高卒採用で失敗したこと
こんにちは。
今回のコラムは私の大きな失敗談をご紹介(?)したいと思います。
2015年のことです。
施設近隣の高校の一つは高校を卒業後に就職を目指す学生が多く、介護に興味がある学生が居ると、近隣の施設を紹介してくれるという流れでした。
今回も先生から紹介があり2名の内定が取れました。
この時、私は高卒で就職を選ぶ理由に経済的な事情と学生自身が抱えている問題がある事を知りませんでした。
また、法人としても「たまに就職してくれる学生がいる高校」ぐらいにしか捉えていなかったので、学校や学生の状況に対して情報収集が足りない状況でした。
2016年4月、法人に5名の新人が入社しました。
そのうち高卒の1名からの自己紹介が引っかかりました。
なぜなら「自分が中学でいじめられていた経験」を話したためです。
とはいえ「同期とは長い付き合いになるので、正直に自分の事を伝えて良い関係性を掴みましょう」という研修の一環の自己紹介で話してくれたので、深く考えずに研修後は現場の教育に任せることにしました。
ところが、その新人は冬を待たずに退職の意向を示してきました。
退職面談を通じて話を聞いたり、周囲の職員からも話を聞いたりして分かったことは、彼女が些細な注意を「怒られた」と感じてしまい、それが「先輩からいじめられた」という気持ちに発展してしまうことでした。
先輩職員がいじめたか?というと、そんな事はありません。
入職した新人職員、みんなに同じように気を付けるべき点を伝えているだけでした。
こちらとしては、先輩職員の気持ちも伝えましたが、彼女の「退職したい」という気持ちを変えることはできませんでした。
結局、彼女は冬に退職しました。
事務職の先輩からは「高校へ報告した方が良い」とのアドバイスがありましたが、どのように伝えるべきか分からず、また相談できる人も居らず、悩んでいる内に年明けになってしまい報告は2月頃になってしまいました。
結果として、先に退職した彼女から「いじめられての退職」と先生に話が伝わり、施設として説明に伺ったときには、私の言葉は先生に響かない状況になっていました。
そして翌年以降、その高校からの新卒採用は出来なくなってしまいました。
これは、明らかに私の行動ミスです。
この経験から学んだ事は、進路指導の先生への報告は早めに行うべきだということ。
あわせて、問題なく仕事をしている状況でも職場での出来事や入職した学生の状況を学校側に伝え、進路指導の先生と信頼関係構築をしていこうと考えました。
私は、この失敗をきっかけに、新卒の状況や問題に対して早期に対応するために別の相談窓口を作る体制を整えました。
現在では、新人職員の仕事の悩みなどが分かり、適切なサポートに繋がり離職防止に効果があると感じています。
併せて、問題が起きた際には迅速に高校と連携を取れるようになり、近隣の高校との関係も良好に出来ていると感じています。
とはいえ、ここに戻るまでには大変な時間と学校訪問という労力がかかりました。
高卒採用は、経済的な理由や個人的な問題を抱える学生にとって、貴重な就職(継続的な収入源の確保)の機会です。
そのため、私たち企業側も学生の状況に配慮し、サポートを提供する責任があると感じています。
また、公立高校の先生は転勤をします。
いつ何時、どこの高校で出会うか分からないので、関係性をしっかり作ることが大切だと感じました。
皆さんが人事担当者として高卒採用を実施するか分かりませんが、関係構築はしっかりしていくことをお勧めします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。