見出し画像

自分を映す鏡

「鏡の法則」
聞いたことがある方も多いと思います
心理カウンセラーの野口嘉則さんの著書のタイトルです

この本を読んだ時は、当時自分が抱えていた問題にどう当てはめて考えていけばいいんだろうと、必死に読み込んだのを記憶しています
「現実とは自分の思考や思いを投影したもの」
そんなことを教えてくれる名著だな、というのが個人的な感想です

そして「鏡」という言葉の中には
さらに深い意味があるんじゃないかと感じています

私達には生まれてから死ぬまでの間
一秒たりとも離れずに過ごしている唯一の存在がいます
それは「自分自身」という存在です

24時間、常に一緒にいる、この存在について
誰よりも理解していてもおかしくはないところですが
実は自分が思っている以上に理解できていないのでは、と思っています

私達は自分の姿、つまり顔や身体を客観的に「見る」ことができません
鏡に映った姿を見るか、写真や動画に撮られたものを見ることでしか自分自身の姿を「見る」ことができないのです
つまり24時間、誰よりも長い時間を過ごしている自分のことが、誰よりも「見えていない」ということです

そして「心」についても同じことが言えるのではないかと思っています
しかも「心」は顔や身体のように、物理的に鏡に映したり、写真や動画に撮ったりすることができませんから、客観的に「見る」ことは、より難しいように思います

しかも「心」というのは私達人間が自覚できる「顕在意識」だけでなく
通常は自覚できないと言われる「潜在意識」と呼ばれる無意識の領域があります
無意識というだけあって、自分では「意識できない」領域なわけですから、この「心」という自分自身の姿を「見る」ことは、なかなか難しいように思います

・・・が、この「無意識」を映し出す鏡があるとしたら?
無意識の領域である「潜在意識」を知ることができたとしたら?
その「鏡」というのが私達の目の前にある「現実」だとしたら?

それはつまり、自分が生きているこの「現実」は、自分の無意識の領域である「潜在意識」の現れ、ということです
だとしたら、それを逆に使えば、つまり目の前の「現実」を認識することから自分の「潜在意識」を知ることができる、ということです

今現在が、自分にとって満足できる幸せだと思えるものであれば良いのでしょうが
そうでない場合には、とても抵抗を感じるという方もいらっしゃるだろうと思います

私もまさにそう思ったうちの1人でした
今、自分が抱えている問題や困難、混乱の全てが潜在意識、つまりは自分自身の内側の投影だ、などということは当時の私にとっては到底認めることも受け入れることもできないものでした
だってそれは今の自分の不幸(と思う現実)は「自分のせいだ」と言われているように感じたからです(今思うと、そもそもこの受け止め方にも問題があるなと思う(>o<)

私はPTSDから回復するために、必死にあれこれ勉強していた頃
読み漁っていた書物の中で出会ったいくつかの言葉に、ショックで頭が爆発してしまうんじゃないかと思うことがありました(笑
そこを経てからこの「目の前の現実は潜在意識の表れ」という考え方を知った時
それぞれの学びが繋がり、かつ全てがストンと腹落ちしました

それを踏まえて過去の出来事や自分自身を振り返ってみた時
まさに「潜在意識」が人生を創っているのだな、と実感しました

それと同時に、人は自分自身の「心」について自分で思っている以上に知らないということ、もっと言えば知ることを恐れている、ということも痛感しました

前述した「鏡の法則」という本に出会った当時、私はまさにこの本で描かれている内容に近しい状況にありました
じゃあ、この本に出会えてその時の問題は解決できたんだね、と思いますよね?
ところが、そうではありませんでした(T-T)
何度も何度も「どうしてなんだろう」と思いながら繰り返し読んでは、自分の身に置き換えて考えてみる、ということをしていたのですが
結果的にはその事象について理解することも、解決することも出来ませんでした

それは何故か?
答えはシンプル
私自身が自分の内側、即ち自分自身を「見る」こと、自分と向き合うことを恐れて避けていたからです

私は当時、親や再婚したばかりの夫との生活の中で、多くの問題や困難を抱えており、それは自分の努力だけでは到底どうすることもできないものばかりでした
そして、そこにかなりの重圧とストレスを感じていました
私はその重圧に押しつぶされまいと、必死で踏ん張っているような状態でした

そんな私は、自分の中にある弱さやネガティブな感情を認めるわけにはいきません
認めてしまったら、もう踏ん張れないからです(という思い込み)
今考えれば、そんな苦しい時だからこそ、自分の内側を見つめ理解することで、そこから解放される道が見えてくるのに・・・と思うのですが
当時は私自身の中にある思い込みという価値観が、それを邪魔していました

それこそが潜在意識という無意識の中に知らず知らずのうちに根付いてしまったものであり、そしてその思い込みこそが、当時の私のあらゆる問題を生み出していたのでした

目の前に見えている自分の「現実」を、ありのまま見る
そして、そこから自分では見えない「潜在意識」を可視化していく

そのための「鏡」として、全ては存在しているのだという視点から自分の目の前にある現実を見てみる時
そこには、今までと全く同じ現実があるだけなのに、全く違う現実が見えるようになります

自分が今よりもっと楽に、そして軽やかに人生を生きていくために全てがそこに在るのだと思うと、どんな嫌な人も、嫌な出来事も、それまでとは違う視点で見えるようになります
全ては「私のために在る」そんな景色が見えてきます

その景色が見えるようになると、過去に経験した自分に苦痛をもたらすような出来事ですら、それまでとは違う意味を持つようになります
そして過去の出来事が「変わっていく」のです
私達は過去の出来事の積み重ねであり、その結果としての存在なのではなく
自分自身の意志と選択によって、人生を構築していくことが出来る存在なのです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?