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満月ガスとバス【毎週ショートショートnote】

快晴と満月みつきは兄弟だ。
兄の快晴が生まれた日は、雲ひとつ無い抜けるような青空の日だったから「快晴」。
満月は窓の外に綺麗な中秋の名月が見えた日に生まれたから「満月」。
親の名付けセンスはどストレートだった。
快晴が生まれたときは、家族は商売をしている母親の実家に住んでいたから、祖父母や伯父、従業員の人たちにさんざん構われた。
大人に囲まれていたから、話し始めるのも色々なことを覚えるのも早かった。
満月が生まれてからは、親が実家からすぐ近くの場所に家を買ったので、満月の遊び相手は兄だった。
兄は弟に絵本を読んだり、歌を歌ったりした。
伯父たちに教えられた早口言葉も気に入っていて、満月にも教えていた。

「じゃあ、もう一度」
「ガス、バス、ばすはつ。ブス、ガス、ガイド」
「みっちゃん、違うよ!バスガス爆発、ブスバスガイド。ボスゲス人間、ドスデスゲーム、だよ」
「バスガスがすはつ、ブスバスばいと?」
「違~う!」
今日も兄弟の楽しそうな声が響く。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加します。
お題は「満月ガスとバス」です。

満月とかバスとか、もっと幻想的だったりロマンティックなお話が書けそうなお題なのですが、羽根宮はなぜかこうストライクゾーンを外したものを書こうとする傾向があります。はい。

昨年参加した【毎週ショートショートnote】をまとめたものに参加できなかったお題を加えて、文学フリマ東京用の本を作ろうかと思っていたのに、全然作業が進んでいません。
初めての本作り。完成することができるのでしょうか。不安。


今までに【毎週ショートショートnote】に参加したものはこちら


読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。

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