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コーヒー一杯で「あなたにとって」の特別な場所を。LAC伊豆下田のコミュマネが始めたコーヒースタンド。

みなと橋のたもとにあるLivingAnywhere Commons 伊豆下田(以下、LAC伊豆下田)。会員の人が全国の49拠点を行き来し自由に利用できるコミュニティです。(※1)

そこで施設管理などを中心に利用者同士をつなぐ『コミュニティマネージャー(以下、コミュマネ)』をしているのが松橋樹(たつき)さん今年の9月、地域に開放されたコーヒースタンド「Nitotte Coffee(にとってコーヒー)」をオープンさせ、下田の街に新しい賑わいスポットを作り出しています。

松橋さんは関東出身で下田には全く縁がありませんでした。約2年前の2020年、大学4年生の時に参加したフリーランス合宿で初めて下田に訪れました。そこから2年もたたず、2022年4月にLAC伊豆下田のコミュマネとなり、利用者と地域のハブの役割を担うコーヒースタンドをオープンするまでに。下田を盛り上げる「外からの人」にスポットをあててみました。

(※1) LivingAnywhere Commons:場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践することを目的としたコミュニティ。
2022年12月現在、全国に49拠点。

LivingAnywhere Commons WEBサイトより
LAC伊豆下田コミュマネ 兼 Nitotte Coffee オーナー  松橋樹(たつき)さん

――現在はどのようなことをされていますか??

現在はLAC伊豆下田のコミュマネをやりながら、フリーランスのカメラマンや映像クリエーターとしても活動しています。そして今年の9月からLAC伊豆下田を拠点に移動式のコーヒースタンド「Nitotte Coffee」を始めました。

LAC利用者と松橋さん(写真中央)
カメラマンとしても活躍

――なぜ、コーヒースタンドをやろうと思ったのですか??

理由は2つあります。
以前コーヒーミルのプロモーションの仕事に関わった際、コーヒーの奥深さに興味を持ち、自分自身がコーヒーにのめり込んでいったことです。プライベートでもコーヒーについて探求し、自分で入れたコーヒーを友人と楽しんでいました。

もう1つはLACのコミュマネの視点です。LACの利用者同士や地域と関わる機会や仕組みが少ないという課題があり、そのきっかけづくりとしてカフェやキッチンを検討していました。

6月に下田市や観光協会の方と交流したときに、利用されていない移動販売自転車の存在を知り、交渉したところ借りられることがわかりました。「これはやるしかない」と思いコーヒースタンド開業に向けて動き始め、9月5日「Nitotte Coffee」をオープンしました。

 移動式販売自転車を活用した「Nitotte Coffee」

――「にとってコーヒー」・・・不思議な名前ですね。どのようなコンセプトなのですか??

名前の由来は「◯◯にとって」という言葉から来ています。

コーヒーを作る私「にとって」、そしてコーヒーを飲むあなた「にとって」の空間や時間を提供するコーヒースタンドです。

共に自分「にとって」の空間を作り出すことのできる場にしたいと考えています。Nitotte Coffeeに来る人は、自分「にとって」の空間、時間を好きなように楽しんでもらいたい、そしてその隣にはコーヒーがあります。

というのがコンセプトです。

――なるほど、コーヒーの奥深さに負けないくらい深い意味が込められているのですね。9月にオープンしてまだ3ヶ月ですが手応えはいかがですか?

とても良い手応えを感じています。
まずはLAC伊豆下田の利用者同士の交流に一役買っています。僕がいるときはここでスペシャルティコーヒーが飲めるというのも好評です。

また、地域に解放しているコーヒースタンドなので地域の人の利用者も少しずつですが増えてきました。散歩ついでにコーヒーを飲みにきてくれる常連さんや、LACの1階コミュニティスペースを利用して勉強する中学生など、開けたコーヒースタンドをきっかけに新しいコミュニティが生まれ始めています。

地域のイベントに出店した時には、下田の焙煎士の方(アノヒノコーヒー さん)と繋がることができました。少しずつですが、下田の商品も取り扱い始めています。

下田でのイベント出店

――コミュニティマネージャーとしての仕事はいかがですか?

4月に就任してから8ヶ月経ちましたが、毎月毎月課題の連続です。
最初の2ヶ月ほどは仕事や責任を抱え込んでしまい空回りしてしまったこともありましたが、LACの仲間にも助けられ、だんだん自分なりの仕事の進め方がわかってきました。現在はコミュニケーションや距離感のバランスの取り方などがわかり、利用者とも良い関係を築けています。自分自身がLAC利用者だった時の経験も活きてます。

「ただいま」って素で言ってもらえる場所をつくりたいし、そう言ってもらえる人でありたいですね。

LAC利用者と地域の方との交流(LAC伊豆下田)

――LACにはたくさんの利用者がいらっしゃいますが、地域への入り込み方がとても上手で、住んでいる人以上だと感じます。どのようにしてうまく地域に入り込んでいるのですか?

多くの人が外の地域から来ているので、変なしがらみなどもなくフラットに人と接することができるからではないでしょうか?気に入ったお店や場所などを見つけると利用者同士が共有し、お互いに紹介、案内し合います。その繰り返しで訪れる回数が増え常連になるなど、結果地元の方と良い関係が築けている気がします。僕も常連になったお店とはとても仲良くさせてもらっています。

松橋さんお気に入りのお店「凰香」

そのような地域との繋がりのきっかけを作るということもコミュマネの役割だと思っています。僕の場合、地域(LACの外)との繋がりを作る手段の1つがコーヒースタンドです。

Nitotte Coffee とLAC伊豆下田の利用者

――今後どのようなことをしていきたいと考えていますか?

LACのコミュマネとしては、LACのことをもっと発信し理解してもらえるように整えていきたいです。まだまだLACと地域の間に壁を感じている人が多いと感じています。もっと開けたLACを目指したくさんの人が集まる機会や場所を提供できるようにしたいです。
また、個人としては、教育面に力を入れたいと思っています。地元高校生とLAC利用者との交流です。LACには新しい働き方をしている人がたくさん訪れます。下田だけにいたら接することがないような仕事をしている人も多く、高校生がふらっとLACに遊びに来たときに自然な出会いや交流が生まれるような場所。そこで自然に仕事体験に繋がるようなコラボレーションができたら・・・などと考えています。

LAC伊豆下田には場所にとらわれない新しい働き方をしている人たちが集まる。

Nitotte Coffee(コーヒースタンド)としては、イベント出店を増やし、新しい繋がりを作っていきたいです。

また、今回実現できた「活用されていなかったものを活かした事業展開(移動式販売自転車)」の事例としても「Nitotte Coffee」を発信し、同じようなことができる仕組みが生まれると嬉しいです。下田にはまだまだ活用できるものが眠っていると思います。

私も下田の人としてLAC伊豆下田を利用させてもらっていますが、本当にいろいろなタイプの利用者がいらっしゃいます。何気ない自己紹介の挨拶から話が盛り上がることもありますが、そこには利用者同士を上手に繋いでくれているコミュニティマネージャーの存在が欠かせません。施設内の管理運営にとどまらず、コーヒースタンド「Nitotte Coffee」をきっかけに地域に滲み出してきた松橋さんの人柄や魅力。今後は地域コミュニティもマネジメントできそうな可能性を秘めていますね。是非一度、松橋さんのコーヒーを片手に、あなた「にとって」の空間を体験してみてください。

WITH SHIMODA ライター:温泉民宿 勝五郎 土屋尊司
写真提供:松橋樹(3、4、6、9、11〜14枚目)、土屋尊司


Nitotte Coffee
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note:https://note.com/nitotte_coffee/

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