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【読書感想】すべての疲労は脳が原因

日本は疲労大国

ある調査によれば、「疲れている」と答えた日本人の割合は約8割に達する。我々は"疲れ”とどう付き合えばいいか。


実は、マラソンなどで肉体的な疲労を深刻に感じても、筋肉的にはかなりの余裕があり、”脳”の疲労の方が深刻なのだそうだ。よく紫外線カットサングラスをしているランナーがいるが、あれは目が弱い人が紫外線から保護する目的以外にも、視界に入る情報をカットして脳の負担を軽減する効果がある。

現代人が1日に受け取る情報は、1日でDVD2.9億枚分にも上るという推計がある(処理できるのはその0.01%)。その脳疲労は自律神経、正確には視床下部あたりの自律神経の中枢に蓄積する。

疲れによる身体的異変、例えばこめかみのあたりが重くなる、頭がぼやける、肩がこるなどの多くは自律神経にダメージを受けた時の症状と一致する。「飽きた」「疲れた」「眠い」などのサインが出たら積極的に休憩を取ろう。

疲労対策:①睡眠

眠っても疲れが取れない、寝たはずなのに仕事中も眠気がする場合、まず疑うべきは、”いびき”および、睡眠時無呼吸症候群(SAS)だ。日本では、いびきをかく人は2000万人、うち約15%の300万人が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であると言われている。

いびきは、細いストローで空気を吸っているのと同じ。息苦しさから心拍や血圧が上昇し、自律神経に大きな負担をかけてしまう。いびきをかかない人でも、自分が呼吸しやすい体制で寝れてるか気にしよう。

治療には以下の器具が有効であり、SASでなくとも、少しいびきが書きやすい程度の人にも有効で、保険適用されないがレンタルのサービスもある。

持続的陽圧呼吸装置(CPAP)
睡眠中に気道が閉塞しないようマスクから陽圧の空気を送り込む呼吸補助装置

その他、眠りの質を上げる方法を抜粋。
・夕方以降は強い光を避ける、夜遅くまでスマホやPCをいじらない
・寝る前1~2時間前に入浴する。ただし熱い風呂に入るとかえって疲労がたまってしまう。全身浴よりも半身浴がいい。
・夕食はこってりとした料理を避け、寝る3時間前には済ませる
・コーヒーやお茶は3時間前にはもう避けておく
・寝酒をしない

その他、健康づくりのための睡眠ガイドを政府が出している。

疲労対策:②食事

最も効果のある成分はイミダペプチド。

疲労を引き起こすのは、栄養素からエネルギーを作る際の活性酸素による酸化ストレスなのだが、イミダペプチドは酸化ストレスを軽減する抗酸化作用を持続的に発揮する。疲労”感”の軽減にも有効だ。

イミダペプチドは鳥の胸肉に多く含まれる。1日当たり胸肉100gあたりをとり、イミダペプチド200mg取るとよい。統計的に優位な数の被検体で検証できてないが、400㎎(胸肉200g)まで増やすと効果が増える。

サプリで摂るなら200㎎の必要量が入ってることを保証する「イミダペプチド確証マーク」を確認すると良い。

かんきつ類や酢、梅干しに含まれる「クエン酸」も、特に運動の疲労に効果がある。一方でビタミンCは疲労にきくというエビデンスは無い。

エナジードリンクは「元気の前借り」とよく言うが、実際のところは負荷をかけるため、一時的に集中できるとしても、借りた分以上の疲労がたまる。集中したいならクエン酸入りスポーツドリンクを推奨。

疲労対策③住環境

脳疲労を軽減するには、副交感神経を優位にすると良い。それには、森林の「ゆらぎ」が有効だ。

木漏れ日、そよ風、せせらぎといった「自然のゆらぎ」のある環境は、脳にリラックス効果をもたらし、脳疲労を軽減する。

オフィスや家が綺麗でも、ゆらぎはないため、一定の環境に常にいると疲れる。

現実的にはオフィスを離れたり、家の近くに森があったりは難しい。時々窓を開けて風を入れたり、昼は外に出て緑を眺めたり鳥の声を聞いたりするなど、"ゆらぎのある環境"を意識すると良い。デスクワーク中に時折立ち上がるだけでも効果がある。

理想の休日の過ごし方は猫を見習う

休日に時間が取れたら、無理して温泉に行くよりは、自宅でゆっくりくつろぐ。何より優先したいのは睡眠時間の確保だ。

家に戻ったら、ソファーに横たわってくつろぐ。お手本になるのはペットの犬や猫で、お腹を見せて無防備に寝転ぶイメージ。流石に退屈だという人は、できるだけ頭を使わずに楽しめる漫画や雑誌をパラパラめくろう。

そのほか普段から、ワーキングメモリを鍛えて情報の処理を効率化することを意識すると疲れにくくなるそうだ。


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