Workshop Aid(世界三大宗教のリレーコラム)

仏教・キリスト教・イスラム教が集い「宗教者にできること×ワークショップができること」を…

Workshop Aid(世界三大宗教のリレーコラム)

仏教・キリスト教・イスラム教が集い「宗教者にできること×ワークショップができること」をテーマに活動中!! お知らせや宗教ニュースなどを発信していきます!

最近の記事

メタバース霊園の爆誕!にモヤる件

メタバース事業を展開するHIKKYと、葬斎センターなどを運営するアルファクラブ武蔵野が、9月11日、メタバース空間内で故人の思い出の写真などを閲覧でき、友人や家族と一緒に供養できる霊園「風の霊」のサービスをスタートさせた。 思い出の写真を閲覧?ならば既存のサービス(クラウドで写真を共有するなど)で事足りているのではないか?と思うが、リアルでの葬儀に参列できなかった弔問者がお別れの会として参加したり、年忌法要や墓参りの場としての利用を想定しているのだという。 SNSでは 「

    • 健康不安を抱える40代クリスチャンがスパルタンレースに参加し「スパルタカス」の精神に触れた気がした話

       気がつけば、このWorkshop Aidのメンバーも全員が40代となり、先日も久々に集まったかと思えば、「今、自分がどれだけ不健康なのか」という自虐が話題の中心となってしまった。かく言う筆者も、痛風の発症やコレステロール値の上昇など、健康不安については枚挙にいとまがない。  とは言え、まだまだ42歳。健康不安を抱えたままの人生が良いはずが無い。そこで、半年ほど前から、本格的にトレーニングや食事の改善に取り組みはじめた。今では、体脂肪率もグッと下がり、20代の頃に戻りつつある

      • イスラムは女性の運転を禁止してるのか?

        前回のコラムでは日本国内でもムスリム女性がヒジャーブを被ったまま運転免許の証明写真の撮影が可能になったことを紹介した。 このコラムを読んだ人の中には「そもそもイスラムでは女性の運転が禁止されていなかったけ?」という疑問を持った人も少なくないはずだ。今回はその疑問に答えていきたいと思う。 事実、2018年6月までサウジアラビアでは女性が車の運転をすることは禁じられていた。  車の運転が解禁された際、多くのマスコミでは「イスラムの厳しい戒律によって車の運転は禁止」と説明され

        • 時代の波間に消える影〜「イエスの方舟」に見る、メディアが報じる宗教事件と社会の関心の波〜

           安倍晋三銃撃事件から2年が過ぎた。犯行の原因となった旧統一教会への恨みや憎しみに繋がる、教団の実態や違法性が明らかとなり、教団の支援を受けていた自民党を巻き込んだ大きな社会問題に発展している。ところで、こうした宗教団体を巡る事件は、その特異性とともにメディアに大きく取り上げられるものの、隔世の感があるのか、世間の関心が低下するのもあっという間である。40年以上前に、世間を賑わせた宗教団体「イエスの方舟」も、その1つである。 「イエスの方舟」とは 「イエスの方舟」は、19

        メタバース霊園の爆誕!にモヤる件

          ご利益ブーム?!に何を想う

          明治神宮、成田山新勝寺と次いで、初詣の参詣者数ランキング全国3位を誇る川崎大師・平間寺(へいげんじ)。この超有名寺院では、今年の5月の一ヶ月間、10年に1度の大開帳が奉修されていた。 この大開帳の期間限定で、特別に授与されていたのが、「赤札」と呼ばれる護符である。 筆者の寺も川崎大師・平間寺と同市内に位置するので、その熱狂は耳に入ってきた。実際に赤札をゲットすべく並んできた、と武勇伝(?)を語って聞かせて下さる方もチラホラいて、そうした話を聞くにつけ、大変な賑わいが想像で

          ムスリム的 運転免許証の更新!

          先日、誕生日が近くなり免許証更新の手紙が届いた。18歳で自動車教習所に通い、数ヶ月をかけて運転免許を取得はしたものの20年以上も電車での移動ばかりで完全なる「ペーパードライバー」として過ごす日々が続いている。もはや身分証明書としての使用用途しかなくなった運転免許証ではあるものの失効するわけにもいかないので渋々ながら更新に行ってきた。免許を取得してから現在まで「無事故・無違反」のゴールド免許保持者なので更新は実に5年分ぶりだった。 免許センターに着き更新の手続きを進め、証明写

          コロンブスの功罪と感覚のズレ〜Mrs. GREEN APPLE 新曲MV炎上問題に際し〜

          人気ロックバンドMrs. GREEN APPLEが公開した新曲ミュージックビデオ(以下、MV)が「差別的な表現を含んでいる」として、大きな波紋を呼んでいる。 上記、「コロンブス」と題された新曲のMV(※既に非公開)には、コロンブスらの歴史的な著名人にメンバーが扮し、訪れた島民と交流をするという姿が描かれるのだが、問題はその描写にある。島民を「サル」のように描いていたり、その「サル」に人力車を引かせたり、文明を教えたりと、15世紀に行われた土地の侵略や奴隷制度を肯定するよう

          コロンブスの功罪と感覚のズレ〜Mrs. GREEN APPLE 新曲MV炎上問題に際し〜

          幽体離脱のはなし

          万難を排して参加しよう、と数ヶ月前から予定していた仏教の勉強会があった。にも関わらず、体調不良に陥ってしまった。 朝のうちに「少し仮眠をとれば行けるに違いない」と横になったつもりが、目が覚めたのは、よもやよもや勉強会開始5分前。 未練と不甲斐なさとで、主催の方にお詫びのご連絡をし、また床についた。結果、その後も数日間は病床に臥せていたので、欠席は妥当な判断だったわけだが、そこで、不思議なことが起こった。 会へ誘って下さった大先輩から、1通のLINEが。 「あれ?会場で

          クラウドファンディングの重み

          はじめてクラウドファンディングを実施した。これまで幾度となく支援者としてプロジェクトを支援したことはあったけれど、自分が実施するのははじめて。数ヶ月かけて仲間たちと議論し、運営業者と作成から公開まで細かな調整を重ねた。 立ち上げたプロジェクトはこちら。 筆者の寺に続く風習をドキュメンタリー映画にしよう!というもので、運営業者とのやりとりでネックになったのは、このプロジェクトが「宗教行為にあたるかどうか?」だった。クラウドファンディング大手の注意書きを見てみると、「宗教行為

          クラウドファンディングの重み

          AIの未来に、キリスト教会は一石を投じられるのか?〜ローマ教皇のG7参加に関して

          今年6月にイタリアで行われるG7サミットに、ローマ教皇フランシスコの参加が明らかになった。これは、G7会議の歴史の中でも初めての出来事だという。しかも、特に興味深いのは、AI=人工知能に関するセッションに出席するということだ。 急速に拡大しつつあるAI技術については、以前、ChatGPTの関連で本コラムでも触れたが、実は、カトリック教会は、かねてよりそのAI技術の誤った使い方について警鐘を鳴らしており、2020年には「AI倫理に関するローマの呼びかけ」として説明責任や透明性

          AIの未来に、キリスト教会は一石を投じられるのか?〜ローマ教皇のG7参加に関して

          鳥山明氏の遺産〜「ドラゴンボール」を通じて見る文化と宗教の架け橋

           3月初旬、漫画家 鳥山明氏が亡くなった。氏と言えば、「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」といった数々の名作漫画作品の他、「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインを手掛けるなど、マンガやアニメ、ゲームといった世界に誇る日本のポップカルチャーの土台を作った一人と言っても過言ではないだろう。「ドラゴンボール」や「ドラクエ」で育ってきた我々世代にとってヒーローや勇者像は、彼の描くものをイメージする人も多いのではないだろうか。  「ドラゴンボール」は、中国古典「西遊記」からイン

          鳥山明氏の遺産〜「ドラゴンボール」を通じて見る文化と宗教の架け橋

          LGBTQ マレーシア動く!

          先日もムスリムから見たLGBTQについてのコラムを書いたばかりだが、マレーシアで大きなターニングポイントになる事例が起きたので紹介しておきたいと思う。 人口の大半をムスリムが占めるマレーシアで「同性愛」は違法とされており、最長20年の禁錮刑と定められている。2015年には当時の副首相であったアンワル・イブラヒムが同性愛行為の罪で禁錮5年の実刑判決を受けた。 2017年には政府主催で「同性愛防止の啓発動画コンテスト」を実施し、世界中で大きな波紋をよんだ。 このコンテストと同時

          夫婦のズレを生んでいる「閏年」は、暦のズレを正す為に制定されたという話〜閏年とキリスト教の関係性

           本日2/29は、私事ではあるが筆者の結婚記念日でもある。「特別感のある日に結婚しよう」という意図で2/29に入籍をしたのだが、4年に1度しか来ない閏年の記念日は、(主に筆者の)閏年以外の記念日への意識を低下させ、旦那に対する妻の不信感の要因にもなっていたりする。  それはさておき・・・、この閏年の制定には、キリスト教が大きく関わっていることは知っているだろうか。  現行の暦として世界各国で用いられている「グレゴリオ暦」は、ローマ法王グレゴリオ13世によって1582年に導入

          夫婦のズレを生んでいる「閏年」は、暦のズレを正す為に制定されたという話〜閏年とキリスト教の関係性

          最後の黒石寺「蘇民祭」へ

          先日2月17日(土)、岩手県奥州市の天台宗・黒石寺(こくせきじ)で開催された「蘇民祭(そみんさい)」に参加した。この祭りには1,000年以上の歴史があるとされ、上半身裸で下帯姿の男衆が縁起物「蘇民袋」を奪い合う伝統行事。奇祭として注目を集め全国的に有名だが、関係者の高齢化や担い手不足を理由に、今年で最後となった。 午後7時すぎに黒石寺へ着くと、表の通りまで「ジャッソー、ジョヤサ」の掛け声が響き、境内はすでに異様な盛り上がりをみせていた。 アメフト選手かラグビー選手か、とい

          映画「ゴジラ−1.0」に見る、人間と自然の関係性に関する聖書的な解釈

           先日、話題の映画「ゴジラ−1.0」を映画館で鑑賞してきた。舞台は、第2次世界大戦直後の荒廃した日本。焼け野原となりながらも復興に向けて力強く取り組む人々の前に、突如、未知の巨大生物「ゴジラ」が現れ、日本に襲いかかるというストーリーだが、やはり目を引くのは山崎貴監督が手掛けるVFX。日本映画で初となる米国アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされたことでも注目をされている。個人的に山崎監督のVFXと言えば、映画「三丁目の夕日」のほんわかとした戦後の昭和の雰囲気が好きなのだが、同

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          能登半島地震発生をうけて

          新年最初のコラムは意気揚々と今年の抱負を綴ろうと思っていたのだが、令和6年は国内外大変な幕開けとなり、呑気ではいられなくなってしまった。先ずもって、元日に発生した能登半島地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。そして亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。 筆者の寺では月に一度坐禅会を行っているのだが、先日参加してくれた女性も、ちょうど年末年始で帰省していたタイミングで能登半島地震に被災していた。 「はじめて避難警報を経験して。あれはビックリしま