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じぶんなりの、やりかたで。(『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』)

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

本屋さんにふらりとたちより、カフェで本を読むことが大好きだ。今日は、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』という本を見つけて、カフェで本を読みました。おもしろいほんだったので、ご紹介させて頂きたいと思います。

グレイト・フルデッドは、1960年代に結成されたアメリカのロックバンドです。

ローリングストーンズ

ビートルズ

ビーチボーイズ

ビージーズ

サイモンアンドガーファンクル

ジャクソン5

スティビーワンダー

1960年代に活動を始めたビッグアーティストは沢山いる。そんな中で、グレイト・フルデッドは、大ヒット曲のない大人気バンドです。

彼らのヒッピーな考え方は、今の時代を先取りしていました。

録音は自由、チケットは直接販売、メーリングリストでコンサート情報をファンに先行配信。

60年以上も前に、グレイト・フルデッドは、デジタル社会の当たり前を実践していたのです。

そんな彼らの活動をマーケットの視点から分析したのが、本著作です。

そんな著作の中で、印象に残った箇所をシェアさせて頂きたいと思います。

チケットを直接販売、コアなファンを大切に

グレイト・フルデッドは、中間業者を排除して、ファンにチケットを直接販売した。
チケット注文のプロセスを管理することにより、最も良い席が、ただちょっと興味を持っただけの人ではなく、最も熱心なファンの手に確実に渡るようにできた。ライブの情報を聞くためにホットラインに何度も電話をかけ、わざわざ郵便局までいって入手した郵便為替と返信用封筒を送るのは、ほかのチケット販売会社に電話をかけてクレジットカードで払うのと比べて、はるかにめんどくさい。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
だが、熱心なファンはそうまでして良い席のチケットが欲しいものであり、こうしてグレイトフル・デッドは、既存の熱狂的な顧客に対して最適化したのである。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

上記の通り、一見さんではなく、常連さんをグレイト・フルデッドは大切にしていました。

それにより、ファンのバンドへの愛情は深まり、深い愛情を持ったファンのコミュニティが確立されたのです。

「愛されるよりも、愛したいまじで♪」なんて歌が一昔前に流行ったが、実際は「愛することも大事だが、愛されることも大事」なのです。

その為には、目の前で大切にしてくれるファンをなによりも重要視する事が必要で、グレイト・フルデッドは、それを実践していたように思います。

自分が本当に好きなことをやろう

情熱を追い求めて仕事を選んだ人にはよくあることだが、グレイトフル・デッドの何人かは最初ものすごく質素な生活をしていた。たとえば、ガルシアは音楽とギターの演奏に心底情熱を注いでいた。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
バンドを結成する前にはギターを教えていたのだが、スズメの涙ほどの収入しかなかったので、なんとクルマの中で寝起きしていた。ガルシアは割のいい「仕事」を得るのではなく、それをやり通し、その情熱が最終的な成功に貢献した。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
初めて雇われたギグは、2夜連続で演奏する約束だったのに、最初の演奏があまりにもひどかったために、酒場のオーナーは次の夜の演奏を三人組の老人のジャズバンドに差し替えた。メンバーたちは恥入ったあまり、1日分の賃金さえ要求しなかった。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
しかも、あきらめるのではなく、彼らはスタジオでこれまでの2倍練習した。観客を魅了するグレイトフル・デッドのユニークなサウンドは、実はこのような長年にわたる試行錯誤と練習のたまものだったのだ。
『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

最近よく思うのですが、成功したほどたくさんの失敗をしています。

そして、成功したから、失敗が美談になります。失敗してそのまま諦めてしまったら、それは単に失敗で終わってしまいます。

だが、最後の最後で成功してしまったら、それまでの失敗は成功に必要だった失敗という話になるのです。

グレイトフル・デッドも同じです。

彼らは最初から演奏が上手かった、スーパーミュージシャンではありません。

もちろん、生まれた時はみんな赤ん坊だったのだから、何か熱中して取り組まなければ、だれしも何かに上達することは難しいものですが。

とにもかくも、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』は、会社で時間を過ごしてばかりな日々では忘れてしまう事を教えてくれます。

何がしたくて、何をしているのか、どんな目標に向かっているのか。

そんな事を考える上で、グレイトフル・デッドの、継続的な努力とオープンな顧客との関係性は、個人発信の社会において重要なヒントに思えてならないのです。


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