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夫婦のズレを生んでいる「閏年」は、暦のズレを正す為に制定されたという話〜閏年とキリスト教の関係性

 本日2/29は、私事ではあるが筆者の結婚記念日でもある。「特別感のある日に結婚しよう」という意図で2/29に入籍をしたのだが、4年に1度しか来ない閏年の記念日は、(主に筆者の)閏年以外の記念日への意識を低下させ、旦那に対する妻の不信感の要因にもなっていたりする。
 それはさておき・・・、この閏年の制定には、キリスト教が大きく関わっていることは知っているだろうか。

 現行の暦として世界各国で用いられている「グレゴリオ暦」は、ローマ法王グレゴリオ13世によって1582年に導入されたものである。それまで広く使用されていたユリウス暦のもとでは、キリスト教徒にとって、特に重要な祝祭日である「復活祭」の日付が年々ずれていく問題が生じていた。
 これは、復活祭が「春分後の最初の満月に続く日曜日に祝われる」というキリスト教の規定が前提となるものであるが、復活祭の日付のずれはユリウス暦の累積誤差によって春分の日付がずれていくことが原因であった。
 そこで、グレゴリオ13世のもとで行われた改革では、復活祭の日付をより正確に定めるために、閏年のルールとして、「西暦が4の倍数でかつ100の倍数でない年、または西暦が400の倍数の年は閏年」とする新しい規則が導入された。これにより、年の長さが実際の季節の周期に非常に近づき、復活祭の日付が一貫して「春分後の最初の満月に続く日曜日」に行うことができるようになった。

 我々夫婦の気持ちのズレを生じさせている「閏年」が(閏年が悪いのではなく、結婚記念日を忘れている筆者が悪いのだが・・・)、復活祭の日付のズレを修正させる為に規定されたものだったことはなんとも皮肉な話。教会の祭事時期をより正確にし、秩序と調和の下に祝うことを可能にした閏年に感謝をして、夫婦の調和にも一層努力をしたい。

(text しづかまさのり)

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