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『お金に強くなる生き方』から学ぶ、3つの事。(佐藤優著/青春出版社)

同僚との会話 ”お金持ちになりたい、それはなぜ?”

会社の食堂での会話。入社6年目の同僚とお昼ご飯を食べながら、話していた。

ワタシ:「将来的にどういうキャリアを歩みたいと思っているの?」

同僚:「お金持ちになりたいですね。好きなことをやりたいので。」

ワタシ:「なるほど。お金持ちになって、やりたい事は?」

同僚:「最近ニュースで見た、アフリカのボランティア団体が気になっているので、そういうことをやりたいと思います。」

ワタシ:「何か具体的にやっていることはあるの?」

同僚:「まだこれからです。いろいろと調べてみようと思っています。」

こんな会話をしながら、自分の人生について考えた。お金持ちになりたい、好きになりたいは、あくまで概念的な話。そこに具体性がないと、実現する確率はかなり低い。どうしたらいいものか。

本屋に行って見つけた本が、『お金に強くなる生き方』という本だった。元外交官の佐藤優氏が書く、お金に強くなる方法。この本から学んだ3つの事を今日はまとめたいと思う。

①搾取される側から、搾取される側へ

サラリーパーソンとしてそれ以上稼ぎたいのなら、起業して経営者になるしかない。つまり、搾取される側から搾取する側に回るのです。

佐藤氏は、サラリーマンで稼ぐことの限界を理解し、生きていくことを進める。サラリーマンは、会社の業績が良くても、大きく給料が上がることはない。マルクスが『資本論』で書いた通り、給料とは”労働の再生産”の為に支払われる。

だから、家族が増えれば、家族手当がつく。都心に住む必要があれば、住居手当がつく。海外に駐在すれば、海外手当てがつく。どれもこれも、みんな”労働の再生産”という考えをベースにすると腑に落ちる。

友人から聞いた具体的な話をしたい。アメリカで駐在していた彼は、駐在員の給料手当を社内規定に基づき、計算した。

すると、子どもがいない部長よりも、子供が2人いる課長の方が給与が高いことを発見したのだった。

なぜ、子供がいない部長よりも、子供2人の課長の方が給与が高いのか?それは、住居費、子供の養育費、家族手当が、駐在員の課長にはたくさん計上されるからである。その手当代を加算すると、部長よりも、課長の方が給料が高いのだ。

これは、能力の差やヒエラルキーでも説明できない。”労働の再生産”を考慮したときに、このような仕組みが成り立つのだ。

この例でわかる通り、サラリーパーソンでは、仕組みの上で働く以上、もらえる金額には限界があり、お金持ちになることは容易ではない。

佐藤氏が語るように、”搾取する側”に回らない限り、お金持ちになるゲームに勝つことはなかなか難しいのである。

②半径5mを見直そう

では、起業して”搾取する側に回れば良いのか?佐藤氏は急ぐなと忠告する。

あなたがもし正社員として勤めているのなら、決して短気を起こして辞めたり、計画もなく独立したりしないことを進める。

独立することや搾取する側に回ることは、大きなリスクもある。それは、社会というフィールドでは常に競合他社と魑魅魍魎な世界での戦いが待っているし、それに耐えうる精神的な強さが求められるからだ。

そこで佐藤氏がアドバイスすることは、”半径5mを見直すこと”。つまり、自分の身近にある人間関係・興味を再認識し、そこから副業で稼ぐ道を探す試みだ。これなら、正社員としての地位を使いながら、チャレンジすることが出来る。まさに一石二鳥の働き方といえる。

③ビリギャルは”社会のビリ(底辺)”ではないという残酷な事実

お金持ちになるためには、搾取る側に回ること。しかし、それはリスクがあるので、”半径5m”を探し、副業することの大切さを書いた。

お金に強くなる生き方として、現実を直視することも大切だ。ビリギャルの例が取り上げられていた。ビリギャルは、偏差値30台の女子高生が、猛勉強し、慶應義塾大学へ合格するストーリーだ。しかし、その背景には中高一貫に通い、裕福な両親が塾に通わせてくれるという経済的なサポートがあった。

つまり、お金のサポートが得られたからこそ、このような結果が得られやすかったとも言える。

お金持ちになるためには、副業や会社の仕組みも理解することが重要。けれども、それ以上に、現実の社会の不条理についても理解することが大切だ。本書で語られていた”ビリギャルのの不都合な真実”の話を読んで、改めて考えさせられた。

最後に

お金に強くなることは、”不都合な現実を直視する事”だと思う。お金とは何か?それをもって何をしたいのか?そのために、世の中の仕組みをどのように理解し、行動していけばよいのか?

このような質問を自分に投げかけ、自分なりの答えを見つけていく。それこそが、お金に強くなる生き方なのではないか?


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