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ひつじにからまって

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ひつじにからまっているものがたりたち
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#宇宙SF

星とテントウムシ

星とテントウムシ

星のまなざしがのぞく夜は、芝生の上に暮らすテントウムシに星が与えられる。七つか八つか、はたまたそれ以上か。テントウムシは、生まれてから死ぬまで、自分が背負った星の数を知らない。

与えられる星は、夜空に瞬く星が落とす影だ。それを一匹が背負うには、体に対してあんまり大きすぎるものである。そこで自然のシステムは、星を背負う個体の数を増やして分散することで解決することとした。この依存関係により、たとえ人

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てんびん座ゆき

てんびん座ゆき

「この車両は、てんびん座ゆきの長距離航行専用車です。持病をお持ちの方、体調のすぐれない方のご乗車はお控えください。まもなくドアが閉まります」

ホームにアナウンスが響くと、見送りに来た人々はみんな手を振った。中には大げさに両手を右往左往としている人もいる。見送られる側は分厚い窓越しに赤面しながら、小さく手を振りそれに答えた。あんまりそうやって見送られてしまうと、さすがに恥ずかしいに違いない。家族か

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恋をした月

恋をした月

月食がはじまろうとしている。
月に一度の楽しみに、おとめ座銀河団は地球に暮らす人々は熱狂していた。

月が赤くなるということは、月を持つ我々にしか得られない天体現象である。そう人々は語り、赤くなった月をフライパンで熱した太陽の種ともてはやした。

「星辰の流れを読むならば、次回の月食は十日が三回過ぎたとき」

じきに彼らは失う恐怖を抱くようになった。いつまでこの月が赤くなる様を我がものとできるのか

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