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無駄にこそ人生の豊かあり

こんばんは。

ちょっと理解がずれてるかもしれませんが、

この本を読んで感じたことです。

よくタイムマネジメント、自分の時間を効率的に使って生産性を高めるために、様々な時間術について書かれた書籍がありますよね。

本書はそのようなこれまでの時間術で効果を挙げられなかった我々に向けて(みんなそうですよね?)、「あなたの人生を変える最後の時間術」について教えてくれる書籍です。

非常に面白い着眼点として、私たちはそもそも時間などというものを感じることはできず、「過去こんなことが起こった」という”想起”と、それを踏まえて「これからこんなことが起こるだろう」という”予期”の掛け合わせを「時間」という直線的な流れに当てはめて考えているのだ、という主張です。
予期については、濃さ⇔薄さ、多さ⇔少なさの2軸で、想起については正しい⇔誤り、肯定的⇔否定的の4象限のマトリクスに分けられ、自分が4象限のどこに当てはまるかで、効果的な時間術も異なる、というものです。

書籍の序盤にはこれを判断するためのアンケートのようなものがあり、僕は予期が「容量超過」、想起が「自信家」タイプでした。同一人物内でも状況によってタイプは変化するため、一様に当てはまるわけではないようですが、「容量超過」はいろいろとやることが頭に浮かんで処理しきれなくなるタイプ、「自信家」やってきたことを肯定的にとらえるタイプで、確かにそんな一面あるな、、、と思いました。自分の時間の使い方を見直すうえで効果的だと思います。

まあそんな様々なタイプに対して、この手法は効果的ですよ~みたいに教えてくれるのですが、個人的に刺さったのはそこではなく、結局時間術によって時間効率が改善されたとしても、「時間に追われている」ような感覚は払しょくされないというものです。

僕らは時間にとらわれすぎていて、常に焦燥感に駆られている。この感覚は例え時間を効率的に使えるようになっても変わらないのです。考えてもみると、仕事は仕事ができる人のところに集まります。「時間を効率的に使わなくては!」という感覚はプレッシャーにもなります。

僕らがやるべきは、この時間感覚を変えることです。
興味深かった話がいくつかあります。クロックタイムとイベントタイムについての話もそうです。

僕らが普段生活するうえで、「〇時になったらあれやろう」「これするのは〇時までにしよう」と時間を基準に行動を設定しませんか?
これって実は産業革命以来の大量生産のために一様な行動が求められた最近主流になった話らしく、これはクロックタイムと呼ばれるものです。まさに、時間にコントロールされているようで、考えるだけで常に追われる感覚があります。
一方イベントタイムというのは、「お腹がすいたらご飯を食べる」といった、時間によらず、そのイベントが必要だから行うといった過ごし方です。これは常に時計を確認する必要もなく、どちらかというと古来の生活様式に似ています。「日が昇ったから起きて活動する」といった具合に。

これってすごく良いなと思いました。田舎暮らしとか、山とか、キャンプとか、そういった自然に近づいて過ごす体験って最近のブームですよね。僕も好きなんですが、なぜだろうと考えたときに、都会の喧騒から離れたりするのもそうですが、現代人の「時間に追われる」感覚から逃れるための作戦として、知らず知らずのうちにこのイベントタイムが採用できる過ごし方に集まってきてるんじゃないかと思いました。

それともう一つ、時間感覚を変えるために推奨されていたのが、「退屈トレーニング」です。これは意図的に「無駄だ」と感じる行動を用意し、一定期間取り組む、というものです。
僕は時間を効率的に使いたいという意識が強いらしく、そんな「無駄」なことをあえて取り入れるなんて考えるだけでも嫌な気分になるのですが、この「時間を効率的に使おう!」というのが時間に追われる感覚を払しょくできない原因的な思考でもあるわけなので、やる価値あるのかもなぁと嫌ながら思いました。

無駄にこそ人生の豊かさあり、時間に縛られず自分の人生を生きるためにも、ちょっと考え方を変えてみようかなと思える一冊でした。
新たな視点は得られると思うので、オススメです!

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