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LGBTQ マレーシア動く!

先日もムスリムから見たLGBTQについてのコラムを書いたばかりだが、マレーシアで大きなターニングポイントになる事例が起きたので紹介しておきたいと思う。

人口の大半をムスリムが占めるマレーシアで「同性愛」は違法とされており、最長20年の禁錮刑と定められている。2015年には当時の副首相であったアンワル・イブラヒムが同性愛行為の罪で禁錮5年の実刑判決を受けた。
2017年には政府主催で「同性愛防止の啓発動画コンテスト」を実施し、世界中で大きな波紋をよんだ。
このコンテストと同時期にはディズニー映画「美女と野獣」の上映を巡って国内外で大きな騒動も巻き起こった。男性のキャラクター同士が愛を語りあい、その後で男同士で踊る場面が「同性愛を助長している」としていたのがその理由だった。

昨年(2023年)には世界的な時計ブランドであるSwatchが発売したレインボーカラーの時計を所持することを法律で禁止した。禁止されたのは時計本体だけでなく、包装紙、箱なども対象とされ所持した場合には最長で3年の懲役もしくは最高2万リンギ(約63万円)の罰金、またはその両方を科されるとした。

「道徳を損なう、または損なう恐れのある要素の拡散を食い止めるべく尽力している」

「LGBTQ+運動を促進、支持、常態化することで、国益を損なう恐れがある」

これまでマレーシア政府は一貫してLGBTQを許容してこなかった。
しかし、転機は突如として訪れることになった。

先月(2024年2月9日)、マレーシアの最高裁判所にあたる連邦裁判所が同性愛を犯罪と見なすクランタン州法の条項について、「無効」との判断を示したのだ。
つまり最高裁が同性愛を認めたことになる。

なぜこのような判決が出たのか詳細な背景は不明だ。しかし、当然ながら、この判決は国内外で大きな話題となり様々な意見が飛び交っている。

そんななか、今年も3月10日からラマダンが始まる。
1年でムスリムが最もモスクに集まる機会が多くなる時期だ。今年のラマダンは世界中でマレーシアでの判決やLGBTQに関する話題が多くなってくるだろう。

ラマダンが終わる4月中旬世界はどのような変化を起こすことになるのだろか?

Text by Nasser

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