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夜のサイクリング

ある夜のこと

「山いかん?」
「あーいこう」

時刻は1時をまわりとても静かな夜になっていたセミも寝静まる夏の夜のぬるい夜風が僕の体に吹いていた。

中学生だった僕たちは自粛期間もあり家で暇を持て余してたためなにも目的がないが動きたくなったのだ。

度胸試しとまではいかないがこの時間に山に遊びにいくことになったのだ。

普段から夜に遊んでた僕たち6人はいつも行く場所がないから今日はいく場所がありとてもウキウキしてた。
探検というのは男のロマンをくすぐるもので男2人のテンションあげた。

深夜1時10分5人が集合したあつまりが悪いのはいつものことだ公園でたわいもない話をして僕とAがしていた話を3人に提案した。
それはAから告げたまぁ思いついたのは僕だったけどなにも気にすることなく提案した。

「さっきさ2人しゃべってて山行きたいなーってなってさどーせみんな暇やろいこや!」

とテンションがとても上がってたAはつい大きめの声を出してしまった。
まぁ反対もなくみんな賛成だった。
そうと決まれば行動が早い僕たちは早速、
〇〇山へ足をこぎ進めた

いく道中に僕はふと思った
「ここから〇〇山は50分くらいやから丁度丑三つ時になってしまうなー」
とつい声に出してしまった。
みんなには聞こえてなくて良かったと思ったが、

するとAが言い出した
「こっから〇〇山いったら着く時間ちょうど丑三つ時やん」

するとみんなはまじかー「おれ怖なってきた」と小さい声でみな弱音をはいた。

聞こえてなかったのにわざわざみんなにいった
Aの性格の悪さにすこしむすっとしてしまった。

肝試し感覚になったところで僕はAに提案した。
「ちょっとみんな怖なってきてるから花火しよや」とAに提案した。
するとAは「めっちゃいいやんばり楽しみなってきたー」とまた大声をあげた。

途中のドンキで花火を買うことにした僕たちはそこでもう1人と合流した。
そろったところでまた山にむかって軽快な足で自転車を漕ぎ始めた。

40分も自転車を漕いだとこで山に着いた。

脇道に自転車を止めみんな足を止めた。

近くには川もあり
涼しげな川の吠える音がじめじめした夏の夜に響きわたる。
あたりは真っ暗でとても心細くなる。

AとBがいいだした

A「ほんまにいくん?」
B「ちょっとやばそうじゃない?」

僕も内心とても怖かったでも男を見せようととても強がってた。
だって僕はこのグループ中だとリーダー的な存在だと思ってたんだ、
足も速い、力も強い、頭もキレる、
この中ではみんなから頼られている
みんなもそう言う
だから僕がビビるわけにはいかないと。

僕はみんなを引っ張るようにいった

「だっさいなはよいくぞ」

A「わかったー」
僕についてくるAをみんなは不思議そうな目で
みていた。
みんなは重い足をあげて小走りで僕を先頭についてきた。

Aはみんなになげかける

「ここの噂しってる?絶対に触ったらあかんいしと絶対にみたらあかんトイレがあるねん。
お前らぜったいみんなよあぶないから」

と強気な口調だがとても怖さを感じられる
か細い声でそういうと、
Aは花火をギュッと握りしめてた。

怖がりながらもようやく展望台についた。

展望台からの景色は
なにもない殺風景な黒の絨毯にガラス片をちらしたかのような、鮮やかなものだった。
どこかトゲトゲしくも柔らかい感じがした。
みんなの今までの怖さは吹き飛んだ
花火もして夏の思い出ができみんな喜んだ

帰りはそのことをわすれており警戒心がなかった。
僕は帰りも綺麗な景色に見とれて辺りを見渡してた、すると行きしには気づかなかったもう一つ寂しそうな展望台があった、
前は6人であるいてて僕は1人で歩いてたので僕しかその展望台に気づかなかった。
あそこも景色が良いんだろうなーって思ってると女性の影がみえた。
時刻は2時30でおかしい僕は見てしまったと思った。その女性の影はとてもスラーとしてて黒髪でなにか伝えたそうな後ろ姿をしていた。
足はベンチで隠れてみえないが、移動してるのがわかった、歩いていれば頭が多少は動くが
その影は平行いどうをして移動速度が早かった。
その瞬間に僕は気を失った。

山を降りると気がついた。

霊感の強いAだけにこの話をした。

するとAは
「お前ずっと1人でお経唱えてたよ」

というのだ展望台の存在を話すとAは

「そんなのなかったよ」という

僕は不思議だったのでその山の展望台について調べた何も出てこなかった。

3日後に意地になった僕は朝ごはんを急いで食べAと2人であの山に向かったするとそこには殺風景なところにポツンと立ち入り禁止の看板と花だけがあった。

その看板に不気味さを感じて恐る恐る看板の後ろをみると無数のお札が貼ってあった、僕は恐怖のあまりしゃがんでしまった。
するとAはこう言った

「ほんとお前ビビリだよな」

とケラケラ笑った
僕は声を震わせながらいった
「だってこんなん怖いだろ俺の話聞いて怖くないんかよ?」

Aはいった
「怖いけどよーいまお前とはなしてる俺はもっと怖いぞ」と笑い泣きをし始めた。

するとそのままAは話し始めた、

「あの時お前はここから落ちたんだよ1人でぶつぶつお経を唱えながら俺たち6人は前を歩いていたから気づかなかったけど。
山を降りるといなかったけど霊感のある俺だけはお前が見えた
その日からずっとお前は夜にだけ現れるよーになって何回も5人を誘いあの山で花火をしようというその時お前と話してる俺の姿をBもCもEドンキで合流したDも不思議そうに見つめる」

僕はなぜか安心して笑顔が溢れた。
もう1人友達が増えてたことと

朝のこの時間にAと一緒にいれることに。


       〜終わり〜

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