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『ワンダリング・ノート』〜トムとレナ(4)

トム:おや? そろそろレナが来る頃だな。ゲームはここまでにして・・・と。今日は地雷を踏まないように気をつけなくちゃ。

レナ:もう来てるけど?

トム:うわぁっ!! ビックリした!! ダメだよ、僕が驚くとこの世界の記憶が崩壊するんだから・・・って、それはさておき。き、昨日の曲はどうだった?

レナ:そうねー。皆さんに聞いてみたら?

トム:え? 皆さんって?

レナ:こっちの話〜。それより、さっき「地雷」がどうとか言ってなかった?

トム:え? ああ、いや・・・こっちの話。さ、さあ、今日も一緒に始めようか!


トム:で、牛のお面を被ったおじさん──チャーリーさんは、どうやらルナには素顔が見えていたらしい。それで、彼女が何か言いかけていたんだ。この人のデータ配列がどうとか。そしたら突然、口封じのように彼はルナのことを、不思議な力で押さえつけたんだ。


Luna: "Data analysis complete."

ルナ:データ解析完了。


トム:え? 何か言った?


レナ:ん? 私何か言ったっけ?


トム:チャーリーさんは、ある組織と敵対関係にあるらしくて、しかもそれは僕とも無関係ではないらしくて・・・ここはあまり覚えていないんだよな。いずれも、僕の記憶を取り戻すカギになっているみたいなんだ。


Lena: "What are these characters? They're not in English, are they?"

レナ:この文字は何? 英語じゃないわね?


トム:僕はまたその・・・公園に戻って、って言っても、さっきは「現実世界」の公園で、こっちは「絵本世界」の公園なんだけれど、そこでふと、君のことを思い出したんだ。急に頭の中がクリアになってきて、ルナと君が混同してしまったような・・・。それで僕はブランコ・・・いや、ちょっと売店に行ったんだ、お腹が空いちゃって。


Lena: "A kiosk? So, who are you planning to buy food with, and where are you going to eat it?"

レナ:売店? 食べ物を買って、誰とどこで食べるつもりなのかなー?


トム:で、僕がまたそこに戻ってきたら、ルナはいなくなっていたんだけれど・・・何だ?ベンチの上に、またさっきの絵本があるぞ?


Luna: "Warning. 'the FORBIDDEN storybook' has been found again."

ルナ:警告する。「禁忌の絵本」を再び発見。


トム:え? うわっ!!


るな・とーらんすが あらわれた!

トム:き、君はっ!! ルナじゃないか!? レナはどこに!?


ルナ・トーランス:ここからは私が説明する。トム・ホーソーン、あなたはこれより先の、私の行動を把握していない。


トム:た、確かに・・・でも、君がなぜここに!? 君はあの時、鏡の──


ルナ:私はあの公園で、組織の黒幕「ダン・キューブリック」と遭遇した。恐るべきポテンシャルを持つ人物。黒装束を纏い、臨戦体制に入った。



トム:そしてこれはまた・・・随分と古い動画だね。でも、これで思い出した。僕はこの「ロケットのような脚力」を持つ男性と一度、公園のベンチで出会っていたんだ!!


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