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コラム 堀江貴文さん、山田玲司さんの動画をみて感じたこと


1.堀江さんの消費増税解説動画について


下記の動画をご覧になってください。私の目から見て、堀江さんにしてはめずらしく、かなり偏った部分を含んだ疑わしい内容になってしまっていると思います。
一つ例を挙げれば、「消費税は金持ちの方が多く課税される」という部分。確かに納税額についてはそうなのですが、収入に占める税の負担割合は所得が低くなればなるほど増えます。

徴税の実質的な負担の比較は、納税額よりも、収入額に占める税負担の割合を見なければならない場合があります。課税率が収入問わず一律な消費税はその典型例。

例えば、少し極端な例ですが、消費税率を一律10%として軽減税率を考慮せず、かつ、消費税以外の公租公課は無視して考えるとして、

年収1億円のAさんが、1年間に8000万円貯蓄に回して、2000万円消費した場合、消費税として200万円納めることになり、

年収300万円のBさんが、1年間に貯蓄に回すお金は0円で、300万円消費した場合、消費税として年間納めるお金は30万円。

確かにAさんの方が納税額はBさんの6倍以上になりますが、収入に占める課税の割合は、Aさんは2%なのに、Bさんは10%に達し、苦しむ度合いはBさんの方が大きくなると思われます。

「堀江さんほどの人が、この租税に考えるに際して踏まえるべき知識の中でも、基本と言える税の逆進性※の概念をご存じないのか・・・」とおどろきました。

他方で、徴税は「税金」だけではない、バラまきの弊害など、うなずける点もあります。

※参考「税の逆進性」について

この動画をご覧いただいて、皆さんはどのようにお感じになられたでしょうか。

ちなみに、この動画をここでみなさんに紹介した目的は、動画内での堀江さんの意見へ批判をするためではありません。私の感想は冒頭で述べた通りですが、ご意見の是非については皆さんご自身でお考えになってみてください。

少し学び始めた今でこそ、堀江さんの意見に疑問を持つことができます。

ただ、堀江さんがこの動画で示されているご意見は、税金について、少し前の私自身の考えそのものだというということも正直に申し上げなければなりません。

特に「自分は財務官僚から直接話も聞いている」「皆さんが心配しているようなことは、既に世の中の偉い人が考えて対策してくれている」こういったマインドは、私を含めて多くの日本人に共通するのではないでしょうか。

こういうマインドで、自分の周りにうず高い「馬鹿の壁」を張り巡らせて異なる意見に耳を傾けない・・・。自分の正しさへの盲信と、異なる考えや知らない価値観への敵視、憎悪、、、、実は怯え。

3年前くらいの私です。

実はこの動画を見て、少しほっとした、救われた、というのが正直な気持ちです。

というのも、ここ数年、倉山満氏や上念司氏、高橋洋一氏といった方々のご著書などを通じて、いかに自分が馬鹿だったか、苦しんでいる若い世代に対して贖いようがない、取り返しのつかない「無関心」を貫いてきてしまったのか、後悔と贖罪意識を募らせ、少なからず苦しんでいました。

これが、学習と並行してNoteなどで発信を始めた原動力の一つとなっています。

堀江さんはみなさんもご存知のように、若い時期に既得権益側からものすごく理不尽な仕打ちを受け、それにも関わらずそれを糧として、ご活躍されている方。

好き嫌いに相違はあると思いますが、個人的に尊敬している方です。

いろいろな時事問題についてきちんとした考察、裏取りを行ったうえで、様々な情報を発信されてるのは皆さんもご存知の通り。今回も、財務官僚などとお話をされた上での内容であるとのこと。

ただ、今回ばかりは裏どりの相手が良くなかった。逆に考えると、堀江さんのような明晰な方ですら、一時的にせよ手玉にとってしまう財務省官僚。。。改めて恐ろしい、と思いました。

そんな堀江さんですら、こういうマインドの罠にはまってしまう場合がごく稀でしょうが、あるんだ、と思い、とすれば、堀江さんに圧倒的に劣る自分も、ある意味仕方がなかったのかな・・・と、思えたのです。少しだけ自分を許すことができました。

世の中で大きな事件が起きた時、私は「堀江さんはどういうご意見なのかな」と確認します。

世の中でも上位数パーセントに入る、かなり頭のいい方です。人生やビジネスなどについて、私を含めた多くの方々が見習うべき、しっかりした思想、ビジョンもお持ちです。

動画のコメント欄には、「自分の事業で交付金などを国から受けているので、堀江氏が忖度したんだろう」といった旨のコメントも見ました。

交付金の真偽は私は知りません。しかし、仮に交付金を受けているとしても、私は忖度したコメントだったとは信じません。

堀江さんは、他の動画と同じく、本動画投稿時点で、ご自身で考察した結果を述べただけだと思っています。

おそらく堀江さんのお考えの背景には、

「国の政策などコントロールが難しいところに意識を向けるよりは、ビジネスなどの自助努力によって、自分でコントロールできる部分に注力した方がよい」

というお考え横たわっているのだろうと推察しています。そういう考え方にはうなずける部分もあると個人的にも思います。

私はとりあえずコメント欄に堀江さんに是非ご参照いただきたい著書を紹介する形でメッセージを残しました。

そして、ここからが、堀江さんと昔の私の決定的な違いです。

私のコメントを受けて、というわけではなはないと思います。しかしこの動画投稿の後、批判的なコメントが多いことを受けてのことでしょうか、、、さっそく紹介した書籍の著者のお一人である上念司氏等識者の意見を聞く機会を設けたという情報に接しました。

さすが堀江さん!!と思いました。

そういった識者の考えを踏まえて、堀江さんが改めて意見を述べられる場合には、それがどういう意見であれ、謙虚に聞かせていただきたい、そのように思いました。結果的に堀江さんへの親近感は増しましたし、すぐに確認、修正を検討する点、やはり凄い、柔軟で頭がいいと思い、ますます尊敬の念を深めました。

おそらく、堀江さんは様々な時事問題について、お考えになっているところを敢えて時間を置かずタイムリーに忌憚なく説明して、視聴者の反応などをご覧になりながら、ご自身にも矢印をむけてご自身も改変していく、ということをなさっているのかな、と思いました。

忌憚なく、思い切り話をされるのは、ご自身の考えを伝えたい、と言う熱意からでしょう。そして、おそらく、仮に自身のお考えに誤りが含まれていた場合に批判、指摘を集めやすいようにするため、ではないかと推察してます。

対談、ディベート動画を見ていて思うのですが、堀江さんは自分とは違う考えに接した場合に、自説を引っ込めて、反対意見に耳を傾ける場合が少なからずあります。そして相手の意見に感想を足すように会話を進めて、新たな着想に至る。対談後に、今日は勉強になった、と満足げな表情を浮かべ相手に謝意を伝えるのは、

むしろ、こういう、表面上、「言い負かされた」ように見える場合のように思います。

堀江さんが、ディベートの価値を有益な気づきを得る、という点に見出している証拠だと思います。勝ち負けなんてどうでもいいのでしょう。

言うは易し、なかなか真似できることではありません。過去に起きた理不尽なご経験も含めてそれらを引きずらず、自分自身を見つめて反省しつつ、服を着替えるように輪廻転生とも言える変化と成長を遂げられてきたのだと思います。とても難しいことですが、堀江さんのこういう姿勢、見習いたいです。

申し上げたいのは、堀江さんのように、世の中全体の中でも上位数%内に入ってくるような、頭脳明晰な方でも、一時的に、ごくごく稀にでしょうが、私と同じような「馬鹿の壁」にはまってしまう場合があるということ。

ですから、昔の私のように、それまでの自分の考えの土台を叩き割られて認知不協和に陥ってしまうことをひたすらおびえて、自分の殻に閉じこもって異論を排除する習慣は捨てた方がいいです。情報弱者へまっしぐらです。それによるチャンスロスの大きさに気づかない。

そうではなくて、とりあえず、国の財政破綻の可能性の真偽を始め、いろいろな問題について、異なる意見にも耳を傾けてみてよいのでは、と思うのです。

たとえば、今回の動画発信後の、堀江さんの行動が私たちにとって一つのよいお手本になると思います。

結果的に、自分の考えを変える、または変えないは皆さんの自由ですし、仮に変えるとしても、「君子誤りを改めるにはばかるなかれ」です。

また同時に、何事についても安易に信じ込まず、疑う、ということはとても大切なことだと思っています。

でも、だから聞かない、ではなくて、いったん聞き置いた上で、興味が沸けば、自分自身でネットや書籍などを通じて調べてみる。一つだけではなく複数の情報に接して、裏を取る。

そういう風な習慣をつければ、自分自身の視野が広がりますし、それまで気づかなかった考え方、それを通じた様々な物事の見方、理解に驚く場合もあります。その驚きが、更なる学びへのモチベーションになっていきます。

2.山田玲司さんの「勉強」「生涯学習」について解説動画について


この辺りは、漫画家の山田玲司先生も、下記の動画でおっしゃっています。この点について私が特に加えることはありません。こういうのが、本当の「勉強」だと思います。

さすが玲司先生。とても勉強になります!

3.記者クラブの検討状況


前回の記事でお伝えしたように、「記者クラブ」についてただいま考察しております。

読んでいる文献を紹介すると下記。
・「記者クラブ 解体新書」(浅野健一著, 現代人文社)
・「記者クラブ 情報カルテル」(ローリー・アン・フリーマン著, 橋場義之訳 緑風出版)
・「記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争」(上杉隆著,小学館101新書)
・「消えゆくメディアの『歴史と犯罪』」(井沢元彦・門脇隆将共著 ビジネス社刊)
・「ある異常体験者の偏見」(山本七平著, 文春文庫)

もし、ご覧いただいている方でお勧めの書籍や動画、をご存知であれば教えていただければ有難いです。ご助言なども大歓迎です。

上杉隆さんのご著書などを読みつつ思ったのですが、「記者クラブ」の存在が問題視され、それが頂点に達したのが2009年頃、民主党の鳩山内閣成立以降ではないかと思えます。民主党はこの問題に切り込もうとしましたが、十分にはなされずに、問題は解決されないまま、今に至っているように思えます。

ただ、「記者クラブ」の問題自体は、最近はあまり語られなくなっているように感じます。この辺は、私の感覚論です。

理由を考えてみたのですが・・・SNSやYou tubeの発達のお陰で、自ら発信した方が手っ取り早い、という考えが広がり、記者クラブ構成員である既存メディア自体の影響力が減じて急速に斜陽期に向かっているからかな・・・と思ったりします。検討するまでもなく、いずれ滅びる、、、と。

そこで、危機感を感じた既存主要メディアはYou tubeにも後追いで参入しつつあり、前回の記事で紹介させていただいたテレ東の日銀保有国債解説動画なのかな・・・と。

ただ、このような形の情報発信はコメント欄や、xの検証機能のように識者からの異論・反論が示され、視聴者がそこにアクセスできるようになってきたので、以前のように国民・視聴者を意のままに誘導できなくなっていると思います。

ところで、前回取り上げたテレ東の日銀保有国債の動画は予想を上回る酷さでした。最初はきちんとフラットに検証して、その結果を丁寧にまとめて共有したいと思ってました。

しかし、検討を始めてからあまりの偏向の酷さに、動画を視聴して記事を書いているうちにだんだん腹が立ち、最後は怒りを通り越して気持ち悪くなって、結果的に厳しい筆誅、否、罵詈雑言を加えるに及びました。

反省もなくはないですが、事実は事実。真面目な視聴者が信じてしまう場合に社会に巻き散らされる害悪は計り知れません。修正など施さずに公開記事として残しておきます。私が憤りを感じた理由にご興味があれば、記事をご覧になってください。

記事を思いついた時にタイムリーに上がっていたので、検討に使わせていただこうと軽い気持ちでピックアップした動画でしたが、あそこまで酷いとは想像してませんでした。聞いていたとは言え、メディアの劣化はここまでだったかと、正直ショックでした。

ただ、とは言え年代によってはテレビや新聞のみを情報収集ツールを頼みとしている方々も、まだまだ多いと思います。前回のテレ東動画などはメディアとしての自分自身の仕事への誇りを傷つけ、国民の知る権利にかけらの配慮もない内容ですが、それを真に受けてしまう、という報道被害者の方々もいるはずです。

そこで、考察は続け、どこかのタイミングで考察を記事にしてアップしたいと思います。

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