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日本の「キシャクラブ」という病理 その①/③

今回から、3回シリーズで記者クラブの問題を取り上げたいと思います。 ア)記者クラブとは1.定義 まず、私たちがこのシリーズで考えるべき「記者クラブ」とはなんでしょう。何事においても考察対象の明確化は重要。Wikiなど他の定義もありますが、組織の特徴や問題を十分に示せているとは思えませんでした。 そこでここでは、 「・・・『記者クラブ』とは、日本新聞協会加盟社の社員である常駐記者たちが、日本の官庁など公的機関の主要なニュース・ソースの建物の中にある記者室を(取材拠点として

    • 「キシャクラブ」問題 わかりやすい解説動画の紹介

      ただいま表記を準備中です。 予習の材料というわけではないのですが、私自身がとてもわかりやすいと感じ、勉強になった動画を一つ紹介させてください。 動画は、この問題に長く携わってきた、「逆説」シリーズでおなじみの作家、井沢元彦氏と、フリージャーナリストの上杉隆氏が、この問題を、丁寧に解きほぐすように説明する動画です。 これから始める記事のイントロダクションとして、ご興味があれば、お時間があるときに覗いてみることをお勧めします。

      • 誤記のお詫びと訂正の連絡

        先日公開させていただきました記事内で、一部軽微とは言えない誤記があったことに気づきました。 お詫びの上、下記のように訂正させて頂く旨ご案内いたします。 記 誤 「ニューズウィーク」 ↓ 正 「ニューヨークタイムズ」 以上 引き続きよろしくお願い申し上げます。

        • 令和4年度 政府の連結財務諸表の発表(3.26)+次回記事の予告(「キシャクラブ」という病理)

          1)ひっそりと発表さる3.26、政府の連結財務諸表が、発表されていたようです。 次は概要。 正式版はこちら。。。 https://www.mof.go.jp/policy/budget/report/public_finance_fact_sheet/fy2022/national/fy2022renketsu.pdf 「発表されていたようです。」と書いたのは、昨日までうっかりしてて気づかなかったから。。。すいません。 ただ、皆さん。お気づきになられてましたか?

        日本の「キシャクラブ」という病理 その①/③

          財務省が主要メディアを通じて令和4年度の政府バランスシートを速報

          先日、主要報道機関を通じて令和4年度の政府バランスシートが公表された、との報に接しました。 現物はこちら 今回発表されたのは政府単体のバランスシートで、天下り先など子会社を含めた連結は3月に出ると思います。 依然、1年遅れ発表の間抜さなど、ツッコミどころ満載、メガ盛りではあります。 例えば、さきに述べたように単体決算なのに、「単体」と表記しない、、、 「嘘はつかないが、肝心な真実は言わない」これが彼らのやり方。 諸氏の御心を推察するに、 ・バランスシートで見ろ、と

          財務省が主要メディアを通じて令和4年度の政府バランスシートを速報

          コラム 堀江貴文さん、山田玲司さんの動画をみて感じたこと

          1.堀江さんの消費増税解説動画について 下記の動画をご覧になってください。私の目から見て、堀江さんにしてはめずらしく、かなり偏った部分を含んだ疑わしい内容になってしまっていると思います。 一つ例を挙げれば、「消費税は金持ちの方が多く課税される」という部分。確かに納税額についてはそうなのですが、収入に占める税の負担割合は所得が低くなればなるほど増えます。 徴税の実質的な負担の比較は、納税額よりも、収入額に占める税負担の割合を見なければならない場合があります。課税率が収入問わず

          コラム 堀江貴文さん、山田玲司さんの動画をみて感じたこと

          検証「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」は、本当か

          それでは、日銀が保有する国債の含み損について、考察を試みてみましょう。 ア) 統合政府バランスシートでの検討 まずは、日本銀行を政府の連結財務諸表の連結対象に含める、「統合政府バランスシート」の立場を前提に考えてみましょう。 https://www.boj.or.jp/about/account/data/zai2311a.pdf この立場に立つと、政府の子会社である日銀が保有する国債は、親会社である政府との連結の過程で、資産と負債から相殺処理されて消えてしまいます。

          検証「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」は、本当か

          検証「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」は、本当か(予告)

          ア)日銀の4~9月決算発表と報道日銀が先月11月28日に上記を発表しました。 https://www.boj.or.jp/about/account/data/zai2311a.pdf これを受けて、主要メディアは「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」と報道。少なからずざわついているようです。いくつかの記事のURLを貼ってみました。 イ)含み損拡大によるリスクについて、識者の分析これを受けて、何人かの識者が分析を行っています。 どれでも

          検証「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」は、本当か(予告)

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~追補

          1.まとめア)読んでくださった方に届いているであろうリテラシー これまでに述べてきた、政府の財政破綻の危険性を計るためには、負債総額だけではなく、資産と純資産を表した連結BSを見なければならない。よく考えてみればあたりまえ、とも思えるこの意見、残念ながら私のオリジナルではありません。どころか、つい最近まで知りもしませんでした。ご興味があれば、連結BSで政府の財政状況を見る、ということを日本で初めて発案・実行したであろう高橋洋一氏や、同じ意見の上念司氏のご著書を本記事の中でも

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~追補

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~その3(最終回)

          1.日銀のBSにおける「負債」の特殊性 「発行銀行券」「日銀当座預金」の取り扱いさて、ここから高橋洋一氏や上念司氏の主張に基づき、実際に日銀のBSの負債の部を見ながらいくつかの「勘定科目」について考えて見ましょう。 考える際のポイントは、次の①② ①日銀のBSに「負債」として記載されていても、一定の期限までに返済義務が発生する「借金」か?という点。返済義務が発生しないのであれば、少なくとも政府のデフォルトの可能性を計るに際しては、負債から除外しても問題ない、という考え方で

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~その3(最終回)

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~その2(全3回)

          1.財務省が発行する令和3年度連結財務諸表財務省作成による政府の連結財務諸表は財務省のホームページの片隅にひっそりと、掲載・公開されています。本記事をまとめている令和5年末現在でなぜか1年遅れで。その中の連結BSの概要は下記です。 上記の総額のみを簡単に要約したのが、次の政府の令和3年の連結BS(表1)です。 確かに、負債の部をみれば、赤字国債発行額と思われる「公債」の1,103.1兆円を筆頭に1514.3兆円は莫大な額。財務省や政府自民党、主要メディアが国民に示して不安

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~その2(全3回)

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~その1(全3回)

          1.はじめにそもそも令和4年度現在で増税が必要か?この問題意識を元に前回記事をアップさせていただきました。 なんでもかんでも盛り込もうとし過ぎた結果、文字数は2万3千字を突破。 ある方から指摘された一言。 「長くて読めねぇ」。 ごもっとも(汗)。 そこで今回、前の記事で最も皆さんにお伝えしたかった、政府の財務諸表の話題に絞って簡略化を試みています。3回シリーズでお届けしたいと思います。 2.検討の出発点 取り残された日本~過去30年間のGDP、実質賃金の伸び率

          政府の連結バランスシートを読んでみよう~その1(全3回)

          検証 令和の増税って必要?

          減税が討議される昨今の政局に鑑み、考察を書いてみました。 90年代のバブル崩壊以降の中央銀行と財務省の歴史を振り返り、増税の必要性や減税の可能性を、実際に公表されている政府の連結BSを土台に検証するなど、かなり内容が濃いものにできたと自負します。 その分、2万字を超えるかなりボリュームが出てしましました。(汗) しかし断言します。読んでいただければ、必ずや、今後、皆さんが政府の正しい財政状況を把握し、投票行動などを考えていく上で,今までにはなかった有益な示唆を受け取って

          検証 令和の増税って必要?