女が金で男を選別する「結婚の新自由主義」時代の到来

日本女性は恋愛に受け身だと言われています。事実、国際調査をしてもそれは顕著です。

しかし、既婚女性が自分から告白していないかというとそうでもありません。直接的な告白やプロポーズをしなくても、男にそうするように仕向けることは多くの既婚女性が無意識に実行していたことではないでしょうか?

そもそも、古来より日本人は女性からのアプローチが多かったのではないかというのが、昔話や伝説からも推測できます。では、女性の告白が減ったから未婚化になったのでしょうか?それも正しくはありません。そのカラクリを解説します。こちらの記事をぜひご覧ください。



記事内の「古事記」イザナギとイザナミのくだりについて添付のような指摘を複数頂きました。

画像1

勿論、その逸話は存じ上げていますが(2017年出版の拙著「超ソロ社会」に書いています)、では逆になぜわざわざ「最初は女が男にプロポーズしたら未熟児が生まれてしまった」というエピソードを入れる必要があったのか?を考えるべきです。

それこそ自然のままにしていたら、女から一部のイケメンだけにプロポーズが集中してしまったという事実を裏付けるものです。恋愛強者によるハーレム状態で、非モテは生涯童貞のまま死んでいく、と。

それだと多数の非モテ男の妬みや恨みで共同体生活を維持することができない。だから、一部の強者だけの「勝者総取り」ではない仕組みを作りたかった。しかし、当時は法治の概念もない。そのため、「女が主導して結婚すると悪い事が起きるぞ(「古事記」の場合は、子ができないという意味)」という教えをわざわざ残す必要があった。それが、古事記における二度のプロポーズ神話の意味だと僕考えています。

古事記の編さんと同時期の「万葉集」を見ても、庶民が呼んだ歌では相変わらず「女性主導による結婚の歌」もあるので、まだまだ世間的にはそうだったんでしょう。


多くの人が勘違いしがちですが、人間の本性なんてそうそう変わりません。少なくとも農耕定住による共同体生活をし始めた頃から、変わっていないと言ってもいいでしょう。勿論、今後も変わらないとはいいませんが、社会環境などの変化によって進化やゲノムの変化が起きるのは万年単位の時間が必要で、少なくとも何千年くらいで人間の本性は変わらない。

結婚=生殖だった昔は特に、女性側による「男の選別」意識は強かったでしょう。丈夫な赤ちゃんを産みたかっただろうし。これこそ無意識な「女の本性」のひとつといっていいかもしれません。そうした「女による男の選別」本性が、現在の婚活市場における年収などの相手の条件に転化されただけに過ぎないのです。

そういった本性を封印させたものがいわゆる社会規範です。円満な共同体運営を維持するためには、一人の男に妻が集中するのはよろしくないわけで。そのための仕組みとして生まれたのがお見合いや親が決めた婚姻というシステム(本人たちの受け身でつがいになるという規範)なんです。

それを規範にとどまらず、国の法律として規定したのが明治民法であり、事実そこから100年間、日本の皆婚社会は形成・維持されました。

記事の後半に書いたことが本当に言いたいことで、結婚というものがそもそも女性による男の選別だとするならば、自由恋愛の環境下では「恋愛強者男の勝者総どり」に逆戻りするのは自然の流れだということです。実際そうだし。古来の自由恋愛と違う点は、現代の結婚が最少の共同体形成であり、経済活動でもあるという点。つまり、今の自由恋愛は「恋愛の新自由主義」といえるのです。

とはいえ、現在では重婚の禁止などという古来にはなかった定めがあります。すると、結局、自分が選んだ男とマッチングしなかった女は、妥協して他の男と結ばれるか、はたまた、誰とも一緒にならない道を選ぶかということに帰結します。

記事の最後のグラフはまさにそのエビデンスで、非婚化は「男が女から好きになってもらえず、女が自分の好きな男とマッチングできないからそもそもそれ以外の男を好きになれない」という状態によるのです。

経済同様、恋愛新自由主義は、個人間の格差を必ず生み出します。この記事で本当に言いたかったことはそれで、もし僕がタイトルをつけていいのだとしたら(こういうWEBメディアのタイトルは基本的に筆者につける権利はなく、編集が決めます)こうするでしょう。

「恋愛新自由主義の未来は格差と非婚だらけ」と。

こっちの方がインパクトあったと思いません?

それを踏まえて再度記事をお読みいただくとまた違う印象になるすもしれません。


ところで、「いやいや、女は基本的に受け身だ。積極的に行動なんかしない」とか「男の方が今は草食化しているわ。全然リードしてくれない」と思っているあなた。

そこには不都合な真実があります。

要するに「女は恋愛に消極的で受け身だ」と言う男も「男は恋愛に消極的でリードしない」と言う女も、両方とも自分が非モテであることを喧伝しているようなものなんです。だって、ご自分がモテていたら、周りの男女は全員の積極的・能動的な人しかいないと思うはずなんです。

まあ、恋愛弱者は男女とも約7割なのでそれは当然のことなんで、あまり気にする必要はありません。

ちなみに、男が告白する日として9月14日がメンズバレンタインデーとされていた事をご存知でしょうか?1991年に日本ボディファッション協会が制定してもので、片思いの女性に男性が下着を贈るというものらしい。

そんなの知らないって人多いと思う。そりゃそうだ。そんな事したらキモいとフラれるに決まってるw

こちらがその記事です。写真www




長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。