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『マスカレード・ホテル』を観て読んでみた

以前これでも書いた通り

私は「謎解き」という意味でのミステリーは好きだけど、「殺人事件」という意味でのミステリーは苦手なので大人になってからは滅多に読みません。特に東野圭吾さん作品は昔『白夜行』を読んだらもうずぅーーーーーーん(←LINEの公式デフォルト絵文字で言えば、金髪でヒゲが生えてる男の人の顔のやつのイメージ)としんどくなり、これまでその1冊しか読んだ事がありませんでした。

そんな中、いつものようにnoteレビューを見ていたら、『マスカレード・ホテル』が面白かったというお話がありまして。ああこれ確か前に映画になってたやつだな〜。そっか、そういえばもう長らくこういうメジャーなエンターテイメント的なミステリーなんて触れてなかったな〜。noterさんが面白かったなら、たまにはそういうのも読んでみるかな〜。と、手に取ってみました。

『マスカレード・ホテル』- 著者:東野圭吾さん

はい、人生2冊目の東野圭吾さんです。どうも長らく大変ご無沙汰しておりました。


映画から観る?原作から読む?

普段私は、同じ作品で映画と本がある場合、必ずと言っていいほどまずは本から先に読む派です。何なら映画は観ないで済ませることも多々あり。

まずは活字から頭の中であれこれイメージしながら考え進めるのが好きなのと、どんなに素晴らしい映画でも本のディテールを全て映像に落とし込むことは不可能なので(セリフの一言一句、心情変化、時間感覚などを2-3時間に…とはいかないよねえ)、先にじっくり自分のペースで味わいたいのです。

でも今回は、ちょっといやだいぶ失礼な言い方になっちゃうけれども、そんなに思い入れがあるわけでもなく気まぐれにメジャーなやつを観てみるか〜、という軽いノリだったので、何とな〜く先に映画、その後に本、をやってみました。うん、新鮮。

今回は映画が先でよかったかも

本作品の映画版は、ダブル主演のうち男性はキムタクが主役だったのはなぜか何となく覚えていたんだけど、女性の方は誰だっけ?天海祐希さん?と思ったら、長澤まさみさんでした(失礼!)。そして、小日向さんも出てくる。自動的にコンフィデンスマンシリーズが想起され、わたし的には扮装したダー子とリチャードがいつ笑わせてくれるか…!?と、つい期待していまう配役になっていました笑。

さて、映画を観るにおける私の問題点のひとつ。それは、大抵複雑なところで何かしら理解しきれないところが残るという、ミステリーものにおいてはやや致命的なところ…。例えば『ミッションインポッシブル』『オーシャンズシリーズ』の騙し騙され騙し合いで、途中からあれあの人なんでこうなったんだっけってなってくる悲しさ、伝わるでしょうか。ああ、頭の回転が早くて理解力に長けている人が羨ましい…苦笑。

今回もご多分に漏れず、トリックの一部矛盾しそうなところが納得できなかったり、事件の一部の構成がわからなくてモヤったり。さらっと説明されるところを聞き逃した?それとも映画ではそもそも端折られてた?
…なんってことがあったので、本を後から読むとどれもこれもスッキリ解決しました。ふう。回収できるっていいね。

映像作品作りって大変そう

いやあ、どんな作品でも思うけれど、原作が長ければ長いほど、映像化するにあたってどのエピソードをどう省略するかとか、どのセリフはそのまま残すかとか、編集次第で作風なんてガラッと変わるだろうから。映画・映像関連のお仕事の人たちって、一体どれだけ頭を悩ませているんだろうなあ。…ん?と思ったらこのエピソードそうまとめたか。ははぁなるほどねぇ。

…なんて、だいぶ偉そうだけれど裏方の苦労を推察して、自分ならどこをどう撮ってたかな〜なんて想像しながら後から本を読むのも面白かったです。

自分で想像するのが面倒な時や、想像もしたけれど実写でも観たい時は、やはり映画の圧倒的な映像や音がいちばん。その昔『ダ・ヴィンチ・コード』では本を読んだ後、現物の彫刻やら絵画やら建造物やらの画を観たいがためだけに映画を観たなあ。

それでも編集の限界を考えると、どんなに映画も良くても、僅差だったとしても、私の中ではいつも本の方に軍配が上がります。
映画化される前に、本をもっともっと読みたいなぁ。でも、たまには映画を先に観てみるのも新鮮で面白いなあ。と、久々に気付けて良い経験になりました。(でもミステリーはしばらくお腹いっぱい笑)

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