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非日常の小さな空間。坪庭について

こんにちは!しーけんです。

建築業界に携わっていると、坪庭というものに関わることがあります。

和風庭園をメインにされている方であれば頻繁に関係するのかもしれませんが、

私をふくめ現代の工業化住宅が主な仕事の場合はその機会は限られると思います。

坪庭というのは非日常感を体験させてくれるものだと思うのです。



坪庭を見ることが少なくなった気がする

坪庭というものは簡単に言うと小さな和風の庭のことです。

四方を囲まれた小さな空間で造ることが多く、土地が広くない日本に合った庭だと言えます。

使う素材は、砂利・庭石・灯り・竹・モミジ・御簾垣・コケ・下草などさまざまです。

天然のものでも人工の部材でもどちらでもつくれます。

私自身建築業界・・・特に工業化住宅に携わっていますが、坪庭というものに関わる機会はたまにしかないと感じています。

その理由はいくつかあるのですが、一番大きい理由は「現代の人が家にもとめる考え方に合っていないから」だと思っています。

日本の住宅事情は、限りある土地をムダにしないようにできるだけ敷地いっぱいに家を建てて空間を広く使うことが求められます。

そのため家の形は箱型になることが多く、さらに家の周りはサービスヤードや通路として「人が活動する場所」として利用されます。

そして道路側に面したスペースは駐車スペースとして利用されます。

「有効に土地を使う」という考え方はとても合理的です。
ですが、それは坪庭のコンセプトとは真逆の考え方なのです。



坪庭の考え方とは

坪庭という空間は「利便性」とは真逆の考え方で成り立っています。

「何に使うのか」ではなく、空気・水・生き物・素材が「ただそこに在ること」が求められるのです。

言ってみれば坪庭とは使うためのスペースではなく「観るためのスペース」なのです。

坪庭には定型というものがおそらくありません。
そして使う素材や広さによって金額も大きく変わってきます。

参考程度ですが、メーカー品の坪庭セットというのが1m*1mのスペースで30万くらいで販売されていました。

何にも使えないスペースのために空間を確保し、安くはない出費をすることができるかどうか・・・。

この現実に納得できる人が少ないので、坪庭というものが希少になっているのだと思うのです。

希少なだけに、非日常感を味わうことができる貴重な空間になり得るのです。


日本の伝統ある神社仏閣には、日本古来の考え方を受け継いだ坪庭が造られているところもあります。

本格的な坪庭を観たい方は、ぜひそんな場所を訪れて非日常感を味わってみてください。

そして、興味を持ってくれる人が増えればうれしいです。

それでは、また!


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