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ことば遊びとショートショート37『銭湯機』

 部屋でうとうとしていた私は飛行機の音を聴いた。

 窓を開けると、機体の煙突から煙を吐くボイラー銭湯機が部屋に侵入してきた。

 疲れたから寝ちゃおうと思っていたのに、風呂場へと誘導される。

 湯船には湯母艦が既に到着済で、お湯が張られていた。

 寝ぼけながら服を脱ぐと、銭湯機は私の顔に照準を合わせ、メイク落とし銃を撃ち込んだ。

 アクロバット飛行をしつつ、スモークシャンプーで髪と体も洗われる。

 おかげでケロリンと目が覚めた。

 銭湯機がお湯に入浴剤を投下すると、ジャグジー風呂に早変わり。

 お湯に浸かって、湯母艦ラッパ隊の生演奏で歌を歌った。

 さっぱりしてお風呂から出ると、銭湯機のプロペラで髪を乾かし、とどめのコーヒー牛乳がパラシュートで落下してきた。腰に手を当て一気に飲み干すと、私は敬礼をした。

 銭湯機は疲れた人を癒やすため開発された飛行機だ。

 次のターゲットを探しに、銭湯機は再び夜の市街地へと飛んだ。

 (了)

【雑記37】

 自主制作のショートショート2nd Album『ハートワーカー』より、本日は7曲目の『銭湯機』の制作背景と創作について書いていこうと思います。
 昨日の6曲目の『クリーンクリーン』はこちらから。

 なかなか湯船に浸かることがない。

 そんな時間がないのかと言われればそういうこともないのだけど、シャワーで済ましてしまう。

 湯船に浸かれば、疲れもとれて、リラックスできて、寝つきがよくなることもわかっている。だが、しない。1日のうちの30分にも満たない時間だぞ。ましてや、分刻みのスケジュールとかでもないのに。帰ってきて、ご飯食べながらYouTube見ていたらもう寝ている。そして、忙しなく朝シャワーを浴びる。

 1日のうち、意識的に頭も体も心も休められる時間を作ることは大切だ。
 塵のように積もっていく疲れやストレスが溜まっていくと、心が固くなって、余裕もなくなってくる。休むときは休もう。

 そんなことを思いながら書いたお話でしたが、そんな自分もまだまだ実行できていない。
 こびりついただらだらの垢落としも兼ねて雑記に記しておこう。

 お読みいただき、ありがとうございます!

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