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高学歴で大手企業に入社するのは幸せか?母親の呪縛から逃れられない

幼いころから母親に「勉強しなさい!」と言われた。
「良い大学に進学した方がいい。良い大学に入れば良いところに就職できるから」とも。

◆高校進学

10代の頃、私は地方に住んでいた。
母の言う「良い大学」に入るためには、県内でトップの高校に入らないといけない。

見渡せば兄がトップ1、姉がトップ2に通っていたので私は焦った。
母はよく頭の良い兄弟たちのことを褒めていた。親戚にも自慢していた。

これで私がこのどちらの高校にも行けなければ「落ちこぼれ」と認定されてしまう

中学生なりに猛勉強。
受験当日に、過去最高得点を叩き出し、県内トップ2の高校に進学。

入学式で塾の友達に会い、「え?受かったの?」と驚かれた。
今思えば、すごく失礼な話。
だけど、その時の私にとっては”最高の誉め言葉”だった。

◆大学進学

高校入学後は、大好きな部活に打ち込んだ。
受験が近づいてきてから猛勉強したが、そんな付け焼刃は通用せず、ことごとく失敗した。

一年浪人して、死に物狂いで勉強。なんとか都内の有名大学に合格。
母は大いに喜んだ。親戚中に自慢していた。
そして上京した。

◆就職

大学入学後は、これまた就職のことなんて忘れて、好きなことに打ち込んだ。
いよいよ就職活動というときに、運悪く”就職氷河期”が到来。
志望業界の会社からたくさんお祈りメールが届いた。

ツラくて苦しくて母に相談した。その中で印象に残っている言葉がある。
大きい会社は良いよ。福利厚生も良いからね。」

その言葉で、志望業界を3つか4つほど変更。
そしてようやく大手企業に採用されたので、無事入社した。

◆結婚・出産

社内で夫に出会い交際していたが、母親が「この先どうするの?結婚するなら早いほうが良い。子どもを早く産めば楽なのよ」と畳み掛けてくる。

30歳までにワーキングホリデーに行く夢はあったが、その夢を追うのか、結婚するかを冷静に考え”結婚”を選んだ
そして娘が生まれた。

孫のできた母はとても嬉しそうだった。よく母は祖母に自慢していた。

◆家を購入

結婚してしばらくすると母に「都内で賃貸なんてもったい。家を買えば良いのに。」と言われた。

そのころ東京では、台風が多く発生していた。地盤の低い土地に住んでいたので、心配な気持ちもあったのだと思う。
大型台風が到来し、いよいよ住んでいた街が水没しそうなときに母から電話があった。
早く高台にある戸建てか、マンションの高層階を探して、引っ越ししなさい!」と。

翌々週には、物件を見つけ契約。ちなみに母親からの援助はもらっていない。

◆終わりに

この話は母の助言はあれど、最終的には自分で道を選んでいる私の話なので、母を恨むつもりはさらさらない。

でもふとした瞬間に思うことがある。
「母の望む道」を母が先回りして私に言わなかったら、私は違う人生があったのではないか?と。

私は有名な大学を出た。仕事がある。優しい夫がいて、5歳の娘もいる。死産を経験したけれど不幸ではない。

だけどすべてをひとりで決めてみたかった母の助言なしに

私自身も母親になったので、娘に「ああなってほしい」「こうなってほしい」と思うことはある。(口にはしないけれど。)

だから私の母もそのような軽い気持ちで言っていただけかもしれない。
ただ、母と子という関係で母から助言されてしまうと、子は影響を受けやすいことを学んだ。


良い大学を卒業して、良い会社で働いている。
結婚もしたし、出産もした。家も購入した。

それで?

お母さん、
あとは何をすれば幸せになれるの???

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