幽体離脱のはなし
万難を排して参加しよう、と数ヶ月前から予定していた仏教の勉強会があった。にも関わらず、体調不良に陥ってしまった。
朝のうちに「少し仮眠をとれば行けるに違いない」と横になったつもりが、目が覚めたのは、よもやよもや勉強会開始5分前。
未練と不甲斐なさとで、主催の方にお詫びのご連絡をし、また床についた。結果、その後も数日間は病床に臥せていたので、欠席は妥当な判断だったわけだが、そこで、不思議なことが起こった。
会へ誘って下さった大先輩から、1通のLINEが。
「あれ?会場でお見かけした気がしましたが、気のせいでしたかね?お大事にして下さい。」
なんだか会話がちぐはぐしていて妙なので、尋ねると、
「いや、会場の端を、一点を見つめて青白い顔の中島さん(筆者)がスーッと通ったんですよね。見間違いだったかな。」
、、、ん?
一旦死んだかな?
いやいやいや!そのLINEを受け取った私はこの数日間ずっと寝たきりである。それをお伝えすると、
「それだけこの会に想いがあったのですかね。それとも私の末那識(まなしき、※心の働き)か。。」
と、いかにも坊さんらしい悠然たるお返事。
私も、「今度は本体を連れて参ります」と、誰目線?と我ながらツッコミを入れたくなるような返答をし、やりとりを終えたわけだ。
やっぱり、、、、
やっぱり “念” って集まってるんですよね。
きっと、良くも悪くも。
後日談、年下の坊さん仲間にこの話をしたら、呵々大笑され、
「あっち(勉強会に行っていた幽体のほう)が本体なんじゃないの?」
と私(が本体と思っている現在の自分)に向けて、合掌一礼された。
こういうやりとりが日常会話でなされるから、やっぱり坊さんって面白い種族だなぁと思ったりするわけで。
Text by 中島光信
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