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【3分間ブックレビュー】No.004/スマホ脳

<3分間ブックレビューとは?>

この記事では、ビジネス雑誌などを中心に20年近くにわたり執筆を続けるフリーライター・ひらっちが、過去の名著や話題の一冊などをピックアップし、3分でサクッと読めてちょっぴり役立つ情報をお届けしています。

今日の一冊・・・『スマホ脳』

今日は『スマホ脳』という本をご紹介します。「スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」。そんな刺激的な文章を帯に書いた新書ですが、最近、ものすごく売れているようですね。

みなさんも、普段の生活のなかで「スマホが悪影響を及ぼしている」と感じた瞬間は、少なからずあるのではないでしょうか?

今や現代人にとって欠かせない存在となっているスマホ。確かに生活を便利にしてくれる側面があるのは否定しません。けれど、その利便性の裏には、さまざまな弊害がある。特に、私たちの脳にはかなりの悪影響があるということを、最新の研究結果から解き明かしてくれるのが本書です。

なぜスマホが悪いのか? それは人類の歴史と密接に結びついています。私たち人類の長い歴史を振り返ってみると、そのほとんどを「狩猟」や「採集」をして暮らしてきました。スマホが誕生してからの時間は、人類の歴史全体から見れば、わずか99.9%。人間の脳がデジタル社会に適応できないのは、無理からぬ話なのです。

今、スマホ依存が社会問題化しているのは、この「狩猟採集時代」に最適化された脳の仕組みに由来しています。人間は、進化の過程のなかで、新たな情報を得ることでドーパミンが放出させる仕組みになっています。これは、危険がたくさくある環境下で、周囲を注意深く見て、生存率を高めるためには合理的な機能でした。ところが現代では、多くの企業がこの脳の機能を巧みに利用し、新たな情報を次から次へとスマホの画面に送り込むことで、多くの人を中毒に至らしめている、というわけです。

SNSも大きな弊害をもたらしています。一見すると、ネット上で多くの人とつながり、孤独感の解消につながっていると思われがちですが、調査結果はそれを明確に否定します。約2000人のアメリカ人を調査した結果、SNSを熱心に利用している人の方が、明らかに孤独を感じていることが分かったのです。逆にリアルに多くの人と出会っている人の方が、幸福感が増していた。この調査結果には「そうだよね…」と同意する人も多いのではないでしょうか?

なんとなく結果を想像できる内容が多い本書ですが、それでも、科学的な知見に基づいた「スマホの悪影響っぷり」を改めて知ることで「距離を置いた方がいいな」と思える効果は十分期待できると思います。

スマホが生活に役立つことは、疑いの余地はありません。でも、依存するような状態になれば、思っている以上に日々の生活を破壊しかねない。結局のところ、「何事もほどほどに付き合うのがいいね」ということなんでしょうね。「私、ちょっとスマホ中毒気味かも…」という方は、デトックスのためにご一読いただくといいかもしれませんよ(^^♪


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