
→ビジネススクールで当時、カメラ業界で圧倒的な地位を誇るドイツ製品に食い込んだ日本製品があった。その内容を靴に展開しようとした。

?なんでオニツカとの裁判に勝利した
→正直者イワノの証言がポイントに。キタミは英語話せるのにあえて証言台では英語を話さず、心証が悪いことも影響したと思われる。
  
?アメリカンセリングプライスとは
→アメリカの法律で、ナイキの躍進を妬んだコンバースなどがそれを利用して、輸入関税を過去にわたって払えと言ってきた。

?弁護士と会計士が多いな
→頭の良さが保証されているからとのこと。ただアパレルをやるにはセンスが必要で頭が良ければいいわけではない。

?中国へ進出については
→10億人の足がある魅力的な市場。進出には日本→香港→中国と段階を踏んだ。
 
?経営課題への対処は
→”バッドフェイス”という幹部合宿で決定した。

?ナイキの代名詞、”エアー”はどう始まった
→研究者が売り込んできたことから始まった。普通は却下するが、実際に履いてみて、これはモノになるかも、と感じた。そして開発を指示。

?何がすごいか
→ジョーダン、コービー、タイガーらのスーパーアスリートとのタッグで彼らが世界を変えるプレーをするのとその時に履いていたもの、使っていたものとしてブランドが認知されていった。また企業家精神がブランドに乗り移り、ブランド以上のものとなっていた。

?シュードッグとは
→靴に全てを捧げる人々。靴とはどこへいくにも必要なものであり、スポーツをする際の助けとなるものでもある。そこには人生をかけるだけの価値がある。


◾️アクション

自伝を読んでのアクション、、、難しいな。
ビジネスアイデアを書き溜めよう。これだと思ったものを探そう。

◾️読みやすさ

結構分厚い。が話は面白く意外と早く読めましたので、読みやすいと思います。
(興味が湧くかどうかですね。)

◾️ハッシュタグ

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