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ようもうとみどり
2021年9月9日 18:51
スラックスを脱ぎ捨てて、急かされるようにシャツのボタンを脱ぎ捨てる。ほつれていたボタンが弾けたが、どうせ安物だ。また買えばいい。逃げるように帰路につき、命からがら生き延びたが如く床に倒れ込む。ジタバタした足が机にぶつかり、水音がした。心当たりがありすぎて、何がこぼれたかはわからなかった。ただ、水をあんまり飲む習慣がないことはたしかだ。「情けな」別に面白おかしい生活を求めていたわけでもな
2021年9月5日 18:56
布を通して生まれたシャボンは、アジサイのような見た目をしていた。言葉をおぼえるどころか、仕事をおぼえるまで成長したぼくにあるきれいな思い出のひとつだった。忙しない毎日に追われるばかりで息つく暇を見つけることで精いっぱいの日々は、ときどきそんなことを思い出させてくる。郷愁の念にかられているのだと思う。とにかく、やさしくて、きれいな思い出がぼくには必要だった。「きれいでしょ。お隣さんからもら